表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
健康優良魔法少女ATTACK!!AGO!!GO!!  作者: プラン9


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/32

第20話:Gospel Of The Throttle

 バリケード内は中型大型のインベーダーが闊歩しており、それらに対し自衛隊や重火器や戦車を持って応戦していた。

 戦車の弾丸が中型インベーダーに激突し、廃ビルに叩きつけられる。兵士の撃ったRPGが大型インベーダーの装甲を砕き、黒い体液をまき散らす。


 インベーダーという特別な生命体相手にも現代兵器は通じる、ならば駆除するのは時間の問題かというと──実際のところはそうではない。


「隊長、レーダーに反応多数! 追加のインベーダーです!!」

「クソッ、またか!!」


 自衛隊という現代兵器を扱う組織は、なにもその戦力を無限に投入できるというわけではない。

 弾然り、武器兵器そのもののメンテナンス、燃料補給然り、そして兵士もまた──無限に戦えるわけではない。必ず数には、限界がある。こうしてバリケード内にこの大軍を押しとどめられているのも奇跡なくらいだ。


 やがて空から大量のインベーダーが降ってきた。中型も大型も、その数たるや数えきれない。

 このままではやがて、自衛隊側が押し負けてしまうだろう。


「諸君、怯むな! 国民たちの平和は、我々自衛隊がなんとしても守らねばならぬのだ!!」


 隊長の叫びに鼓舞され兵士たちは気合の雄たけびを上げる。

 だがそれもいつまでも続かない。早く解決の糸口を見つけねば──死者・負傷者は三割に達そうとしていた。このままでは全滅してしまう。いっそのこと玉砕覚悟で応戦すべきか……。


「……ぁ……ぁぁ……」


 ふと、空から声が聞こえてきた。否、聞こえてきたというより近づいてきている、といった方が正しいだろうか。

 またしても隊長格らしき人間型のインベーダーか、と隊長はライフルを構える。


「どこからでも来い、この俺が相手になってやる!」

「ああああああああああああああっ!! これ死ぬ、死にますわあああああああ!!!!」

「神流お前本当めちゃくちゃするよな!!」

「成功したから結果オーライですよ」


 空を、三人の少女がとてつもない速さでこちらへと飛んできている。

 一瞬極限状態からくる幻覚と幻聴かと思ったが、それにしてはハッキリと見えすぎているし、幻覚にしてはその姿はハッキリしすぎており、そして見覚えがない。


 そのまま三人は駐屯地を超え、激戦区へとそのまま飛んでいく。

 戦車砲とRPGが飛び交い、インベーダーが兵士の体を貫き、戦車を穿つ戦場の上空。兵士たちは一瞬手を止め、思わず上空を見る。


「どうせならこの状況も利用してやるぁ!!」

「先制攻撃です!!」


 竜子と神流は同時に獰猛な笑みを浮かべ、武器を大量に呼び寄せる。刀と斧が青い空に広がり、黒く埋め尽くす。


 そのまま弾丸のように落下する大量の刀と斧。そして二人とも自分の獲物を持って、なんなく地面に着地した。クレーターが二人の足元から広がり、アスファルトがひび割れる。。巴は手近にいたインベーダーに銃口を向け、撃ち殺すと同時に反動で相殺し、なんとか地面に着地した。


「ぜえ……ぜえ……しっ、死ぬかと思いましたわ……!! いや本当、なんつう馬鹿な事を考え付くんですの……!!」

「高エネルギー反応! 圧縮体液砲です!!」


 竜子たちの背後から伝達の声が響く。インベーダーの群れの奥、巨大な甲羅のようなものを背負った、トカゲのような顔をしたインベーダーが管を周囲のインベーダーに伸ばし、口を開けていた。


「総員退避!!」

「ハッ、大技から逃げるなんて弱腰(イモひき)じゃあよお……正面から向かい打つくらいじゃねえと、戦争(ケンカ)なんか出来ねえよなあ!?」

 竜子は叫び、目前に巨大な斧をどこからともなく天空より出し、自分の目の前にバリケードのように突き刺す。巨大斧の前にさらに巨大斧が、その巨大斧の前に──と、連続して二十五枚の斧が、竜子の前に現れ地面に突き刺さった。


「っしゃああ、来やがれインベーダー!!」


 竜子が中指を立て挑発した直後、トカゲの口が大きく四つに裂け、音を置き去りにした体液がインベーダー達を巻き込み斧へと直撃する。

 斧に穴が開き、削り飛ばし、吹き飛ばし、勢いを殺しながらも次々と割れていく。


「あっ!?」


 その横を神流が刀を携え走る。斧が割れていくのと連動するように、神流もまた亀形インベータ―へと肉薄していく。


「ずりぃぞ神流!!」


 そして最後の斧をインベーダーの体液が貫くことができず揺らした瞬間、竜子は斧をトカゲ型インベーダーに向けて投げつけた。数多のインベーダーを巻き込み、斧が迫る。


 だが斧はトカゲ型の鼻先をかすめるだけ。逆に神流が通りやすくするための道を作る結果となった。


「梅雨払いご苦労! まずは一匹ぃ!!」


 神流はインベーダーの目玉を刀を突き刺し、そのまま脳をえぐる様に刀をひねり、そのまま肘でさらに深く打ち込む。

 そのまま内側から引き裂くように刀を振るい、顔面を一刀両断。血液が噴水のように吹き上がり、断面から脳みそと目玉が零れ落ちた。


「竜子さん、援護ご苦労です」

「はぁー? インベーダー殺した数なら私の方が上だが?」

「ですが大物を殺したのは私です」


 サムズアップに明らかに嘲るような笑みを浮かべる神流に、竜子は中指を立てて言い返す。

 竜子は斧を片手に神流へと詰め寄る。一触即発の空気、二人は互いの獲物を振るい、


「デカい分ボーナスありますからね、私のが強いです」

「勝手にルール決めてんじゃねえぞコラ」


 左右から襲ってきたインベーダーをお互いに引き裂き合う。

 返り血が地面を濡らし、インベーダーの臓物がアスファルトへと飛び散る。


「じゃあ今から数で競いますか、石川竜子」

「……上等!」


 二人は互いに競い合うようにインベーダーを切り裂き合いながら、奥へ奥へと、インベーダーの層が厚い方へと走り去っていった。

 まるで暴風雨のようにインベーダーを巻き込み、蹴散らす二人がこの場を去り、巴のみがこの場に残されてしまった。


 ぽつんと立ち尽くす巴。周辺にはあの暴風雨二人のお陰で数こそ少なくなったものの、未だインベーダーの姿が残っている。


「……えっと、お嬢さん?」


 自衛隊の一人が、恐々と巴に話しかけてきた。その表情は困惑半分、警戒半分といったところか。人型のインベーダーが確認されている以上、民間人だったとしても警戒を解くことはできない。

 巴もそれを理解しているのか、よろよろとスナイパーライフルを杖に立ち上がり、無理やり息を落ち着かせてから、口を開いた。


「はあ、わ、私はあなた達のみ、味方で、うぇっ……すみませんが水お願いしますわ」


 自衛隊から投げ渡された水筒を手に取り、一気に喉へと流し込む。生ぬるい常温の水、それでも叫び疲れ&向かい風を浴び続けた喉を潤してくれる。

 やがて空になった水筒を投げ返し、巴は後ろを振り返ることなくスナイパーライフルから放たれた扇状のエネルギーでインベーダーを蹴散らしてから口を開く。


「私はあなた方人類の味方、魔法少女飯辻巴ですわ! 私が来たからにはもう安心、さあここから戦線をぐいぐい押し上げていきますわよ──あの、自衛隊の皆様方、どうして私をかついで」

「民間人がこんなところに来ちゃ駄目だろ! 安全なところに連れていくから、しばらく大人しくしてなさい」

「いえ私は民間人ではというか魔法少女というか……なんでこうなりますのー!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ