表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
銀河団を超えるトラブルバスター
178/813

銀河団を渡る旅 その7 文明程度を変える話 中

うう、やっぱり予想通り、上下で終わらなかった……

後一話で、この話、終わるかなぁ…


前々回で振った伏線につながります……



通常の勤務時に、それは起こった。


ドン!


という、突き上げのような音と振動、その数秒後に、激しくて強い揺れが、これでもかと襲い来る!

ビルは倒れ、道路はめくれ上がり、山は崩れ、海に近い埋立地は水のように液状化して、一部の根本対策済み以外の建造物は地面に呑まれていく……

その10数分後、とてつもない巨大津波が岸辺を襲い、港より10Km近く離れた地域も津波により建物が根本から持って行かれる。


幸い、この地域は震災地域とは山脈で隔離されていたために、そうは被害が酷くなかったが、ラジオやテレビから送られてくる現地の様子は、とても正視できるものじゃないものがある……


その時、社内放送が響き渡ることとなる。


「社員の皆様、落ち着いてください。ただいま、巨大地震が、ここから40kmほど離れています、$$市にて発生し、その影響で津波被害も発生しております。

その件にて、ただいま、社長より緊急の告知がありますので、そのまま、静粛に、お聞きください」


「あー、社長のクスミ0001である。ただ今発生した大災害の救助作戦を、我社の総力を結集して行う事となったので、ここに告知する。そして、ここに有志の救助隊員を募集する。ボランティアではあるが、当然、有給扱いにし、我社の最新開発機器の実践使用の機会もあるので、ふるって参加を希望する。では、参加希望者は30分後に社屋の前まで集合するように。以上だ」


僕は、放送が終わるか終わらぬかのうちに、エレベータに乗っていた。

ちなみに、うちのエレベータは特別製らしく、どんな災害があろうとも故障やケーブル切断とは無縁だと保証され、大災害があろうとも社内移動はエレベータを推奨されているほどだ。

社屋も、どんな設計なのか知りようもないが、巨大地震でも最初の突き上げだけのショックで、後は微細な揺れのみ……


俺達って、巨大な防災ドームにいるのか?

などと噂されるくらいだ。


さて、災害救助へ自主希望した者達は、どうしても社内での作業上、必要な人員を除いて全員だったようで、約60名。


バス、あるいは車両を用意して、集団で行けるとこまで行くのか?

などと考えていると……


社長が来て、開口一番。


「今から社内の最高機密を開示する。まあ、他人に話しても冗談だと思われるのが常だと思うが、口外はしないように」


はい?未来を実現してる会社だから、空飛ぶ車でも来るのかなと思っていると……

うわ!

これ、いきなり目の前に現れた、これって……


「社長、これって、あの、空中に浮いてコンタクトも拒否してる巨大宇宙船に、そっくりなんですが……サイズを除いて」


そう!

いきなり僕達の目の前に現れた、大型バスの大きさくらいの球形宇宙船が2隻。

まさか、これが我社の最高機密?


「分かるものもいるな、そう、これが我社の最高機密にして、最大最高の開発品だ。さあ、ステルスが効いてるうちに乗り込め!現場へ行くぞ!」


有無をいわさず、僕達は球形宇宙船に詰め込まれる。

約60名も居るにも関わらず、居住性は悪くない。


駆動方法は想像がつく。

フィールドエンジンだ。

これでなきゃ、こんな代物、空中へなんか浮かせられない。


フヨフヨと、乗り込み終えた宇宙船から空中へ。

眼前に見える巨大宇宙船と同じくらいの高度になると、瞬間的に移動し、あっというまに災害現場へ。


まずは高空からの現場確認。


酷いものだ、堤防は全壊、道路も使用不能、鉄道も船も、地震と津波で全て破壊されてしまっている。


僕らは、グループごとに、ポイントを決められて降ろされ、まずは人命救助と災害現場の整理を始めることとなる。


「社長は?どこに行きますか?」


と聞いたら、緊急に対処すべき物件があるので、そちらへ飛ぶという。

それも家族で。

子供など連れて大丈夫なんですか?

と聞いたら、笑顔で、


「大丈夫!これでもベテランだよ、君たちよりも!」


と、自信満々!

まあ、あの社長が危険地帯と分かって乗り込んでいくのだ、大丈夫だろう。

僕らは、精一杯、自分たちのできることをやった……


やり過ぎたかも知れないな、正直。

僕らが使用した、宇宙船に積まれていた救助用具や資材は、とんでもないものだった。


強化外骨格は、簡易のパワードスーツ。

重さ数トンの船をも、いとも軽々と持ち上げて、災害ゴミの撤去を素早くやってのける。


僕の使った殺菌灯は、当てるだけで怪我や傷口の殺菌ができる優れもの。

泥水すらも瞬間的に殺菌し、飲用可となる。


他の救助班が重宝したのは、以前も述べた超薄型の発電シート。

これで救助テントを作ると、そのままミニ太陽光発電所に早変わりする。

ちょっとしたテレビやラジオの電源なら、充分に使用可能だ。


朝に起きた地震災害は、もう昼には、こういうわけであらかた片付くこととなった。

しかし、これからが正念場!

普通の救助隊や消防、警察組織は、いまだ現場には到着できない。


僕らは、行方不明者の捜索隊と、道路や鉄道復旧の部隊に分かれて作業することになった。


まあ、僕らはまだいい。

緊急案件とかで危険地帯へ向かった社長たちは、どうなったんだ?!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ