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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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或る男の、真に稀有な日々 9

ガルガンチュアの描写が続く

その日以降、リハビリと筋トレ、そして一定時間の教育機械というスケジュールが組まれたんだが、私にとって、これは楽しかったね。

何と言っても飢えも寒さも暑さも雨に濡れるって事も、更に寝る場所すら心配することがなくて、一日中、起きてから寝るまでスケジュールの合間はガルガンチュアの中を探検することだって許されたんだから。


ガルガンチュア、こいつは過去にも未来にも、ただ一隻だろうという超絶の船だったよ。

宇宙空間、いいかい、辺りに星も見えない(星系の外にいるんだと言ってたね。下手に惑星や衛星の中に入ると互いの潮汐力で大変なことになりかねないからだと言ってたが、そんなもの想像することもできないだろ?ガルガンチュアそのものが私達の住む星と同じくらいの大きさ、そして合体接続してる他の三隻は夜空に輝く月と同じくらいの大きさなんだそうだ……こんなのが宇宙を自由自在に跳んでるんだぞ?馬鹿げた神話に近い、けど実話だ)宇宙空間に、でっかい惑星と衛星の塊のような物体が鎮座ましましてるんだ。


ちなみにガルガンチュアの内部を移動するとなると、ごく近い場所以外は転送という手段を使う。転送機の有効範囲は、ちょっとした銀河の半分以上とか言ってたから、もう、この星系の公転軌道は全てカバーされていると思って良いと思う。

「彼」に質問したことがあったよ。

この転送機、僕らの星でも使えませんか?ってね。

「彼」ちょっと哀しそうな目で私を見てね、


「残念なんだけど、そりゃ無理だね。この転送機は性能が良すぎて君らの星の種族を一気に銀河の星の世界へと連れて行く事になる。その前に光を越える速度で宇宙船を跳ばす、これを跳躍航法って言うんだけど、これは一定以上の精神成熟度に達した文明にしか許されないんだ。君らの星、見かけが自分たちと、まるきり違う生命体を尊敬して付き合うことができるかい?」


この言葉、ショックだったよ。

子供ながら、自分たちは、まだまだ宇宙へ出るどころか自分たちの星の中でも殺し合いやら差別、奴隷制まである国が残ってるし。

ちなみに「彼」タダス クスミというのが本来の名らしいが、発音が難しくて私は「彼」と呼ぶことにしている。

人種としては私と「彼」そしてゴウさんという人は太古の昔に始祖種族という星を渡る種族が居て、そこからの移民らしいのでご親戚とも言える種族らしいが、ライムさんや、もう一人のエッタさんは全く別の生命体と言うことで、そんな彼らをサポートしてるのが宇宙船の頭脳体四名と、「彼」の古くからの付き合いであるプロフェッサー、彼らも人工生命体(メカノイドと言うらしいが)という種族らしい。


私は自分では他の生命体を認める広い心があると思っていたが、まだまだだったね。

ライムさんが、実は……

と言って身体を溶かしだした時には逃げ出した。

どうやら不定形生命体という種族で、どんな姿にもなれる種族らしいね。

エッタさんは今の自分は始祖種族と同じような生命体だけど大元は精神生命体と言って身体を持たない種族だったらしいと……

想像もつかないが。


信じられるかね?

見た目は普通の少女みたいな風なのに、どろどろに溶け出したり実は肉体のない生命体とか……

幽霊やお化けとか、そんな絵空事じゃないぞ、本当、実際に、この宇宙には、そんな生命たちが大勢いるんだ。

水素やメタンを呼吸する生命体も獣と人が混じったような獣人という生命体も果てはシリコン生命体とか言う岩そのものが生きてるって生命体もいる。


君、君はジャーナリストでもあり作家でもある。

私よりも、もっと上手く書けるだろう、描写なら。

今より、ずぅっと未来。

私達の子孫は、どこまで行けているんだろうね……

銀河の果てまでは行っていると思いたいよねぇ、私達よりも広い大きな優しい心を持った子孫たちが……


あ、脱線したかな。

ともかく、ガルガンチュアの船内は、やたらめったら広かった……

いや、惑星と同じ大きさで内部が居住空間やらエンジンルームやら工場やらの区画に分かれていると言うんだから普通の惑星よりも効率的に使えるはずだな、あれは。

迷子になったことも数知れず。

そんな時は一定時間になると転送機のビーコン発信装置が私の体内に入っているそうで、それを元に私の部屋へ転送させられて、はい今日の遊びはおしまい!

とかだったんだろうね。


色々なものを見たよ……

辺り一面、大型の搭載艇、こいつは直径500mクラス、こいつがずらーっとならんでいる光景とか、何をどう使うか理解不能だけど災害復旧や救助に特化した機材群とか、「彼」の専用ギアだそうだが、それに着けるアタッチメント装備とか……

もう見るもの聞くもの触るもの全てが宇宙サイズというかガルガンチュアサイズと言うか、あれに慣れたら、どんな生物(例え大昔の恐竜のような巨大生物だろうと)でも可愛いものだと思うだろうね。


あ、ちなみに彼ら……

もう最低でも2万年は生きているらしいぞ。

寿命とかいう概念がおかしくなりそうだな、彼らを見ると。

見た目は「彼」が中年、ゴウさんが青年、エッタさんやライムさんは少女……

まあミドルティーンと言ったところかな。

人工生命体の5名は見た目には青年だが背丈や性別は様々。

自分の好みで定期的に変えたり、ずーっと数百万年変わらぬ姿を保つ人もいるようだ。

あ、このへんは曖昧にしたほうが良いかも知れないね。

世界の宗教観が激変してしまう恐れがあるぞ、自分で言っちゃって何だけど。


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