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機械生命体との遭遇その3 双方、誤解があったようですが。

星間戦争(か?)に関わることになっちゃったフロンティア一行です。

双方の話を聞くことにしたのですが、おや?



&&%%78星に到着。

あいも変わらず機械生命体達は星の開発を頑張ってた。

兵士君の顔色が変わるが「まあまあ」と宥める。

ここは一つ機械生命体達のリクエストにお応えして先史文明の使者という形でも取るかな?


「マスター、あまりに派手な登場は止めてくださいね。我々は、あくまで観察者の立場なんですから」


ちぇっ、フロンティアも堅物だな。

まあいい、搭載艇の中でも小型の物を選別して船団を組み、大気圏突入していく。

ん?

なぜに船団を組んだか?

俺は1人で行くつもりだったんだよ、でもフロンティアとプロフェッサーが許してくれなかったんだ。


安全が確保されないとダメですって言うんだが機械生命体達に悪意はないのが分かってるだろうにな。

しかし、武器も何も持たないでエンカウントする事は許可してもらった。

武器は嫌いだよ、個人的にもね。

ちなみに今の俺、武器はないけれどESPは充分に鍛えてあるので、サイコキネシスも相当使えるレベルになってるんだ。

無手でも大丈夫。


無事に大気圏突入は終了して、船団で陸地へ降りる。

さすがに形が全く違う宇宙船団が降下してきたということで機械生命体の一部が交渉役となったのか、こちらへ近づいてくる。

俺は、ちょいと脅かすつもりで、今の俺が出せる最大強度のテレパシーで呼びかける。

全く違った思考形態の生命体とコミュニケーション取るには、これが一番だったりするとフロンティアに教わったからだ。


《初めまして!俺は、ここから遠く離れた銀河系の田舎のほうにある地球という星からやって来た者!あなた達と、ここの先住民たちとの誤解を解きたくて、やってきた!》


ビクッ!

と、それこそ雷に撃たれたようなショックを受けたようだな。

交渉役の機械体を囲んで何か話し合っているようだ。

そのうち交渉役の機械体だけを残して慌てたように他の機械達が引き上げていく。

なんだろう?

最初の声がけが失敗したのか?

フロンティアからは最初にテレパシーで挨拶するのが異種生命体同士の習慣だと聞いたのだが……

古い習慣だったかな?


交渉役の機械生命体が俺の目の前に来て動作を停止する。

おや?

兵士君の話だと会話中も動作を止めるようなことは無かったと聞いたぞ?


「お待ちしておりました、ご主人。長い、長い時を待った甲斐がありました。どうか我々が用意しました、この星に同胞の方たちと降臨してくださいませ」


フロンティアから機械生命体達にはテレパシー発信能力はないが受信能力が優れていると聞いていたが……

なんだ、この対応?

何か誤解が発生したようだな。


《ご主人と言われたが、私は、あなた達の主人の種族ではない。私は自分たちを地球人と呼ぶ種族だ。何か誤解があるようだ、詳しいそちらの歴史を聞かせて欲しい》


「その力強いテレパシーこそ、あなたがご主人である証拠。はるか昔、我々の元を去ったご主人達が用いていたのが、あなたが使われているテレパシーなのですから」


あ、そういうことなのね。

じゃあ、あまり言葉で喋る種族じゃなかったんだね。


「では、こちらへ切り替えよう。私の星の言葉を、あなた達の言葉に変換する翻訳機を使うことになるが許可してくれ。こうやって音波を使うコミュニケーションが地球人の通常のコミュニケーション方法だ」


あ、なんか、がっくりしてるのが見てても分かる。

機械が哀しそうに肩落とす光景って初めて見たぞ。


「それでは違うのか?あなたは我々が待ちに待った、ご主人達の使者ではないのか?」


あまりにかわいそうだな、このままだと。


「まことに私はあなた達のご主人の種族ではない。しかし、あなた達のご主人達が、どうなったかという仮説は持っている。しかし確信にまでは至っていないので、あなた達の種族の歴史、ご主人達の種族の歴史を、あなた達の知る限りでいいから教えて欲しい」


「仮説がある?ご主人様達が帰ってこない理由でもあるのかね?」


「証明するには、あなた達の歴史を聞かせてもらわねばならない。良いだろうか?」


「了解した。それから、これはお願いなのだが、あなたには音波コミュニケーションではなくテレパシーで話して欲しい。我々はテレパシー受信装置が働くのを長い、長い間、待ち続けていたのだ。ご主人の声でなくとも良いからテレパシー波を受信させて欲しい」


《分かった。できるだけ、こちらを使おう。それであなた達の心が安定するなら》


「ありがとう、心より感謝する。こちらへついてきて欲しい」


くるりと反転すると、心なしか嬉しそうな表情(機械だけどね)をしながらも案内してくれた。

途中、色々と会話したのだが、テレパシーをこれだけ強力に使えるのは地球人の中でも数名だと説明すると、さすがにがっかりしたようだ(まだ主人の種族の末裔だと思っていたようだ)


案内してもらいながら歩いていくと途中で数体の機械生命体に会う。

交渉役の機械生命体が俺について説明すると、


「ぜひとも、我々にもテレパシーを送って欲しい」という。


はじめまして、こんにちは。

という感情をテレパシーで送ってやると機械生命体達は歓喜に震えたような表情(だから、機械です、あくまでも)をしている。

俺、こんなことやってて良いんだろうか?


しばらく歩くと、特に大きくて高層の建物が見えてきた。

どうも、将来の星系政府の中心となるように造られたものらしい。

俺と交渉役の機械生命体は、その建物に入っていった。

あ、護衛役ロボットたちはどうなったかって?


一応ステルスモードで俺の周囲を取り巻いていたが、機械生命体達の様子を見て危害は無いと判断したのだろう、建物には入らずに周辺警護についたようだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 『長い、長い間、待ち続けていたのだ』 うおおおーーん! 泣ける! こんなの泣けるんですよぉーーー! ある日突然、地球から出て行けばいいじゃん? なんて言われたらブチ切れですけどね……
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