表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
539/813

もう一人の楠見 その四

段々と、魔改造されていく101、アンドロイド、実験船……


数日後、アンドロイドの改造作業が完了する。

見た目は何も変化なし、しかし……


「ナンバー101、キャプテン。ようやく自己意識が持てるようになりました。つきましては私に名前を付けていただきたいのですが」


「お、おう。何か口調まで変わってしまったな。まあでも良いことだ。名前か……俺みたいな番号じゃない、固有の名前が欲しいんだろうけれど……俺には固有の名前ってのが思いつかない。クスミさん、何か良い名前はないですかね?」


「ふーむ……こういう場合のスタンダードと言うと……フライデーとか、ロビーとか、トビーが定番か」


「どうだい?アンドロイドくん。フライデー、ロビー、トビー。この中から良い名前はあるか?」


「そうですね……ロビーというのが語感が良いかと。私の名はロビーとします。おお、固有名が認識されると自己意識が広がっていく……そうか、これが己と言うものなのか……」


「良かったな、アンドロ……じゃなかった、ロビー。こうなると俺にも固有名ってのが欲しくなりますが……ねだっても良いですか?クスミさん」


「ナンバー101じゃ、自己と他人の区別もつきにくいだろうしなぁ。まあ、そういった自己と他人を分けて考えにくくなる文化・文明なんだろうが……完全な名前を持つほうが君のためにも良いかも知れないな。なにか良い名前は……俺の名前じゃ、俺のクローンか双子だしなぁ……ん、ヤマノなんてどうかな?俺の星、地球で大昔に作家だった人物の名前だ。正式にはヤマノ コウイチ。後でデータ化した名前と印刷したものをあげるんで、自分の名前だと覚えこむようにしたほうがいい」


「おお、ヤマノ コウイチ。何か他人と全然違う物が我が意識に芽生えそうですよ」


「じゃあ、ロビーの次はヤマノくん、君だ。君の場合は、ちょいと時間がかかる。まあ、宇宙船の改造にも時間がかかるんで、その間の訓練だと思ってくれれば良い」


楠見は新しくヤマノ コウイチという名前となった元101を連れて、教育機械ルームへ。


「さあ、ここだ。多分だが君は俺。ということは、ある程度のESP能力があるはず。まあ、俺が思考波を受けている段階で結構な潜在能力はあると思う」


「クスミさん、俺の思考波を受けたって言いますが、どのくらいの距離だったんですか?」


「ああ、まあ、気にしないでよろしい。このポイントからだと、およそ50万光年くらいかな?この銀河のすぐそばを通った時、君の思考波が飛び込んできた」


「あの時は必死でしたからね。まさに、死ぬか生きるかの選択でした。それにしても思考波って、そんなに遠くまで届くものなんですか?」


「いやいや、普通は集団の思考波くらいしか届かないよ。言っただろ?君は俺、もう一人の楠見糺だろうからね、そこまで強い思考波が出せるんだと思われる」


「ん?と言うことは俺、ヤマノでもクスミさんと同じくらいのESP?の巨人になれるという話ですか?」


「いや、どうだろうか……俺、クスミの場合は様々な特殊事情があるんでね。通常のESP開発法では無理じゃないかな?とは言え、あまり脳領域開発をやっても君の星では……最悪、人間兵器にされる恐れもあるしなぁ……とは言え、せっかくの才能だから開発してやりたいし……」


「俺、クスミさんの力、欲しいです!子供の頃、メディアで流される空想ドラマに憧れてたんですよ!現実に、そんな力が俺の中にあるのなら開発してほしいです!」


後で、もろもろの件を含めても、この言葉は抑えて言ったほうが良かったなと後悔することになる、元101のヤマノだった……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ