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行動目標は決まったよ。 前途多難だけどね。

フロンティアの完全修復後の姿…はい、誰が言ったか知らないが、昔懐かしき「スカイラーク」でございます。

(完全球形だから、スカイラークとアルコン船(ローダン・シリーズって世界一長いスペースオペラ知ってるかな?)の混合タイプになるんですけど)

手近な星から探査を進めることになりますが……

不定形生命を探す旅が始まった。

まずはフロンティアのデータにない、銀河系の約半分の地域を探すんだが、今の状況が、その未探査星域に近いポイントだったりする。


ま、手近なところから星間地図を塗りつぶしていくような形にすりゃ、こぼれちゃう星域も無いだろう。


「フロンティア、未探査星域の一番手近なところから行くぞ」


「了解です、マスター。では恒星間駆動を始動させます。およそ一時間で目的星域の近くに到着します」


「よし。じゃあな、探すのはハビタブルゾーンから離れた星だけに限定する」


「え?ハビタブルゾーンから離れれば離れるほど生命体には過酷な生存環境となりますよ?不定形とは言うものの鉱物や機械体でない生命に、それは適切ではないのでは?」


「ふっふっふ。常識ならば、な。お前が自分で、さっき言ったじゃないか。自分が探査してきた星の中に不定形生命の星は無かったと。いいか、銀河の半分を探査したフロンティアのデータの中にも見つからない生命体を探すには、どうすりゃいいか?探査条件を変えてやるんだよ、今度は。幸い不定形生命体ってのは、この宇宙が誕生して宇宙が晴れ上がった後に誕生した生命体の中でも最古参のようだから、生命体としてどんな進化をしているのかすら想像も出来ない歴史を持つだろう。そういう生命体が、わざわざ生存競争の激しい恵まれた星を選ぶと思うか?」


「そういうことですか。私もずいぶんとデータを蓄積して学んできましたが、このような飛び抜けた想像と推理はできませんね。我がマスターとして貴方は最適解だと思います。では、そのように探査条件を変えましょう」


で、探査する条件を変えて手近なところから探し始めたんだけど。

生命体の探検本能っていうか未知のものを探す本能ってのは凄いよね。


太陽系でもそうだけど探査船そのものは20世紀の頃から太陽系を探しまくってたからね。

生命体の生存には厳しい星を探してたんだが、いわゆる「ハビタブルゾーン(生命の生存可能な確率が高い星。太陽系で言うと地球や火星のような星)」で育った生命体が基地や開発で他の星にも移住・探査に来てるのね。


とりあえず最初の星系は主星から最遠の星だけにして早々に立ち去りましたとさ。

まあ普通はこうだよね。


自分の住んでる星系を未探査で終わらせて他の恒星系に行くのは、ちょっと違うよな。

自分の庭は全て確認しなきゃ、ってのが普通。


次の星系、また次……

次々と星系を渡り歩いていきましたとさ、我々「不定形生命探査チーム」は。

ひと月後、成果は……

はい、全くなし。


まあ、そんな簡単に見つかるとは思ってませんよ俺も。

まだまだ未探査星系は、ごまんとあるからね。

でもって探査効率を上げるために俺の出した提案。


「フロンティア、一つアイデアがあるんだがね。この探査の効率を上げる方法だ」


「はい、なんでしょうか?」


「お前の持ってる万能搭載艇、あるよな。それに小型化した恒星間駆動をつけられないか?」


「やれば出来るでしょうが……搭載艇は元々が救助艇ですからね。そこまで考えていないのです」


「だから、使い方が違うんだ。搭載艇の一部、およそ10隻ほどでいいから恒星間駆動だけつけて、手近な星系を探査させるんだよ。搭載艇は小型とは言っても俺の宇宙ヨットより小さなものから揚陸艦クラスのものまで様々な大きさがあるんだから出来ないこともないだろ?それに、お前ほどじゃないが、かなり高性能の人工頭脳も載ってるんだから」


「しかしマスター。私ほどのセンサーは搭載されておりません。頭脳が高性能でも入ってくる情報が少ないと探査になりませんよ?」


「さて、そこだ。搭載艇は、お前のようなセンサーの数も感度も持たない。だけど、様々な通信電波を受信できるよな。生命体が文明を持って惑星間を航行する手段を持つくらいになれば、当然、コミュニケーション手段として電波を使うか、それとも光を使うか……普通は電波を使うと思われるので、搭載艇は電波を受信するだけの探査で良いだろう」


「え?それだけで良いと?」


「ああ、しばらく受信していて翻訳装置が正常に作動するようになったら、その中から「不定形生命体」とか「不定形の生物」とかの単語を拾いだせばいい。それを本船に送って、お前が重要か、そうでないかを判断すれば、おおまかの探査は終了するだろ?不定形生命体と共存しているならともかく共存してなきゃ頻繁に単語は出てこないよ」


「ほう。見事ですね。では改造に、しばしの時間を下さい。10隻ほど特別任務に当たれるように改造処理を施します」


「ああ、頼むよ」


そして、それから探査効率は上がった。

が……

探査終了星域は数百になったが、いまだ手がかりすら掴めない。

ああ、不定形生命体と、その文明は、いずこに……


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