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「ハーメルンの笛を吹く男」その2

 私が残る方向に向けた団長さん、二人の声はあまり色良い返事ではない。


「彼女はリーダーであり身体の怪我が激しい、そんな時に一人で残れば確実に死が待っているぞ」


「彼女には囮になり死んでもらう」


(・・・うそだよね?)


 あまりにも非情な判断で団長さんは私を切り捨てる方針みたいだ。


「賛同できないな、第一彼女はリーダーだ例えば足手まといだろうが荷物だろうが必ず連れ帰るからな・・・?」


 大事な作戦と判断してリナちゃんの肩を借りて会議室に入ると全員少し驚いていた。


「団長さんは私を生け贄にする気みたいですね」


 さっきの戦闘で顔が少し麻痺してるけど変な顔してないよね?


 多少な心配だが女の子にとっては結構大事なんだ。出来るだけ可愛く綺麗でありたい。


「アスカもゼーナも死んだことだ貧弱な女は餌にするのも悪くないと思ってな」


 まるで他人だからと言わんばかりに明るい、闇星にいる人って皆こんな関係性なのかな。


「それならお前が餌になるか?」


「ここは俺達の拠点だ、余所者には相応しい待遇だろ?」


「はっ、二人しかいないのに殺されないと思ってるのか?余程おめでたい人間なことだな」


 お兄さんは団長さんの胸倉を掴み顔面に頭突き一撃当てる。団長さんも同じく強烈な頭突きを返すが明らかに二人は殺意が溢れている。


「今ならお前を殺して奴等に引き渡してやるぞ?妹を盾にして自分だけ逃げた臆病者がいつまで闇星を闊歩できると思うなよ?」


「おいおい、結局は腹いせか?」


「アスカが死んだのはリーダーのせいにするのはやはり変わらないな」


「あぁ?」


「そろそろ言ってやろうか?ここには元々百二十九人のガキが暮らしてた筈だ、だが十年で数人しか生きていない、しかもリナの仲間達は見覚えがあるのに年齢が一致しない・・・何故だろうな?」


(お兄さんの言葉が理解出来ない、どういうこと??)


「何が言いたい?」


 リナちゃんも何かに気が付いてるのか顔を伏せてる、アオイちゃん達が何なんだろ?


 お兄さんは私達にも聞こえるくらいに鋭く冷たい声で呟いた。


「お前・・・実は地下室でリナ以外全員死んでるんじゃないのか?」


 その言葉に私とリナちゃんに悪寒が走る。あの怪我は病気とかじゃなくて・・・創られた弊害、或いは・・・合成した・・・とか?


「そしてその心臓はお前が管理して何処かに隠してるとかな?」 


「ふっ、そんな証拠ないだろ?」


「いや、アスカの遺体を調べさせてもらった・・・優秀な情報屋の機械が役に立った」


 するとユーゴ君は私とリナちゃんにアスカちゃんの死因と体内の異変、それに私の体内に同じものが記されていた。


 “幻覚剤”とそこに記されていた。



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