第2話 現実逃避とぶっ壊れている倫理観。
さて、天井を眺める。残念ながら現実は変わらない。俺には許嫁が10人いるらしい。意味が分からない。わかばは自分で何言ってんだと思う。俺も俺でなぜそうなっているのか、マジで分からない。
「えぇっと?」
「はははぁ~。まぁ、そうなるよねぇ。」
「そりゃあな。トンデモを超越してるよ。何で許嫁が10人もいることになってるんだよ。つまりわかば、涼音、茜音は」
「「「許嫁です!!」」」
「あぁ、うん。何か、まだ心が落ち着くからいいよ。問題は残りの7人だけど、知ってる人いない?」
「う~ん、それがねぇ一応顔合わせはしているの。してるんだけど、本人たちの意向で言えないんだよねぇ。あと、ボクが言わないと決めた。」
「…………」
もう既に胃がキリキリしてるんだけど。助けてくれ。鹿威しが水の重さで岩に向かって落ちると同時に、自分の意識は離れていく。同時に側頭部に強い衝撃が加わった。あぁ、俺。もう退場か。早かったなぁ。開始2話目で俺はこの世からあの世に……って、そんな訳ないだろうが。
ただ意識が、ぶっ飛んで失っただけだよ。じゃあ、どうして語ってるかって?現状、この作品の語り部が俺のみだからなんだと。もう少し粘れよ作者さん。と言うことで、少しお休み
----------------------------
まぁ、いつものことですよね、シーンカット。そりゃあ、意識失ってるところ誰が見るねんってことでしょうし。ただね、シーンカットされたせいで分からないことがあるんだけどさ。
何で、俺、わかば、涼音、茜音に全身を舐め回されているのだろうか。そして、徐々に下半身の臀部に近づいているのは勘違いなのだろうか?
「あ、あのぉ。お三方?」
「「「…………」」」
いや、何か目を逸らして黙り込んだんですけど。絶対、何か良からぬ方向に動いてるよねこれ。俺のエクスカリバー(笑)……おい、作者なんだこの失笑している顔は、流石に主人公補正有るだろ!!(※そもそもエロ同人じゃないんだよ。この作品。どんなとこに補正欲しがってんだよ。)
………そんなぁ。俺、エロゲーみたいな主人公になれると思ったのに。ちょっと、落ち込んだ。
「いや、黙り込んでも物語進まないから。頼むよ。お三方何してるかだけ教えてくれ。」
「いや、何って」
「信幸の」
「身体を舐め回した後に………」
「「「既成事実を創ろうかと。」」」
「そんなとこで、お前ら意見合致するの!?俺、生まれて初めて見たよ。ここまで3人が意見合わせて行動に起こしてたの。」
そりゃあね、小さい時から一緒にいた3人だからこそわかるけど、全員性格が違いすぎるんだよなぁ。ただ、合う時もあってただ、そういう時に限って、俺にトラブルの事案が回ってくる。
もしかしてこれ、女難の相とか出てるのかな?そうじゃないとおかしい事象が多いんだよな~。行き過ぎたツンデレいやツンドロ。そして、真反対な双子、ずっと眠っている姫様、戦国武士みたいな生活してる人、元ヤンキー、トラブル製造マシーン、そもそも人じゃない者、酒カス、遠い親戚の度が過ぎる自由人。
大体、全員が一致するのは俺を苦労させることに特化している。いや、そう思い込んでいるだけだと思いたい。
ただ、これだけは言える。逃げよう。逃げなきゃ、喰われる。貞操と尊厳を破壊されて俺は、廃人になる!!被害妄想じゃない。その中でもわかばと茜音はヤバい。涼音は……容易に逃げ切れるな。
「さて、3人とも。」
「「「??」」」
「俺は、まだ死にたくないんだ!!」
捨て台詞と共に、俺は急いで家から飛び出る体制を取り、体一つで家を出る。尚、その後の話はできない。簡単に言おう。わかばと茜音に捕まった後、何故か涼音によって亀甲縛りにされた。
その後は、聞かないでくれ。俺の尊厳を守るためにも、聞かないでください。正直、走馬灯が見えた。父さんがギャンブルして勝って負けてを繰り返して家を何度失いかけたことか。
余りにもしょうもなかったので、起きれたけど、父さんのことはボッコボコにすると心に決めて、快楽に身を任せることにした。痛い。