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古いロボットとは呼ばせねえ! 1

思わず、衝動的に書いてしまいました。

もう土台も何も崩しすぎて残っていませんが、この話の土台、分かる人いますかね?

あまりに古すぎて分からないかもね(笑)


宇宙船フロンティアは、数ヵ月ぶりに星の海に入っていった。

銀河間を旅するのに飽きたのと、フロンティアが物資を要求したからだ。


ちなみに前回の小さな星間帝国への訪問で、かなりのデブリ(戦争やってる星域はデブリが多いのだ)を貰い、今のフロンティアは直径1000km超えになっている。

もう小惑星というよりも小さな衛星クラスである(さすがに惑星とはいかない)


このサイズの宇宙船というのは、もはや冗談か、あるいは伝説になるレベルだろう。

下手すると都市型宇宙船とか言うタイプに近いかも知れない。

とはいえ、搭乗員は生命体3ロボット2体の総数5名ではあるが。


フロンティアには少し前の体験で、この銀河団の出国(というのか?)許可を貰ったことは話してあるので、このまま速度を上げ、銀河系やアンドロメダ銀河を含む銀河団を出て別の銀河団を目指すことも可能ではあるのだが、まだ、それを実行することは俺の中で躊躇ためらいがある。


故郷を離れることにイマイチノリ気になれないのもあるが、まだまだ、この銀河団のトラブルシューティングを終えたとは思えないからだ。フロンティアは見知らぬ銀河に近づくと、リム部にある小さな星系へと近づいていった。


「お母様、今日はいつもより星がきれいに見えるわ。いつか、私もお父様のように、あの星の海へ行けるようになるのかしら……」


「あらあら、お父様と同じ道を歩くつもり?今の成績と運動神経じゃ、とてもじゃないけど無理よね。もっともーっと成績上げて宇宙パイロット養成所へ推薦されるぐらいにならなきゃね。さあ、もう寝なさい、明日も早朝練習でしょ?」


「はーい……なんで私は適性試験が、お父様と同じパイロットじゃなかったんだろう……機動兵器搭乗員としての適正値が、あんなに高くなきゃ今頃は宇宙パイロット養成所へ行ってたのになぁ……」


とある星で、とある少女が愚痴をこぼしていた。

戦いなんかに身を投じたくはない、でも自分が戦わないと星系が宇宙からの異生物に食いつくされてしまうのだ。

少女は、その宇宙からの異生物と互角に戦える唯一の武器、機動兵器の搭乗者として訓練を受けているのであった。

自分が戦わないと星系が滅ぼされる。それは、どうしても許せるもものではなかった。


機動兵器、それは宇宙や異星での作業を楽にしてくれる作業用の強化外骨格から始まった。

最初は一人の人間が持ち上げられる重量を軽減し人間の負担を少なくする事から始まったが、これが軍用に転化されると人間の数倍の力を持つスーパー歩兵を造り上げることから始まり、次第に強化外骨格というコンセプトからは外れていき、一人乗りの兵器と化していく。

現在では高さ6m、重さ5tのチタン鋼の塊である機動兵器が宇宙戦の主役となっていた。

そして、この機動兵器は、個人で操るものなので、個人の才能が物を言う。平たく言うと、


「才能がなければ、機動兵器は操れない」


ということだ。ベースは機動兵器に心が乗せられるかどうか。この才能がないと機動兵器は、ただの土木機械と化す。


最初の頃は良かった。土木機械クラスのタイムラグがあろうとも、その絶対的な腕力と脚力、砲火で敵を圧倒できていたから。しかし宇宙からの異生物を相手にした時、その最大にして最弱の欠点が明らかとなる。


「敵の反応速度に付いて行けない」


これで異生物との初期戦闘は大敗した。しかし、その中で数機だけ敵と互角か、あるいは敵を一機で大量に屠った者達がいた。

その生き残った者たちを軍が集めて詳細に詳細を重ねて精密検査したところ、一般兵の操る機体とは反応速度の点で数10倍の違いがあることが分かった。その反応速度で少数の彼・彼女らは異生物に負けないどころか凌駕する。


そして有り余る力で異生物たちを葬り去ったのだ。その後、機動兵器の役割は主流どころか異生物との戦いでは戦術兵器のメインウェポンとなる。

しかし、それに乗り込める資格を持つものは、ごく限られた者達。おおよそではあるが約1000人に1人いるかいないかの狭き門。それも生まれつきの才能で決まる。


機動兵器の適格者と認められれば、とてつもない訓練量とサイバネティックオーガニズムの科学的知識を元にした座学を半強制的に受けさせられる。しかし、これを嫌がる人間は、ほとんどいない。

なぜならスーパーエリートへの最短コースだから。体験者によると、


「地獄も天国と思えるほどの訓練」


を終えると彼、彼女ら(生まれつきの才能なので男女に差はない)は機動兵器のプロフェッショナルと化す。こうして徐々にではあるが異生物との泥沼の戦いも人類側に有利に傾いていった……

ある時期までは。


「ほ、報告!報告!敵、異生物が急にパワーアップしました!こちらの機動兵器が通用しないレベルの敵が出てきております!再度報告!新しい、反応速度と火力が今までの敵とは大幅に違い……」ブツン!


あちこちの戦線で、このような報告がなされ、次第に最前線の状況が見えてきた。

異生物とはアリやハチのような群体生命体であり、その統率は女王が全てを統括する。


今までは働きアリのような雑魚しか投入してこなかったものを女王が戦略を変更し、働きアリに混じって兵隊アリクラスを投入してきたのである。働きアリならば今までの戦術で対応できるが、反応も砲火もレベルが違う兵隊アリクラスに対しては機動兵器部隊のエリートの一部しか反応速度は上回ることは出来ない。これ以上の機動兵器の性能の底上げも現状では行き詰まりである。

人類側は苦境に立たされた。その時、科学界の異端児が現れる。

あまりに突飛すぎる理論のため当時ですら、ごく一部の科学者しか理解者がおらず、その性格も相まって、ついには科学界から追放されてしまった過去を持つ男である。彼の持論は、


「鍛錬も座学も通用しない時、そんな敵が現れるときに、たった1つ有効な手段がある!それは……根性とチームワーク、そして何にも負けぬ精神力だ!」


どこの旧石器時代のド根性論者だと、その時の科学界は爆笑と共に怒りを込めて、その異端論を声高に叫ぶ科学者を黙殺し、追放した。その追放された男が打つ手の無くなった軍部の、おもーい空気の中に飛び込んできた!


「ついに、遂に私の理論が正しいことが証明される!その日が来た!見よ諸君!これが私が密かに開発していきた、キング オブ カードだ!」


彼の指の先にあったもの……それは様々なパーツで構成された組立型ロボットだった。

今更そんな古いものを持ち出してきても何にもならない、そう言おうとした将軍たちの目の前で奇跡は起こる。


「原型、アーマードタイプ サンダー。付加パーツ、イオンレーザ砲!セットアップ!」


機動兵器の実験場になっているフィールドに飛び出してきた4人の少年少女たちは今、叫んだリーダーのあとに続き、パーツの組み合わさった旧型とは言え大型ロボット(全長20m以上、重量は組み合わせで変わるが、およそ20tから500tまで)に搭乗する。

まあ手詰まりなことも有り、将軍たちも、お抱え科学者達も一度はやらせてみることに決めたようだ。

様々なパーツの組み合わせにより変幻自在に性能と長所・短所が変わる合体ロボット。


一昔前なら、これは画期的なシステムであったろう。

しかし今の敵は機動兵器でも敵わない反応速度を持つ異生物だ。

起動も反応速度も遅い大型合体ロボットでは、とても立ち向かえるとは思わなった……

その時までは。


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