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「ミリルは風の属性持ちなのか!」

「ああ。この力でギルド員の資格を掴み取ろうと思っている。……君たちは?」


 道中加わったミリルを引き連れて、四人は更に道を歩く。

 彼女は風の属性持ちであることが判明した。


「俺が光、そして妹のリノアンは闇。こっちのレイは地属性だ!」

「ほう。それは面白い組合わせだな」


 彼らはお互いに情報交換をしていった。クロヴィスとリノアンが兄妹であること。レイと途中で出会ったこと。ミリルの状況に驚いたこと……話のネタとしては豊富すぎるくらいである。

 ミリルはこの陽気の中、まだ時間があったためつい昼寝を試みてしまったらしい。その結果こうなってしまったのは実に不用心ではあるが。


「風の属性かぁ……くくく」


 ミリルの素性を聞き終えると、笑いを漏らすレイであった。


「なんで笑ってるんだ?」

「いや、だってさぁ……この人、プギューミーにやられてたんだぜ? プギューミーといえば、最弱の名に相応しい魔獣じゃねぇか。そんなのにやられるとか、ギルド員として勤まるかってー話よ。――――おまけに知ってるか? プギューミーに噛まれて人体が麻痺する確率って、一万分の一くらいと言われてるらしいぜ。ある意味すげー幸運だと思わねぇ? そんだけの運の持ち主だし、もしかしたら認定試験に合格するかもな」


 クロヴィスの問いに、レイは実に楽しそうに笑いながら答えた。


「――――そういうお前はいかにも認定試験に落っこちそうな見た目と言動をしているな、ウニメガネ」


 レイの言動を突っぱねるように、ミリルが氷のような冷たい視線で言い放った。


「……なんだって?」

「聞こえなかったか、ウニメガネ。お前の見た目そのまんまだろう。その気取っているのか単なる寝癖なのかよくわからない髪型を形容するのに一番適した名称だ。あとメガネだからメガネだ」


 冷ややかな顔ではあったが、ミリルはどうみてもお怒りであった。


「う、ウニだとぉ! この髪のどこがウニなんだよ! あとメガネは本物じゃねーし! 伊達メガネだし! 度入ってねぇし!」

「いや、そこ怒るところじゃないですよね?」


 頭を指さしながら大声を上げるレイに、リノアンはジト目でツッコミを入れた。


「だったらお前のことはプギューミーとでも呼んでやる! ……いいや、プギューミーの使いとしてプギューマーと呼んでやるぜ。ははっ、お似合いだな。プギューマー」

「っ! な、何だと……!」

「おいおい、ケンカするなよ」


 顔を向き合わせてわなわなと震える二人の間に、クロヴィスが止めに入る。


「ふん、どっちにしろプギューマーは受からないだろ。行こうぜ、クロヴィス」

「麻痺した人間を笑い話にする奴にギルド員が勤まるとは思えない。行こう、リノアン」

「お、おう」

「は、はい」


 レイはクロヴィスの手を。ミリルはリノアンの手を引いて前へと歩き出してしまった。

 むくれる二人を前にクロヴィスとリノアンは目を見合わせると、どうしたものかと頭を捻るのだった。

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