僕の彼女はヤンデレでドジッコさん
ヤンデレ物を読みまわってみてヤンデレキャラの超人率の高さに驚いた、料理できたり、頭良かったり運動出来たり。なのでヤンデレようとするんだけどドジっ子っていうかアホの子で上手くいかないヤツがいてもいいんじゃないかと思って勢いで書いた。
後悔はしているが反省はしない。
携帯電話1
その日、僕は彼女と居間でのんびりとしていた。突然便意を催した僕はそれまでネットサーフィンをしていた携帯電話を机の上に置いてトイレへと向かった。
その後、戻ってきた僕が見たのは僕の携帯とにらめっこをする彼女の姿だった。
「これはチャンスね、ユキトさんが他の女と連絡を取り合ってないか確認するチャンスだわ!」
彼女はそういって携帯を弄り始めていた。
…正直部屋に戻り辛い…。見るなら見るで言ってくれれば見せたのに変に隠れてやろうとするから出るに出れないじゃないか…
「しょうがないもう少し待つとするか」
この判断を僕は後悔することになる…
………
……
…
30分後
彼女は今だ携帯とにらめっこをしていた何かぶつぶつつぶやきながら操作している
「1289?6785?…あかない…」
そう彼女は暗証番号が解けずに困っていたのだ、かれこれ30分同じことを続けている。彼女には一から試すという言葉はないのだろうか?適当な値をひたすらランダムに入力している彼女は同じ値を入れていると気付かずかれこれ30分も同じことを繰り返している。
「しっかりしてくれよ…割と簡単な番号なんだからさ…」
僕はもう少し待つことにした。
………
……
…
1時間後
彼女は涙目に成りながらも番号を打ち続けていた。そんなに泣きそうならやめればいいのに。喉まで出かかった言葉を飲み込む。理不尽でも自分の求めるもののためにどんな行動でもするのが彼女ら(ヤンデレ)が彼女ら(ヤンデレ)たるゆえんなのだろう。
…まあ、うちのはその中でもポンコツな部類に…いや、ポンコツそのものだが
「あかない、あかない、あかない、あかない…」
ああ、その番号は二個前に調べたよ。その次のは一つ前かな。僕は観戦者になってひたすら観察していた。こうしているとなかなかおもしろくなってくるんだから不思議だ。彼女はあと何時間でとけるだろうかそして僕はいつまでトイレにいっていることになればいいのだろうか。
ふと、そう考えていると彼女は不意に立ち上がった。
そしておもむろにトイレに向かう。
僕はトイレから離れ、近くの部屋に身を隠した。
そして彼女はトイレの扉の前に立つとトイレのドアを叩きながら喚き始めた。
「ユギドざぁ~ん。そんなに私のことが嫌いなんですかそんなに携帯を見せたくないんですかあけてください、あげでくだざいよ~」
どうしてそうなる!僕は頭を抱えた。飛躍論理で携帯が開かない=彼女のことを嫌っているとなっている。さてはてなぜそうなっているのか。まあ、それより前に言うことがある。僕はそこにはいないぞ?1時間半もトイレにいるって僕はどんな人間に見られているんだ。
僕は彼女の後ろから彼女に近づき携帯を取った。
「あっ…」
後ろにいた僕に気付いた彼女は先ほどの痴態を思い出し恥ずかしそうにしている。そんな彼女をしり目に僕はボタンを押した
「1111っと。ほれ簡単だろ?」
開いた携帯を受け取った彼女はうれしさのあまり号泣した。
☆☆☆
追跡1
視線を感じる…。
ある晴れた日、久しぶりに一人で外出をしたくなった僕は町へ繰り出していた。
ぶらぶらと何を買うこともなく店を出入りする中、ふと視線に気づいた。
視線のする方に視線を向けると電信柱からお尻を突き出しながら隠れる彼女の姿があった
「…」
もっと隠れるなら上手く隠れろよ!電信柱からお尻を突き出しながらの尾行ってどこのアニメだ!!
僕はため息をつきながらも彼女を意識の外に外してショッピングを続けた
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「ユキトさん、一人で外に出るなんて言うんなんて怪しいわ、きっと他の女に会うつもりよ、もしそうでなかったとしてもユキトさん一人にしておくなんて危ないわ、私がユキトさんに危険が及ばないようにしっかりと見て回らなくちゃ」
彼女はそういいながら電柱の裏に隠れていた。カサコソと物陰から物陰に移動しながら身を隠す、彼女の頭の中では彼女は今、凄腕の探偵だった。
「はう、やっぱりユキトさんは凄いわ選ぶもの選ぶものすべてにセンスがある。いくら見ていても飽きないわ」
そう彼を凝視しながらつぶやくと彼は突然振り返ってきた慌てて電柱の裏に隠れる彼女。彼は少しこちらを見たあと何もなかったように歩き出した。
「まさか、気づかれた?いやでも話かけずに進んだってことは気づいてないわね。隠れているのに私の気配を察知するなんてさすがユキトさんだわ…ポッ」
そんな彼女を周りの人々は奇妙なものを見るような目で見ていた。
………
……
…
追跡を続けていく中、ユキトは男子トイレに入っていた。彼女は追跡をしようとしてちょうど女子トイレから出てきた女性に止められた。
「ちょ、あなたどこ行こうとしているの?そこは男子トイレよ!?」
「知っています!」
「いや、知っているなら止まりなさいよ!なんで入ろうとしているのよ!」
「中にユキトさんがいるんです。ユキトさんがいるところは全て私の居場所なんです邪魔しないでください」
「いや、何言っているの!?邪魔するに決まっているじゃない」
「邪魔するんですか?あなたも私とユキトさんとの中を切り裂こうとする雌犬なんですね。こうなっては仕方ありません。あなたを始末します」
彼女はバックの中からペロペロキャンディーを取り出し、武器のように構えた。
「さあ、掛かってきなさい!」
「もう、なにこの子!?」
女性はそれだけ言うと逃げるように去っていった。
「ふう、まあ私に掛かればこんなものですね。さてユキトさんを追わなければ」
彼女は男子トイレに侵入するがそこにユキトはいなかった。
「あれ、ユキトさん、あれ、あれ、あれ、あれ?」
彼女はトイレから出るとユキトを探すために歩き回る。だがユキトを付けてきた彼女は道がわからず迷ってしまった。
「ユキトさんどこ…ユキトさんがいないと私は」
涙ながらに歩き回る。だが歩けば歩くほど道に迷っていった。
そんな彼女に後ろから声がかかる。
「まあ、こんなことになると思っていたよ」
ユキトだ、彼は彼女の手を握っていた。
「人を付けたりなんかするからこうなるんだ。さっさと帰るぞ」
「はい…」
彼女は赤い顔で消えそうになるような声で言葉を返した。
宴会1
かんぱ~い!!
今日僕たちは大学のサークルの宴会に来ていた。
ここはいわゆるカラオケ居酒屋。居酒屋とカラオケが一体化している。皆仲良く語り出すなか一人の青年が窓にへばり付くソレに気付いた。
「なあ、なんかあそこにいないか?」
彼はユキトにそう告げる。ユキトがそこへ視線を向けるとほっぺたを押しつぶし完全に顔くっつけながらこちらを覗き見る彼女の姿があった。ユキトは思わずため息をついた。
「ああ、あれか。うん。まあ特に気にする必要はないさ、それより歌おうぜイエーイ!!」
ユキトは無理やり話を変え、場を盛り上げようとする。不思議に青年たちは思ったが指して疑問も挟まずにそのノリに続いた。
「「「イエーイ!!」」」
それと同時に窓の外にいる彼女も窓にへばり付きながら片手をあげていった。
『イエーイ!!』
宴会は続いていく…。
料理1
「ふふふ、これさえあればユキトさんも…」
彼女が何かを呟きながら鍋を回している。僕は後ろからそれを覗き込み鍋の中のものに眉をしかめたあと彼女に話かける
「なぁ、これなんだ?」
その時の僕の顔は間違いなく引きつっていただろう。だが彼女はさして気にもせずあっさりと答えた。
「惚れ薬です!!」
「惚れ薬!?なんだってそんなもの!?」
「ユキトさんをもっと私にメロメロにするためですよ!!アユちゃんが言ってました。トカゲのしっぽとエメラルドの欠片、蜘蛛の巣とハチの子、富士の天然水と天空の雫さえあれば惚れ薬ができるって!!」
「なんだその素材!!だまされてるぞ、それ。第一そんな危険な物俺に食わせようとするな死んじまうだろうが!そもそも天空の雫ってなんなんだよ!!」
僕は緑色に発光するドロドロとした魔女の料理のような危険なものを眺めて言い放った、アレは危険なものだ。この世に出してはいけない物だ。
「え、だまされたんですか~!!でもでももしかしたら効果があるかもしれません。ほら一口食べてみましょう!」
「食えるか~!!」
僕はちゃぶ台返しの容量で鍋をひっくり返しモノを処分した。場には異臭と彼女の悲鳴が響いていた。
料理2
「ふふふ、これさえあればユキトさんも…」
彼女が何かを呟きながら鍋を回している。僕は後ろからそれを覗き込み鍋の中のものに眉をしかめたあと彼女に話かける
「なぁ、これなんだ?」
その時の僕の顔は間違いなく引きつっていただろう。だが彼女はさして気にもせずあっさりと答えた。
「料理です!!」
「料理!?いやどう見ても違うだろ!?なんであのゲテモノ素材の惚れ薬と同じ色をしているんだ何をどうしたらこうなるんだ!!」
僕は緑色に発光するドロドロとした魔女の料理のような危険なものを眺めて言い放った、アレは危険なものだ。この世に出してはいけない物だ。消して料理などではない。
「料理ったら料理です。しっかりと本を読んで勉強しました。どうです観てください青々しくてサラダ見たいでおいしそうじゃないですか?アユちゃんが言っていたんです。男は胃袋を抑えて落とせって完璧でしょ私の料理!!」
「完璧じゃねーよ。食えねーよ。何が素材になっているんだよ。何を混ぜれば青々しくなるんだ」
「え、にんじんとジャガイモだけですけど」
「どんな化学変化!!?」
僕は前回と同じようにちゃぶ台返しの容量でモノを処分する。悲痛な叫びを放つ彼女を無視しながら料理を始めた。
………
……
…
「いいか料理はこうやって作るんだ。決してあんな化学変化は起きない。僕たちは実験をしているんじゃないんだ料理をしているんだよ」
「さすが、ユキトさんです。もう離れられません。ポッ」
その後二人は黙々とごはんを食べた。
☆☆☆
テンプレ1
その日、サークルでの打ち合わせを終え、僕は近場に住む女性を送って家に帰った。家に待っていた彼女はすぐさまその嗅覚で僕が他の女性とあっていたことを悟ると詰め寄ってきた。彼女の目からはハイライトが消えている。
「ユキトさん私以外の女とあったでしょ浮気するなんて許さない」
そういって彼女は台所から道具を取り出す。
それを見て僕はいった。
「ただの友達だって他の奴らと一緒に合ってるそんな関係じゃない。それよりも…」
僕は一息つきながらも続きを口にする
「なんでゴマすりに使う棒をもっているんだ?こういうときって普通包丁じぇね?」
すると彼女は顔を赤らめながらあたふたとして棒を振り回しながら言葉を紡いだ
「こ、これは。そう、あれよこうねその、あれなのよ!」
「おい、振り回すなよあぶねーだろうが!!」
彼女はそんな僕の注意にも従わずなおも棒を振り続けていた、その時、彼女の手から棒がすっぽ抜けた。
「「あ…」」
僕にはその瞬間がスローに見えた、すっぽ抜けたゴマすりに使う棒は棚に当たりガラスを割り、音を立てながら中の食器を地面に落とす。
全てが地面に落ちたあと、当たりを静寂が支配した。
「「…」」
お互いに何も喋らない。最初に口を開いたのは僕だった。
「やっちゃたね…」
彼女の言葉が続く
「やっちゃいました…」
その後、彼女はすぐに僕の前に土下座した。
「ごめんなさい、ユキトさん!!食器壊してしまいました。謝ります、お仕置きでもなんでもしていいですから許してください!お仕置きしていいんですよ?」
なぜか最後は頼むように顔を赤くしながらこちらをちらちら見て彼女は言った。僕はため息を吐いた。
「わざとじゃないんだろう?なら仕方ないさ、いつものことだからな」
そう言って僕は残骸を片付け始める。後ろで彼女の「お仕置きは…?」という悲痛な声を受け流し黙々と仕事を続けた。
まったく、僕の彼女はヤンデレでドジッコさんで事件に事欠かない、だがその騒々しい日々が僕にとって少し楽しいものであるのも事実だった。