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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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とある星の大学生の話 その6

オーサキくんの、その後です。

まだ終わりじゃないですよ、ちなみに。


オーサキくんの教育、完了。


郷には、その後のフォローも兼ねて、しばらくオーサキくんに付き添ってもらうこととする。

俺?俺は……郷やその他のクルーたちの強硬なる反対意見により、オーサキくんとともに惑星へ降りられなかった。

まあ、今回はガルガンチュアからアドバイザーとして参加するだけにしよう。


でもって、郷だけじゃ若干、心もとないので、プロフェッサーに同行してもらうこととする。


「それじゃ師匠、みんな、行ってきます。まあ、長くても数年で戻ってこられると思うんで……」


「わが主、行ってきます。郷の意見の修正ですが、少なくとも数十年は帰還は無理だと思いますので、よろしく」


「おい、プロフェッサー!?少なくともすうじゅうねn……」


言葉半ばで転送されていったが、おそらくプロフェッサーのほうが正しいと思われる。

だから、俺が行こうと言ったのに……


*ここからは、楠見は登場しませんので、ご承知おきください……


「到着しましたよ、郷、オーサキくん。目立ちたくないので、あなたが遭難した山の麓、獣道に近い場所を指定しましたので、オーサキくんは下山報告してきてください。郷と私は、とりあえずの拠点作りと行きましょうか」


プロフェッサーの指示により、オーサキくんは麓の市役所出張所へ下山報告。

そこで彼は、自分が遭難していることになっていたことに気づき、無事に下山したことを告げる。

一時、オーサキくんはメディアで大げさに取り上げられ、奇跡の生還を果たした人物と言われることとなる。


オーサキくんが滑落した瞬間を、実は目撃していた者がいたから、彼が擦り傷一つなく生還したことにメディアだけではなく、医療関係の大学までが関心を持ったのが少々、まずいこととなった……

彼の身体の中にいるナノマシンは、体内に注入された瞬間から彼専用の治療用ナノマシンと化すため、オーサキくんが検査で少量の血液を採取されても何も知られることはなかったが、注射針の痕跡すら数十秒で消えてしまう事実を隠すのは苦労したようだ。

ちなみに、X線による体内撮影、精密な脳内や体内撮影まで行われたが、脳の中身までは分からなかったため事なきを得た。


オーサキくんは半年ぶりに大学に復帰したが……

大学での授業内容を遥かに超えた知識と、それを活用するためのノウハウを目一杯詰め込んだ超頭脳に、何も学ぶことなどあるわけがない。

事故前の彼との、あまりの違いに教授たちは最初、戸惑ったが、彼が大学二年にして、今の常識を数十年は進めたロボット理論を卒論として提出するに至って、彼らはオーサキくんの扱いを変えることとなる。


そう、彼は授業を全て免除され、助教授として大学に残ることを要請された(当然、研究予算はもらえる)

オーサキくんは郷やプロフェッサーと相談し、最先端のロボット工学を民間移転するための研究室として、オーサキラボを設立する(ちなみに、これは民間資本も参加できるように株式会社としての顔も持っていた)


一年後、オーサキラボの研究成果として、世界中が驚愕する「自立思考して、感情すら持つ革新的ロボット(人型)」オーサキ1号が発表されることとなる。

1号と名付けられているが完成品であり、テスト技術など何もない。


「先日までのロボットたちとは何だったのか?!オーサキ1号が達成した人間サイズで5千馬力、最高速度200kmで走り、深海1万mまでの防水能力を持つ!これは、まさに、実現してしまったオーパーツと言えるでしょう!」


これは、オーサキ1号が登場した全てのロボット技術博覧会での司会の決まり文句である。

オーサキ1号ができないのは空を飛ぶことだけだと言われ、災害対応はもとより、産業用、海洋開発や砂漠の緑化計画まで、とてつもない利用価値があった。


「一体あたりの価格、いくらにすべきでしょうかね?あまりに安くしすぎても市場破壊になるし、かと言って高すぎるのも普及しなくなるおそれがあるでしょうし……」


オーサキくん、研究者としては優秀だが、こと商売人としてはダメダメ。

まあ、郷もプロフェッサーも、商売の天才などお断りだから、オーサキくんの性格はもってこいだった。


「社長、副社長、専務。生産コストが低減されるまでは高いのも仕方がありませんよ。私達も会社として利益を上げないと、こんなアイデアと技術を持ってて潰れちゃった会社なんて上層部の責任以外の何物でもないでしょうし」


発言したのは、オーサキラボを立ち上げた時に真っ先に手を上げて、会計や営業方面に天才的な能力を発揮してくれることとなった女性。

実は、オーサキくんの同級生であり、同じロボット工学部の研究生だったと後で分かった。


「あら、私はオーサキさん、知ってたわよ。変人だけど、優しそうで頭も良い、狙いめの男子だったわ」


彼女の名は、ノービ スズカと言う。

数年後、オーサキくんはスズカさんと結婚し、ノービ ユースケと改名することとなる。


オーサキ1号は、その後改良型としてノービ21号まで細かな改良を施される。

最終型のノービ21号は、子供の養育機能から犯罪防止、果ては家庭内の小さな修理や工事まで対応する柔軟な性能で一世代を築くこととなる。

ノービ家は、一代で巨大企業を作り上げてしまったスタードリームハウスと言われる事となる。


で、この夫婦には、息子が一人生まれた……

その名を「ノービ ノーブ」という。


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