え?魔法のある星 3
さーて、コラボ企画のはじまりだ〜!(笑)
とは言うものの、他の「なろう作家」さんたちに知り合いはいないので、自分の作品とのコラボという、マッチポンプ^^;
今、ひっじょーにマズイ状況になっております、俺達一行。
問題は俺達に危害が及ぶということじゃないんだが……
生産職と冒険者が揉めるということがマズイ。
でもって、サイコキネシス使えるとか強力なテレパシー使えるとかエッタとライムの特殊能力やプロフェッサーの怪力(アンドロイドの体だからね。歩くパワードスーツです)とかが世間に広まるのが、ひっじょーにマズイのだ。
だってさ、この星でサイキッカーやテレパス、ライムのような不定形の肉体とか、エッタの読心力(心を読む力にかけてはエッタは俺より手馴れている)とか、肉体強化の魔法なしで数千馬力の力持ちのプロフェッサーとか、魔法使いじゃなく規格外の力を持つ集団なんて、あり得ないんだよな。
ちなみに、商工ギルドで試しに全員が魔法適正を測ってもらった。全員が不合格。
魔素を体内に取り込む生来の能力がないという結果が出たらしい。
まあ、全員が魔法なんか無くとも生活に支障ないんで普通に生産職やってる。
ただし、この諍いで俺達が冒険者を圧倒的に無双しちゃったりすると、魔法が使えるという圧倒的なアドバンテージをもつはずの冒険者が、か弱い生産職に負けることになり、常識がひっくり返される。
これ、ひじょうにマズイと思いません?あまり詳細に俺達の身体を調べられると、この星の生命体じゃないことが判明してしまうだろうし……
っと、こんなことを考えながらも、俺は筋肉ダルマさんの攻撃をかわし続けている。
これも多重思考の恩恵。
それに加えて、相手の肉体強化魔法に対抗するために、ごく弱いサイコキネシスを使って相手の拳やら蹴りを微妙に逸らせている。
反応速度は、まだまだ俺のほうが上だけど肉体強化魔法の効果は絶大で、こんなパンチやキックが急所に当たったら大怪我しそうだから。
「ふぅふぅ……や、やるじゃねえか!こ、ここまで俺の攻撃を躱されたのは、おめーが初めて、だ!」
「避けなきゃ殺されそうだからね。ほいっと!今のは危なかったね、と」
「い、息も切らして無きゃ、汗もかいてねえとは、な。さ、さすがに俺の体力も尽きて、きたぜ!」
「まあね、カウンター恐いから攻撃しないんだけど、こうやって攻撃を躱されるのも、地味に辛いでしょ?」
「あ、ああ。連続攻撃を、これだけ躱されると、体力が、続かねえ……やめだやめ!もう強化魔法の限界時間だ。これ以上は、俺の身体がもたねえよ!」
肉体強化魔法を切ると筋肉ダルマは、その場に突っ伏した。
強化魔法の反動で精も根も尽きたらしい。
「勝負は、そちらの勝ちで良いですよ。実際、俺は攻撃できなかったんですから」
「それにしては余裕よね。こっちは地面に伸びてるというのに」
「いえいえ、生産職に攻撃は似合いませんので、このへんで。お互いに身体は大事にしましょう、仕事に差し障りが出ますよ」
「それもそうね、いいわ。今回は、これで引き下がります。でも、あなた本当に魔法使いでも魔術師でもないの?さっきの戦いの時、こいつに何か仕掛けてたでしょ?」
「お、目がいいですね。ネタを明かすと対策されちゃうような陳腐なものですよ。一応、秘密にしときます。命がかかってますんでね、こっちも」
ごめんね、サイコキネシスなんて、この世界に言葉すら無いから説明できないんですよ、実は。
「ふーん……麻痺香とかの類いかな?それにしては何の匂いもしないけど……まあいいわ、これからは私達も絡みません。不気味な錬金術士には近づきたくないわ」
「それが無難でしょうね、お互いのために。では、これで……あ、そこで倒れてる方に、これを進呈します。一錠で疲労が取れますよ」
俺は、液体から固形タブレットに改良したポーション(回復薬)の瓶を冒険者の女性に手渡す。
これが、俺が生産している物の中で一番の売れ筋だ。
通常の液体薬より高価だが、瓶が割れても薬が台無しになることもないので、高レベル・高クラスの冒険者たちには売り切れになるくらい大評判の物。
「え?これ、ギルドの中でも噂になってる固形のポーションじゃない!あんたが作ってたのね。はあ、あんたに怪我がなくてよかったわ……これが作れなくなったら、下手すると冒険者ギルドから除名されてもおかしくなかった。ごめんなさいね、いまさらだけど」
わかってくれたか、ようやく。
「いえいえ、分かってもらえれば良いんです。では、これで」
なんとか遺恨も残さずに解決できたようだ……と、思ってました。
だけど、そうじゃなかったんだよねー……この星に、地球からの転生者がいたんだよ。
これが、ファンタジー小説並にチート野郎でした。その話は次回に……