第10話 一応学園ものだったりするんだよね、この作品。
更新です
桜に頂かれ、次の日を迎えた。よく考えたらこの作品、タグに学園って書いているくせして、学園関連の話がまったく書かれていないって(4話で出てるけどほぼノーカン)、逆に10話目になってまでそこまで来るのある意味奇跡なんじゃないかこれ。
ちなみに、高校の名前は私立恋惚高校。宮城県仙台市の某所にある高校で、なんだかんだ進学校だったり自由な校風で、何か自警団はあるわ、軍事力はあるわ、研究所はあるわと、多岐に渡る様々なものがある。
まぁ、物語上ほとんど関係ないはずだから、語る理由も無いんだよなぁ。あっ、ちなみに大学もあってこっちに関しては出るか怪しいから設定すらない。(どうせ後付けで出るし。)
「はぁ。疲れる、何だろう寝てるはずなのに俺、疲れが全く抜けてないんだけど。」
「おーっす。信幸、また社畜みたいな目になってるぞ。」
「わりぃんだけど、高梨。社畜っぽい目って何?」
「う~ん、死んだ魚の目になって、人視線が合ってるはずなのにどこか違うところに視線が行っていて、気が付くと目のハイライトが消えている人かな。」
友達である高梨に目の死にっぷりについて解説された。いやお前、俺と同学年だよね、何でそんな実感しているよな眼で見てるんだよ。
「高梨、やけに詳しいけどなんかあったのか?」
「あぁ~、信幸は気にしなくてもいい話だぞ。」
「………そうか、分かった。」
高梨の目を見た時、触れてはいけない闇に触れた気がする。うん、気にしないことが一番だな。そんなことを勝手に思っていた。
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「のぶくんさぁ、最近私をおざなりにしてない?」
「8話ぶりくらいに出た方に言われましてもね………」
「なら、作者さんに言ってくださいよ~、もう少し出してくれって。」
「あのですね、のんさん。俺は作者の中継点に立っている人じゃないんですよ。」
昼休み、飯を食べ終わるとすぐに、生徒指導室に連れていかれるや否やのんさんと対峙して、自分が最近出れていないことを愚痴ってきた。
「ただでさえ、この時間軸が良く分からない状態で登場しているが奇跡なんですよ。」
「えぇ~!!私も出たい~出たいっ!……のぶくん、そう言えば明日そっちに引っ越すからよろしく~。」
「はぁ!?そんな大事なこと今言いますか!?」
「テヘペロ♪」
………ちょっとだけ、キツイなと思ったのは別の話だ。嗚咽が出そうになったわ。可愛い女の子であっても社会人の酒カスのそれを見るのはキツいよ。俺。
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気づけば放課後になっており、教室の中は閑散とし始める中で、一人窓からグラウンドの部活風景を眺める俺。注釈として入れるけど、決してかっけ~!!とかは思っていない。ただ癖になっていた。妙に人を眺めているとどっか、落ち着いたりする。
胃の痛みも何もかもがすっと落ち着く。
「ホントに、小さい時から謎なんだよなぁ~。遠巻きから眺めるとふとどうでもよくなったりする。寧ろ、体調がめっちゃよくなる。何かおかしいんだよなぁ。」
逆にここ最近は無くなったが、中学の間、俺はかなり学校を休んだりしていた。決して、人間関係が悪くなったとかではない。ただ、体調不良が多くて動ける人動けない日が交互交互になっていた。しかも、熱が出るとかではなく、全身に痛みが走るものだった。
医者に行ったが、原因は今でも不明だったりする。ただ、中学3年になってからぱったりと減っていった。それと同時に、自分の身体能力とかが人間離れし始めた。改めて考えると、何が起きてるんだろうなこの体。
「鉄アレイ丸められるし、トラック片手で持ち上げられるし、何か車に轢かれても死なないし。俺、さらっと人間やめてないか?」
独り言をポツリと呟く。誰にも声は届かない中、急に背後から肩をトントンと叩かれた。
「信幸!!」
「信幸、帰ろ。」
「そうだな、帰ろうか。」
わかばと涼音に言われて俺は、教室を出る準備をする。少しだけ変わり始めている日常は、さらに変わっていく。
「大変なのか、楽しいのか分からないなこりゃあ。でも、今はこの瞬間だけなんだよなぁ。」
「どしたの、信幸、かしこまっちゃって。」
「何か、変だよ?」
「そんな、火の玉ストレートで言うなよ。辛辣すぎるよ。」
「信!!」
「おぉ~茜音。」
「帰ろう!!」
「…………おう。」
時間は有限だ。高校生活も人生も。ただ、どこかこの日だけ悠久の時を過ごしているように感じた。
昨日は更新できなくてすんません。力尽きました。
次回もなるべく早く頑張ります。