エクストラ「アスカの本性」
最初は走っていた、だけど段々勢が減って来てすっぱい血生臭が瘴気となり少しずつふらつく私の身体をリナちゃんが肩を貸りて何とか移動しておると背後から機械の足音が鳴る。
私達は振り返るとそこには先程倒したアスカロボット中身をばら撒きながらやってきた。
「ユカリちゃん・・・」
肉声じゃない、機械音が鳴り私は咄嗟に警戒する。
「ゴメン」
だが機械音からは悲哀に満ちた音が鳴り響き私に近寄る。
「ギギギ、ガガガ・・・ユカリちゃん・・・・ピーピーピー」
雑音が入り混じるも必死に何かを伝えようとしている。
気分が少し軽くなり私は一か八かロボットの目の前まで歩く。
リナちゃんは危険だから離れてと何度も言われた。
それでも私はロボットに声を掛ける。
「アスカちゃん?」
私の問いにアスカロボットは何処か安心したかのように音声が少しだけ和む。
「ゴメンナサイ・・・わタし・・・ユカリちゃんに謝らないト・・・ピーピーピー」
アスカロボットは壊れる寸前なのか頭から蒸気が吹き出たり腕が一本取れた。
「出力切り替えギガガ・・・音声モード・・・」
もう一本の腕が落ちた。
機械音声は流れるように胸部から聴こえてアスカちゃんの本音を聴く。
ごめんなさい、ユカリちゃん。
ワタシ、ユカリちゃんにずっと嘘ついてた。
本当はね、ユカリちゃんが親に捨てられたが大喜びで大歓喜した。
だってユカリちゃんは私のモノだから。
だからワタシね、ユカリちゃんが何処にも行かないように親の力を使ってユカリちゃんの印象を悪くさせた。
いじめも私が仕向けた、ユカリちゃんをシスターズに入れない為に何でもやった。
私がわざと虐められて・・・殺し屋も雇った。
本当に何もかも上手くいった・・・ユカリちゃんが皆から差別されて馬鹿にされて本当に嬉しかった。
ユカリちゃん、勉強難しかったヨネ?だって試験に出ない奴教えたもん。
ユカリちゃん、友達あんまり作れなかったよね?私が害のある奴を脅迫してひとりぼっちにさせたもん。
ユカリちゃん、死にそうになったよね?私が雇って本当は四肢を切断させて一生私だけのユカリちゃんにするつもりだったから。
ユカリちゃん、冒険者になれて良かったよね?私がそうせざるを得ない状況作ってユカリちゃんを陥れてずっとずっと私に依存させたかった。
ユカリちゃんに人生を滅茶苦茶に出来て私・・・本当に嬉しかった。
これでユカリちゃんは私を頼り心酔して私の最高の親友になれた。
私に冒険者になるって言われた時、私・・・泣きながら喜んでたんだ。
これが私なの、ごめんなさい。
生きて帰れたら全部は・・・・だ・・・・・・ユカリ・・・私が君が言うほど完璧でも優しくもないの、最低な女なの・・・欲求不満で煩いしがらみも嫌い、だがががらららららららら。
音声が途切れきてる、明かされる真実に私は音声が流れる胸に耳を押し当てて聞き逃さないように一所懸命に耳を澄ませる。
「私なんか死んで当然だよね?」
「違う」
「私はユカリちゃんと出会わないほうがヨカッタ?」
「違う、私は出会えて良かった」
「私は・・・価値の無い・・・」
私はロボットを抱き締めて強く否定した。
「違うよ!!私は一度もアスカちゃんを嫌いになってないよ!今も昔も大好きだよ!だって・・・初めての友達だから!言いたいことは沢山ある・・・でも!!」
バチバチ頭から湯気が立ち昇るのを無視して強く強く抱きしめた。
「私はアスカちゃんと出会えて本当に良かった別の人生でもまた仲良くしたい・・・ぐす・・・そんなこと悲しいこと言わないでよ!!」
ロボットに語りかけても訴えても答えは帰ってこない、私は初めて大切な友達を失い目を腫らして沢山泣いた。
「返してよ・・・!!私の家族を返してよ・・・・何で・・・?私が大好きな人を神様は奪うの??」
神様なんか大嫌い、私は普通に生きてるだけなのに・・・冷たいロボットの手じゃなく温もりのある身体で抱かせてよ。
「ゴメンナサイ」
泣いてももう、あの声は優しくて可愛い家族の声は聴こえない。
私が必死に訴えても、そこにはもう・・・何も存在していない。
音声が消えていく、最後に聴いた言葉に私は潰えたロボットに大粒の涙を零した。
「またね・・・バイバイイイイイイ」
さようなら、私の家族。
ロボットになってもアスカちゃんは私の事今でも家族だと思ってくれた。
私は自分が思ってる以上に皆と仲良くなれたのかもしれないと後悔した。




