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さんかく座銀河の一角で その三

まだまだ、銀河一周レースは続きます。

一応、中盤のCM終了後、という事になりますかね、次回のお話は。


えーと、カスタム搭載艇に

「AからGまでの特殊装置ボタン」

も付けようかと迷ったのですが……

最終的に、止めました(笑)


スタートダッシュで出遅れる……

まあ、様子見です。


予想通り、スタートダッシュで後続を突き放そうと焦った宇宙船が突如現れた流星群に突っ込んでいく。

命に影響はないだろうが宇宙船は外壁に穴が開き、修理費が大変だろうなー。


焦る○○は貰いが少ないってね。

スタート直後で脱落者が結構な数、出てますな。


俺達の搭載艇と、優勝候補のカスタム宇宙船は共にゆっくりと発進していく。

この辺りは互いに心理戦のようなところもある。


そこから星系を出るまでは妨害なし。

レース管理委員会の監視の目が光ってるのもあるだろうが、あまりに妨害が多いと自分たちにも被害が出るのを恐れたためだろう。


星系を出ると超光速エリアに入る。

ここから監視カメラの数が、ぐんと減る。


さすがに超空間での小細工ってのは無理なようで(そんな超空間にとどまれる技術があったら今頃は中央星系で金の風呂に入ってるよ。この宇宙の全ての物を跳ね返すのが超空間で、それを利用したのが跳躍技術なんだ)跳躍を終えてからの通常空間で仕掛けてきやがった。


「我が主、跳躍終了地点で救難信号です!」


と言われて行かない奴は冷血人間、宇宙に出る資格なし。

俺達搭載艇の回りの船も、遅かれ早かれ救助信号発信地点に最大加速で向かうやつばかり。


で、行ってみたら偽装信号発生器が1個、宇宙空間に浮いてた……

酷い、あまりにひどい!

これは宇宙の共通モラルに明確に反する!


あわててコースに戻るとレーダーには先行宇宙船が一隻。

こいつは噛ませ犬のカスタム宇宙船だな。


一隻だけということは、こいつは先の救助信号がダミーだと気付いてた可能性大。

ここまでやるかよ、おい。


プロフェッサーが表情も変えずに(フロンティアと違い、表情変化の機能を持ってないボディだから)静かに言い放つ。


「これは、いくらなんでも……私も本気になります」


フィールドエンジン効果で急な加減速にもGを感じることはないはずなんだが、この時ばかりはカスタム化で取り付けたロケットエンジンがフルに動作するので、後ろに引っ張られるGを感じる。


「うぉっと!プロフェッサー、熱くなってるなー。無理もないけど」


フィールドエンジンで慣性を最小限にしてる所へ持ってきて、巨大なロケットエンジンが数基、最大加速で動作。

たちまち先頭を行くカスタム宇宙船に追いつく。


が、追いぬくことはしない。

最後の最後に、ぶっちぎりで優勝しないと、この鬱憤はおさまらないからね。


ちなみにフロンティアからの裏通信では、これらの監視カメラに映らない映像も、しっかりと録画して保存しているとのこと。

レース終了後に、ぐうの音も出ないように証拠として提出するのだそうだ。

超空間と通常空間を交互に一定区間、航行しながらレースは続く。


カスタム宇宙船側の小細工、段々と正体を現してくる。

ダミー救助信号発生器なんか序の口でスタート直後の流星群モドキの襲来やら、宇宙デブリの溜まり場(俗に言う宇宙の墓場、サルガッソー宙域)には宇宙海賊モドキが隠れていたし、果ては……


「ここまでやるかい……」


超空間からの出現地点付近に小規模なデブリを多数置いておく。

これは本来、絶対にやってはいけない事で、超空間からの出現時に一定以上の質量があると空間重合(大爆発)を起こしてしまい重大事故になる。

そのため、この手の事故を避けるように超光速機能を持つ宇宙船には自動回避機能があり、その地点への出現を回避し、もっと手前で通常空間に出ることになる。


これでアドバンテージを大幅に稼ぐカスタム宇宙船。

もう違反とか言うレベルの妨害じゃなく、宇宙航行そのものに対するテロ行為の次元である。


まあ、賞金とトトカルチョの金額を合わせれば、そんなテロも正当化されると馬鹿な欲に駆られた頭しか無いんだろうが……

そんなこんなで脱落者も半数以上。

トップグループのカスタム宇宙船と俺達のカスタム搭載艇がデッドヒートを演じ、セカンドグループは、どんぐりの背比べ状態。


レースは中盤に突入していく。

そこには、前半が天国とも思えるような地獄のステージが待っていた…


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