銀河のプロムナード外伝 4
ありきたりだけど物騒?な会話と、トラブル発生です。
楠見は、その世界で退屈だった……
「なぁ、ローゾ君。いつになったら次のトラブル解決依頼が来るんだ?もう、俺は退屈で……退屈で……ふわーぁっ!……ならねぇよ」
「どこぞの落とし話のような台詞を口にするんじゃない、アドミラル。そもそも、そなたがトラブル解決にかける時間が短すぎるんじゃ。魔王帝国との一件もそうじゃが、それ以外にも魔王帝国の件で傾いた我が国の経済すら数日で解決のタネを出しおってからに……それも国王の生活やふんぞり返った統治姿勢までが解決されてしまうとは……そなた、有能とかいうレベルを突き抜けておるよな。どうじゃ?いっそ、この地で官僚として骨を埋める気はないか?国王どころか全官僚が、そなたを必要としておるんじゃが」
「あ、それは前にも言ったけど勘弁して欲しい。俺の仕事のメインは、やっぱり銀河規模のトラブル解決なんでね。ここに住み着くのも良いけれど、それをやると多分、全ての事業と作業や経済、建設の面で俺に頼りきりになってしまう恐れがあるぞ……地球で、そういう事が5年も続いてたからなぁ……今や懐かしいって過去になるけれど」
「そなたに全ての面で頼りきりになる……一国の全てが一人の人間に頼るなど考えただけで寒気がするわい。その人間が居なくなったらと考えると国の将来が……ぶるぶる、恐ろしいことよの」
「まあ、一国じゃなくて、1つの星が丸々5年間、俺に頼り切りだったんだけどね、全ての開拓事業や箱物建設、地球鉄道の延伸作業までが。あの時は、さすがに能力も低かったし辛かったな……」
「お、恐ろしい能力。真に有能な者は味方につけようが敵になろうが恐ろしい事に変わりはないということか……敵になれば滅ぼされ味方となれば全面依存する事になる。まことに厄介極まりないな」
と、そこへ早馬が駆け込んできた。町で対処不能になるほどのトラブルや災害時、至急の知らせの時に、もう王宮ではなく、このロンブ・ローゾ氏の館へ駆け込めと国王から指示が出ていたためだ。
「し、至急の知らせです!北方の山が火を吹きました!近くの町は大被害を受け、更に火の塊が山から流れ出ようとしております!私は早馬に次ぐ早馬でこちらへ来ましたが、もう一昨日のこと。今から向かっても救助隊を揃えて物資や食糧まで揃えるなら、約1ヶ月以上かかります!何卒、なにとぞ市民たちをお助け下さい!魔導師殿!神の御使い殿!」
「ちょいと聞き逃せない一言が……ローゾ君、神の御使いって誰のことだ?俺のことか?俺は神でもなきゃ御使いでも何でも無い、ただの宇宙人だって!この宇宙の住人だから異世界人でもないんだぞ、実は」
「お、おう、同じ宇宙の人であったのか、そなた。いや!バカなやりとりをしておる暇はない!誰か王宮へ早馬を!救助隊を組織して一刻も早く災害の地へ向かわねばならぬ!そなたも同行してくれ、アドミラルよ」
「はい、と言いたいところだけど、今回は同行しないよ」
「は?大災害なのだぞ?!」
「だからだよ、ローゾ君。俺は先に行く。一人で大丈夫、君らが来るまでに災害救助と火山噴火は、なんとかしておくから……それじゃ、位置は……ふんふん、そうか、分かった……伝令君、身体を休めてくれ。君の持ってる知識をのぞかせてもらったんで、その町に急いでいくから。まあ安心したまえ、こんなの日常茶飯事だったんだ」
「おい、火山の爆発が日常茶飯事だったなど、そなたはどういう……もう見えん。とてつもない速さじゃが、ああいう者がいないと、宇宙は平和にならんのじゃろうかの?」
ここに宇宙の管理者がいたら「違う違う」と大声で反対意見を唱えるだろう。楠見が異常なのであって普通の肉体を持つ生命体は、あんな日常をおくらないよと。




