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精神生命体からの贈り物その1 さて、どうしたらいいでしょうか?

正直に書きます。

メイドさんになる筈じゃ無かったんだよ最初の予定じゃ。

普通に端末生命体(かりそめの命で、全ての歴史と知識を語ったら消える予定)だったんですが……

なんで、こうなった?

今回の話のつながりだと、フロンティアの乗員が1人増えそうです。

名前とか全然考えてないぞ、どうしようか?


とりあえず落ち着こうじゃないか、俺。

神の使徒とは言うものの、本体にとっちゃ分離した端末に過ぎないんだろうし……


「ご主人様、妾は生体端末ではありますが一個の生命体でもありまする。扱いは生命体と同じでお願いいたします」


これだからな。

テレパシーくらいは持ってるだろうし、俺に準じた扱いにしてもらおうか。


「フロンティア、このが、さっき俺とテレパシーで連絡とりあってた精神生命体が創った生体端末だ。端末とは言ってもタンパク質生命体に違いはないから扱いは俺と同じにしてくれ」


「はい、了解しました、マスター。私も興味ありますね、この宇宙より長く存在している生命体の歴史と話には」


「だろ?それじゃ、フロンティア、プロフェッサー、俺と、このとで、ゆっくりと話をしようぜ。新しい進路設定は、それからでも良いだろう」


ってなことで急な話ではあるが長大なる歴史物語の語り部が登場する場が設定された。


「さて……と。何から語ってもらうかな?まあ、とりあえずは、あの精神生命体を創りだしたという、この宇宙の誕生より以前の宇宙(?)に住んでいた生命体と文明について話してもらおうかね」


「分かりました、ご主人様。しかし時間的に、どのくらいの過去になるかどうかということは物理的にも意味がないことですので言えませぬ。ビッグバンの瞬間には時間も空間も全てが極微の一点に集約されていますからね」


「ああ、その点は承知しているよ。しかし、ものすごいファンタジー……というか、もう神話の世界だよな。この宇宙の誕生する以前の宇宙なんて」


「さすがにロボット船の私でも想像し得ない時間単位ですね。マスターの運の良さ、というか巻き込まれ運の強さというものには呆れます。私は、これまで様々な生命体や文明、銀河団や星雲・銀河を観測・観察してきましたが、このような精神存在だけの生命体というのは一部の生命体における迷信か伝説に語られるものでしか無かったのです。それがマスターを乗せてから、あれよあれよという間に先史文明の超科学の一端が解明されるわ、タイムトラベルの実践例が証明されるわ、挙句の果てに宇宙より長く生きてる生命体と巡りあうとは。私の設計者や製作者の種族も、こんな事があろうとは予測もしてなかったんじゃないでしょうか?」


「気持ちは分かるがな、フロンティア。まずは、このの話だ」


「よろしいですか、続けても?はい、では精神生命体を造ろうと思った、その種族の動機は簡単です【我々の種族が存在していたという事を永遠にわたって語り継ぐモニュメントになるような存在を残したい】ということです」


「動機は、たった一つ、それだけ?」


「はい、ご主人様。私の分離する前の精神存在が創造者である種族から受けた命令は、たった一つだけ【精神生命存在を創りだした文明を自分の存在の限り伝え残しておくこと】だそうですので」


「ものすごいナルシストと言えばナルシスト。控えめといえば控えめだな。でも、どうして自分たちの文明や種族を残そうと思わなかったんだろうか?」


「それは簡単ですよ、ご主人様。宇宙の再誕時に物質で構成された物は全て原子以下に戻されるからです。精神体なら、あるいは?という可能性に賭けたのですよ」


おおお!

壮大なる賭けに勝ったわけだな、その種族は。

少なくとも生命体や種族・文明は全て消滅しても、その誇りと存在を証明する者は残されたわけだ。


「ちなみにご主人様。かの創造者種族の文明が滅んだのは宇宙の終焉と同時期です。彼らの文明は宇宙寿命の最終期に勃興して宇宙の終焉と共に文明も種族も滅んだわけですね」


「ほう、では遺跡も何も残らないよな。どのくらいの期間、文明として存在したんだ?」


「宇宙の最終期、約2億年ほどのようですね。文明は、まだまだ伸びる力を持っていたのですが宇宙そのものが滅びるとあって、その文明のエネルギーと滅びに対抗しようとする執念のような気概で精神存在を造り出すプロジェクトを開始したようです」


「おー、2億年とは凄いな。地球だと恐竜の生きてた時間くらいだな。でも発展できる余地があるのに宇宙の滅びを知らされたわけか。そりゃ自棄っぱちになるか滅びに対して一矢報いたくなるか、どっちかだわな」


「ご主人様の考えたように自暴自棄になって破壊につぐ破壊に走った生命体もいたようですね。しかし、この文明は破壊よりも宇宙の滅びにさえ耐えうる生命を創りだそうという希望にすがりついた。その文明のもつ全てのエネルギー、全ての叡智、全ての情報を注ぎ込み、そのプロジェクトは宇宙の滅ぶ寸前、約1万年を切った寿命の時に完成したようですね。後は、ただ一つの命令だけ与えて、その精神生命体を自由にし彼らは従容しょうようと自分たちの滅びの時間を待った、とのことです。これは精神存在が宇宙収縮の寸前に、その文明の遺跡に残された碑文を読んで推測したことなのですが。ちなみに、その碑文には[この碑文が破壊されるとき我々は滅んでいるだろう。しかし我々は宇宙に対し、たったひとつだけ反逆することが出来た。避け得ぬ宇宙の滅びにさえ、我々が創造した精神生命体は破壊も滅びもせずに、次の宇宙へと命をつなぐだろう。我々は勝ったのだ。滅びに、運命に]と書かれてあったそうです」


偉大なる創造者達に敬礼!

ちょっと泣いてしまった。


この歴史がたり、次も続くよ。


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― 新着の感想 ―
ブゥアー(伝承族/マップス)の主人と似た目的ですね。
[一言] こーゆー浪漫悲願希望夢が叶うの 超好き
[良い点] [この碑文が破壊されるとき我々は滅んでいるだろう。しかし我々は宇宙に対し、たったひとつだけ反逆することが出来た。避け得ぬ宇宙の滅びにさえ、我々が創造した精神生命体は破壊も滅びもせずに、次の…
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