古いロボットとは呼ばせねえ! 3
この章の説明回として必要かな?
と思い、書きました。
まだ、説明しきれてないところもありますが、それはおいおいと。
ここで少し時間を遡る。
「こちら宇宙船フロンティア。救助信号を受けて急行してきた。それにしては被害を受けた箇所が見えないのだが?」
「緊急信号を受けて跳んできてくれたのか?!ありがたい!早速、救助の内容について詳細を相談したいのだ。地表に降りてきてくれるだろうか」
「ん?詳細について相談?何だろうか?まあいい、では搭載艇にて、そちらの指定するポイントへ降りるとしよう」
「すまん、本当に助かる!君たちがいなかったら、この銀河は、この星を除いて死の宇宙と化してしまうだろう」
なんだとぉ?!
緊急事態とかじゃない、バイオハザードクラスだ!
俺達は5人全員で降りることにした。
大変なことが起こっているようだ。
詳細を聞いて資料を貰い、対策を検討して実行しないと、この銀河の危機になりそうだ。
中型搭載艇にて指定された宇宙空港の着陸ポイントへ降りていく。
俺達を待ち受けていたのは、どこかで見たような……
いわゆる「天使」のような、背中に小さな翼を持つ生命体達だった。
俺達は歓迎セレモニーもそこそこに対策会議室のような広い部屋へ通される。
通訳辞書は数時間前に作成済みであったため会話は難なく通じる。
「さて、異なる星からの客人たちよ。本当なら、この星の全てを上げてもてなすのが普通の歓迎方法なのだが、この非常事態に、そんな時間はない。分かって欲しいが、そこまでの緊急事態なのだ」
「そこは了解しておりますので大丈夫です。非常事態の内容と理由、原因、対策を早急に話し合いたいのですがね」
「ありがたい!では、とりあえず、この資料を読んで欲しい」
渡されたのは分厚い研究資料。
まあ、超の付く高性能ロボットたちがいるし、そこは任せよう。
「この資料は、こちら2体の超高性能ロボットが処理します。我々は、この事態が起こった原因を知りたい」
途端に渋い顔になる天使たち。
身内の恥だろうか?
「まことにお恥ずかしい事ながら、一研究者の身勝手から起こりました。研究所外に持ち出し禁止という生命体の核を無断で持ちだして培養実験を行ってしまった研究者がいたのですが、その研究者によって核が身体を持ち、この世界に解き放たれてしまったのです」
「ふむふむ、それで、どうして、この星には被害がないのですか?お話から察するに、とても危険な実験生命体のようですが?」
「それが……孵化した時に見た研究者を「親」と思い込んでしまったのでしょうね、その生命体は。我々は遺伝子も外見も同一に近い単一種族ですので雌雄の別などありませんし、交配により繁殖することもありません。分裂生殖に近い繁殖方法なので個人を区別するのがとても難しいのです」
「あ、分かりました。研究者と同じ顔が、そこいら中にいたわけですね。で、その危険生命体は、どうしたんですか?」
「親を攻撃する生命体はいません。ですから、この星は、その危険生命体の攻撃対象から外れましたが、その生命体の攻撃衝動と破壊衝動は最大危険生物レベルになっておりました……後になって分かったことですが」
「大体分かってきました。ところで、その生命体の食料は?」
「物質なら何でも」
「はい?」
「目の前にあるものなら何でも食べてしまうのです。雑食などというレベルではありません!接触した生命体、動植物、無機物までが、その生命体の摂食範囲になるのです!まさに星喰い「スター・イーター」ですよ」
「とてつもない危険事態ですね!我々のフロンティアすら絶対安全じゃない」
「はい、それどころか、この生命体、食べたものをエネルギーとして真空中だろうが水中だろうが地中だろうが生き延びられます。ほとんど絶対生物なんですよ」
「弱点は?」
「たった1つ。自分の身体が耐えられる衝撃・攻撃を超えるものを加えられると装甲を兼ねた外骨格が破壊されます。筋肉や神経、体液は外骨格にて保持されていますので、それが破壊されてしまえば死にます。ただし宇宙空間でも数年、1000度を超える温度でも数時間は生きています」
「じゃあ絶対零度で外骨格ごと破壊するしか方法がないのか……」
「あとは、それこそ非常に大きな力でぶっ叩くか、ぶった切るか。ですね、マスター」
「おっ?!資料の詰め込みは終わったな、2人共」
「はい、我が主。これは厄介なことになりそうですよ」
「分かってるよ。ようし、久々の武装解除だフロンティア!」
「あ、異星からのお方。もう一つだけ。この生命体は群体生命体ですので、その点をご注意下さい」
「はい?軍隊生命体?」
「いいえ、群体です。アリやハチのように女王を中心とする群れを作るんで、全て死滅させるような事をしなくても女王を仕留めれば、その群れは崩壊します。ちなみに繁殖力があるのも女王だけです」
「そうか、司令塔を倒せば、あとはバラバラに動くだけだから、その星の生命体に任せても後はなんとかなるか」
「そうです。我々が危険生命体の対処をすることが出来ませんので何卒おねがいします」
「え?ご主人様、なんで、この人たちが対処できないの?」
「今は、この星に「親」がいるから危険生命体は襲ってこないんだ。それが他の星に行って危険生命体に攻撃してみろ、親だと認識されなくなって、この星まで攻撃対象になるぞ」
「あ、そうか。ありがと、ご主人様」
「そんなことより早速、星系回りを始めるぞ!手近な星から始めるんだ!」
数時間後、俺達は天使達の隣の星系へ駆除作業に来ていた。
女王は星に一匹だけなんだろうが、ともかく群体生命体だから雑魚も含めた数が多い!
ようやく女王の居場所を突き止めて絶対零度砲にて凍結破壊処理を行い、その星の住民の感謝の声にも応えること無く、この後は各個撃破で大丈夫だからと後を託し、次の星系に移る……
「マスター、今更ながら時間が掛かり過ぎます。最前線の星系に間に合わなくなりますよ、これじゃ」
「うーん、そうなんだよなぁ……どうすればいいのか……あ、とりあえず最前線の文明へ向かって、助けに向かっているけど時間がかかることをテレパシーで伝えておこう。一応の対抗措置を教えておくのも手だな」
「それが良いと思われます、我が主。女王に対抗できるのは絶対零度砲だけでしょうが、それ以外を抑えてくれれば、時間稼ぎにはなりますよ」
絶対零度砲は普通の科学と技術力じゃ実現できない。
エネルギーの流れそのものを逆転する攻撃だから。
しかし、それ以外、主に「フィールドエンジン」は対抗措置となるだろうな。
俺は、できる限りの力でテレパシーを飛ばす!
そこで最前線と思われる文明の科学者とコンタクトが成立し、容赦のない敵の正体を伝える。
そして女王は俺達で倒すが、それ以外の敵は速度と衝撃・攻撃で充分に対処可能と伝え武装の強化に「フィールドエンジン」が有効だと伝える。
ものすごい感謝の念を送られたが、こちらの対処が遅れるための時間稼ぎ方法なので恐縮する。
さて最前線まで、どれだけかかるかな……
それまで星系文明、保ってくれよ!




