偽ガルガンチュア現る その10
地味に厳しい尋問風景(笑)
「んで?反乱鎮圧なのに、なんで一個師団&師団規模兵力の巨大ロボット二機なんて大規模な武力を送り込んでくるわけ?あー?辺境星系だよな、ここ。完全なオーバーキルだって分かってんのかなぁ?」
俺の尋問が続く。
巨大ロボット二機と大隊規模の兵団を潰すと同時に、残りの三大隊(四大隊で一師団ってことだった)が問答無用で仕掛けてきたため、さくっと潰した。
それから、小一時間から数時間過ぎているが、お説教という尋問の時間。
師団長も参謀も一兵卒と同じように正座。
座る場所は石ころばかりの整地されてない広場のようなところ。
戦闘終了後から座らせているので、もう足の感覚もないだろう。
参謀の足の裏を、ちょいとつついてやる。
「!#&%>!!!!」
声にならない叫びを上げる。
師団長殿が、脂汗を流す。
次は自分かと思っているのかな?
「で?師団長閣下?君らは下々の反乱に、いつもオーバーキル状態の軍備で乗り込むわけかな?説明してくれない?」
ちょちょん、と足をつつく。
「あっ!ぐっ!そ、そこは……は、はい!通常は少なくとも一個大隊を送り込みます……は、はひぃ!下級民の奴らには、服従というものを身にしみて教えてやらねばならぬゆえ……です」
「ふむふむ……一級種族だから二級種族や三級種族は滅びて当然、ということなんだ……じゃあ、俺達に負けた君らは、弱小種族ということで滅びて当然と。そうだな?」
大隊長の足を、ちょいと力を入れて、ちょいちょい突く。
「あひゃ!ぐぅ!は、はい……ここまで、ここまで力の差を見せつけられては、我々は、そちらの足元にも及びません。いかようにされても結構です」
「こら、大隊長、中佐!何ということを……しかし、当然か……我々が下級種族にやったことを、今度は我々が食らう番だ」
師団長閣下が暗い顔で呟く。
骨身にしみたかな?
「よし、正座終了!立ち上がってよろしい。とは言っても足に力が入らないだろうから、時間かかっても良い。一時間後に、搭載艇の前に集合だ!遅れるなよ。まあ、全員をロックオンしてるから遅れても逃げても確保するだけだが」
うめき声が響く中、俺は大型搭載艇母艦の中へ。
「心はへし折り、常識は粉々にし、後は自分たちの小ささを思い知らせるだけ。奴らにガルガンチュアを拝ませてやろう」
「え?そこまでやったら、プライドも誇りも吹き飛びません?彼ら、この搭載艇母艦すら巨大要塞だと思ってるってのに……流石にかわいそうになってきましたよ、師匠」
「いやいや、まだだね。本星の全戦力なら、こいつと渡り合えると思い込んでる師団長の思いが読めた。自分たちが、どうあがいても太刀打ちできない存在があるんだと思い知らせないとダメだな、あれは」
「いやはや、頑固ですな、彼らは。我が主、ガルガンチュアを見せてから、デモンストレーションやるつもりですか?」
「ああ、そのつもりだ。その前に、自分たちの先祖がやらかした悪行と、そこから今までの素行の悪さを描き出した映像ファイルを一時間ほど見せる予定……フロンティアに見せてもらったけど、胸糞悪い代物だった」
「そこまでやりますか……自業自得とは言うものの、やっぱりかわいそう……」
郷は情けをかけたいと思うようだが、今回は非情になる。




