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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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百合短編

サイレント・ナイト

作者: 転生新語
掲載日:2024/12/28

 ラフカディオ・ハーンは日本(にほん)で小泉(こいずみ)八雲(やくも)と名乗(なの)り、怪談(かいだん)など書(か)いた。その彼(かれ)が生前(せいぜん)、好(この)んでいた石(いし)狐(ぎつね)を祀(まつ)った神社(じんじゃ)がある。


 石(いし)狐(ぎつね)は老朽化(ろうきゅうか)のため、今(いま)は二代目(にだいめ)の石(いし)狐像(ぎつねぞう)が置(お)かれているが。私は初代(しょだい)の石(いし)狐(ぎつね)像(ぞう)を雪(ゆき)の日(ひ)に見(み)たことがある。


 周囲(しゅうい)に人間(にんげん)は私しかいない、静(しず)けさに満(み)ちた空間(くうかん)があった。きっと八雲(やくも)は石(いし)狐(ぎつね)の声(こえ)を聞(き)いたのだろう。あの日(ひ)、私の耳(みみ)にも石(いし)狐(ぎつね)の声(こえ)は届(とど)いた。




「綺麗(きれい)な雪(ゆき)だねー。出会(であ)った日(ひ)のことを思(おも)い出(だ)すなぁ」


「外(そと)で話(はな)しかけないで。私が一人(ひとり)で会話(かいわ)をしてると思(おも)われるじゃないの」


「いいじゃん、別(べつ)にー。今(いま)は周囲(しゅうい)に誰(だれ)もいないよー」


 田舎(いなか)の夜道(よみち)を隣(となり)の彼女(かのじょ)と歩(ある)く。雪(ゆき)が降(ふ)り始(はじ)めた静謐(せいひつ)な空間(くうかん)があった。


 八雲(やくも)の内面(ないめん)世界(せかい)は豊(ゆた)かで、賑(にぎ)やかだったのだろう。神社(じんじゃ)で祀(まつ)られることに飽(あ)きて、石像(せきぞう)の中(なか)から出(で)て、あの日(ひ)から私に懐(なつ)いてきた彼女(かのじょ)を見(み)るとそう思(おも)う。


 結婚(けっこん)もせず、私以外(いがい)には見(み)えない彼女(かのじょ)と生(い)きてきた。どう見(み)られようと構(かま)わないが、決(けっ)して私は不幸(ふこう)ではない。

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