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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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修羅の星 16

まず、そのスピードにものを言わせて陽昇国軍ヘリ部隊に襲いかかるアーメリゴ合州国の魔導力飛行部隊。

ヒット&アウェイ戦法を取る相手に対し陽昇国ヘリ部隊は全機空中停止状態で待ち受ける。


「予想された戦法をとってきたな、敵さん。さあ、全機集中しろ!あの座禅からの居合をひたすら徹夜で訓練した日々を思い出せ。お前らには、あの高速飛行隊も空を飛ぶ鳥以下に見えているはずだ。魔導力が低過ぎたり皆無の兵でも魔導力飛行デバイス使わなくても互角に戦えるんだってとこ見せつけてやれよ!いくぜ野郎ども!」


おーっ!

という返事が無線機より多数返ってくる。

隊長機が見本を見せると言うのか、するりと集団から抜け出すと一機だけで敵飛行デバイスの爪の中へ飛び込んでいく。

しめた!

と思ったのか先頭を飛ぶ飛行兵が、その速度差をもって一撃で隊長ヘリを落とそうと機関砲を撃ってくる。

アーメリゴ側の機関砲は両翼の中間部にあり、交差するように銃弾が飛ぶようになっている。


タタタタタタタタタタタ!

軽い音を立てて、7、2mmの銃弾は隊長ヘリに向けて非情な死をもたらそうと襲いかかる!

その銃弾の到達位置から、すいっと横に移動したように見えた隊長ヘリは、そこから目の前に設置されている一門のみの機関砲、ただし、こちら銃弾は20mm弾。

前回の戦闘で30mm弾の優秀さは理解したが、あれではあまりに弾速と連射が遅すぎて、空対空での戦いに使えないのが分かった。

20mm弾でも弾薬の数が問題になったが30mmよりも4割増しで入るとのことで射手の腕次第と判断され、より小さい12、7mmや7、2mmに換装はされなかった。


タタタン!

小気味良い音が響き、その射軸上にある敵機は20mm弾には耐えられる防弾性能とはいかずに機体を撃ち抜かれてバラバラになる。

ただし飛行兵そのものは万が一のためにパラシュート背負っているので、もし弾が当たったら即死だが、今回は人体を狙っていたわけでもない隊長ヘリの射撃の腕の高さで助かり、パラシュートで海面へゆらゆらと落ちていく。


これを最初の戦闘と見なしたか、アーメリゴ飛行兵たちは各個撃破の指令を受けたようで、総数100機が総数50機のヘリコプター部隊に遅いかかる。

ヘリ部隊も善戦するが、さすがにヘリ1機で高速で襲いかかるアーメリゴ魔導力飛行兵2機の相手は難しく、あっちでもこっちでも、ヘリが落ちると次は魔導力飛行兵、そのまた次がヘリと魔導力飛行兵……

よく戦ったヘリ部隊だったが撃墜数は味方が65、敵が42


「残り8機のヘリ部隊で、とても艦隊は守れん!ヘリ部隊、退くぞ!落とされるなよ!」


隊長ヘリが頑張って敵を4機も落としたが、機体のドッグファイト性能は同じらしく総数で勝るアーメリゴ飛行隊が最終的に空を占拠する……

ただし今回のアーメリゴ飛行兵部隊の最大の欠点が、ここで露点する。


ヘリ部隊を相手にすることばかり考えて造られた飛行デバイスのため、ヘリコプターのように様々な武器やアタッチメントを交換することによる空対空、空対艦、空対地などの用途切り替えが不可能だったこと。

つまり……

魚雷発射管を積める機体が一つもなかったことが致命的な事態となる事に気が付かなかった……

相手を圧倒したとも言えるほどの成果を出したアーメリゴ魔導力飛行部隊は意気揚々と母艦へ戻っていく。

陽昇国艦隊は当然の如く空中からの魚雷攻撃が来ると覚悟していたが、いつまで経っても敵機が魚雷を発射する素振りすら見えず、挙げ句のはて母艦に戻っていったのを見て……

力が抜けると同時に、


「各艦へ通達!敵機は機関砲しか持たない中途半端な集団だった。しかし、空は負けたと言える。次は我々の番だ!海戦で敵を潰す!」


檄を入れる艦隊司令官。

通信を受けた、かんむ……

失敬、個別艦装部隊は次は私達!

と張り切るのだった。

空の戦いはヘリ部隊の負けではあったが陽昇国には秘匿部隊あり。

山椒は小粒で小さいがピリリと辛い!


彼我の距離20km。

戦艦の主砲も届き、必殺となる距離。

次からは海の戦いが主戦場となる……


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