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第5話 一人暮らしの夢が潰えるとき、人は城を失ったときの戦国武将の気持ちが分かるのかもしれない

更新です。

 さて、突然だが俺は一人暮らしを始めた。高校に入ってすぐに。理由に関しては、高校がちょっと遠いところで、電車一本逃すとまぁ、次の電車が二時間後なんでね。

 それと同時に、実家から独り立ちするための予行練習ってことでアパートに入居して、貴族生活!!みたいなね理想を描いたよ。そんなことはすぐ嵐がやって来て過ぎ去っていったけど。


 そして今、俺は週末になったと同時に再び俺は実家に呼び戻された。


「こんな短期間で2回も実家に帰るとは思ってなかったんだけど。」

「いやぁ、すまんな。信幸、諸事情でな~。」

「あの時まとめて話せばよかったんじゃないか?」

「いやなぁ、あの後話したとして信幸、お前返答できる状態だったか?」

「…………ッス~~~~~~」


 まぁ、そうだわな。無理ですねハイ、あの惨状を考えたらマジで何も分からない状態で物事が進みかけたんだな。そりゃあそうか。しょうがないな。


「まぁ、戻ってきたら意識朦朧としてたから何とか蘇生できてよかったよ。本当にな。」

「蘇生してくれてありがたいと思ったよ父さん。ところでさ、気になったことがあるんだけど、先祖代々置かれていた刀と水墨画、どこに行ったんだ?」


 父さんはそっぽを向いた。こいつ、やりやがった。


「今回はいくらぶち込んだんだい?父上。」

「ひっ!?さ、三百万程…………」

「なぁにやっとるんじゃボケェ!!!!!!」

「待ってくれ!!信幸、後生だから、後生だからぁぁっぁぁぁあああ!!!」


 一先ず、父さんの息の根を止めて来るんで、少し待っててくださいね。ちょっと、お見せできないシーンが多数あるのでね。


----------------------------

「す、すびばぜんでじだっ!!!後、これ以上は、いのぢに関わる……。」

「二度とやるんじゃないぞ。クソ親父。」


 父さんは、まぁ見るに堪えない姿になってた。やり過ぎた。槍と火縄銃で頬を掠めて命を本気でぶんどろうとしたら、ちょっと、原型を留めていない何かになっちゃった。(テヘペロ。)


「さて、本日の要件を伝えてもらおうか。親父。」

「あぁ、伝えさせてもらおう。」

「いきなり、自己再生するんじゃない!!本当に人間かよ……。」

「そろそろテンポ悪いから、もう話すぞ。信幸、明後日からこの住所に引っ越せ。」

「はい?何でまた、突然そんなことになったんだ?」

「まぁ、神社に行ってこい。理由は全てわかるぞ。」


 なんじゃそれ?取り敢えず行くか。蔵王山頂にある神社へ。


 蔵王神社。安直な名前だけど、まぁ日本三神の人柱スサノオを祭っている。尚、山形県側の蔵王にあるが、江戸時代から仙台に住み始めた真田家は、その神社を信仰しており、結婚や祝い事、喪中等々様々な報告や質問をそちらの神様に回答を貰うとか言う、何故かここだけファンタジーをやっていたりする。ちなみに、蔵王真田家の名付け親は男なら基本的にはスサノオ様、女であれば妹であるツクヨミ様が名付けてくれる。

 まぁ、なんだ雑な設定になっているがしょうがないだろう。神様って実際ぼんやりしてるんだからさ。


「スサノオ様~。」

「………酒。」

「はいはい、今回も持ってきましたよ~。山城欅ですよね。」

「分かってるな!!流石センス抜群な信幸!!」

「褒めてもなんも出ませんよ~。」


 蔵王山山頂へ行きつき、早速スサノオ様を呼び起こす。まぁ、この人は酒と交換で情報を与えてくれるからね。しょうがないね。

 ちなみに、俺は何故か神様とかの類をはっきり見ることが出来る。理由は不明らしい。ただ、一つだけ言えるのは不幸体質にもなった。どうしてなんだよ。


「それで、2年ぶりに来たけど、何かあったんだ?」

「そうなんですよ、父さんから許嫁の件と引っ越せって言う件が余りにも分からないんでスサノオ様に聞いて来いって言われたので。」

「………あっ、あぁ~その件のことか。」


 これ、絶対スサノオ様がしくじった案件じゃん。


「怒らないから、吐き出しましょうか。罪を。」

「おまっ!!神に向かって懺悔を言わせるとは不敬罪にもほどがあるだろっ!!」

「その原因作ってるやつにだけは死んでも言われたくないわっ!!」

「ぐうの音も出ない。」


 淡々と返す、神様。あっ、何か心なしか小さくなってる。


「いや、実はな。儂の嫁、クシナダは恋愛とか縁結びの神なんだけどよ。」

「はい、そうですね。何回かあったことはありますけど。」

「二人で晩酌しながら業務をしていてな、その時にしくじっちゃったんだよ。信幸の体質とか、運命の人とか。色々。種族についても。」

「は??ちょっと待って、何か色々聞いちゃまずいこと言ってません?」

「まぁ、とにかく聞け。一先ずお前は人間じゃない。云わば神の成り損ないだ。そして、不幸に見舞われれば見舞われるほど、自分自身の能力が上がるようになってるんだ。」

「何ですかそれ。ストレス貯めたら、一発でかい大技使えるみたいな嬉しいけど火力至上主義じゃないと使わなそうな能力は。」


 異常者じゃねえか。つか、神の成り損ないっていう事実も受け入れられないんだけど?俺、人間じゃないのか。なんかショック。


「あと、お前が儂やクシナダなどをはっきり視認できる理由がそこにあるんだよ。神の力を少し貰いすぎていて、お前高校三年間の内に子供孕ませないと、死ぬぞ?」

「はぁ!?何でそんな突飛なことになってるんだよ!」

「そいつがな、しょうがないんだよ。お前の神力が正直、人間としての器から漏れ出すどころか、お前を壊す勢いで溢れてるんだよ。」

「嘘だろ!?何でそんなことに……」

「お前の因果律の中に幸運の欄がマイナスに振り切れているんだよ。何でか知らないけど。」

「あんたら夫婦が晩酌しながら決めたことだろ。」

「いんや、これだけは違うって言えるんだよ。因果律を決めるのは姉上だ。」


 日本最高神様~、どうしてそんなことしてくれたんですかねぇ。本当にキレたい。いじめか?俺、神様にいじめられてんの?不幸飛び越えてもしかして、幸運なんじゃないのか?

 選ばれた人間だったり…………!!

 逆の意味ではそうなるか。はぁ。


「で、話を戻すぞ。儂と姉上、クシナダそしてツクヨミ、父上母上によって会議が行われた。」

「そうなんですか。それで、どうなったんですか?」

「現状決まったことは、お前の運命の人を増やし、結婚。そして子供を孕ませて神力を分散させることになった。」

「なったって………んな無茶苦茶な。」

「それで、同居については成り行きだ。そこにお前の10人の許嫁と住んでもらう。」

「あぁ、それで俺の一人暮らしの家は引っ越すことになるんですね。」

「あぁ、それは違うぞ?お前の住んでるアパート今日爆発予定だったんだよ。」


 滅茶苦茶だろ、つか雑すぎるだろ。色々。いいのかそれで。待てよ、住所見てみるか。…………マジじゃん。アパートの住所と同じだ。


「さて、爆発については今終わった。ほれ。」

「何、神様がドローン使って撮影してるんすか。」

「……趣味の一環だ。」

「普通に、犯罪じゃね?ドローンって国の許可だか何か必要じゃなかったっけ?」

「……神々は自分が法律だ!!」

『スサノオ!!あなた、実家に帰ってきなさい!!』

「「………………」」


 この後の話は、何も言うまい。つか、色々ぶっ飛びすぎて良く分からんわ!!

次回は閑話。神様側が不遇に合うお話。

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