「奇襲のシスターズ」その1
アスカちゃんの死因はやはり心臓に刃物を突き立てられて死亡、私は本来なら拘束される筈だったけど精神不安定によりリナちゃんを付けて奥の個室に投獄された。
私は人生で何回牢屋に入ればいいのだろうか、光星に水星、闇星の牢屋に入れられて死に目に遭う。
今回は多分死ぬことは無いだろうと今の状況を考え直す時間に充てることにした。
「ユカリお姉さん、手を洗いませんか?」
するとリナちゃんは多少警戒しているものの此方に友好的で頷くと少しの時を経て水が入った桶で血を洗い流した。
「ユカリお姉さんは誰かに嵌められたんです、お姉さんが親友を殺すなんて有り得ません」
「・・・気が狂ったのかもしれないよ?」
「昨日と今日で狂って人殺しになるほどお姉さんの体調は悪くありませんでした」
私を信用してくれる優しいリナちゃんに一つ聞きたい。
「リナちゃん、私は何でアスカちゃんを呼び出したのかな・・・それにあの個室で・・・」
一番の謎はどうして殺すことになったのか、何故あの場にアスカちゃんがいたのか。
呼び出すにしろ疚しいことがあるなら徘徊する煉獄騎士が黙っていない。
アスカちゃんが自ら来ない限り有り得ない。
「ごめんなさい・・・私が発見者なのに来た時から既に・・・」
全て遅かった・・・私は、何も分からないまま親友を殺めて去るのかな・・・。
失った規模があまりにも大きくてやるせない気持ちと真相を知ることが叶わないと生きていて一番の絶望を感じて膝から崩れるように座り込む。
リナちゃんは状況を察して傍に寄り添ってくれた。
「お姉さんは今日はきっと運が悪いだけですよ、明日になれば運が良くなるはず・・・運が悪い日が多ければいつかの“私”はきっと運が良くなりますよ」
こんな場所にいるのにリナちゃんはポジティブだ。きっとこれが皆がお姉さんと呼ばれる理由なのかも、劣悪な環境なのに前向きで敵かどうか自分の経験と裁量で判断する。
今の所一番一緒にいて気が楽な女の子、場所が違えば友達になれたのかな。
「私の方がお姉さんなのに・・・ごめんね」
「誰にでもありますよ!きっと今回は誰かに嵌められたのでは?」
「私を嵌めてもなんもないのに・・・絶対犯人見つけてやる・・・」
私は親友を殺すなんて絶対しない、リナちゃんもきっと違う、人を騙すような人には見えないし煉獄騎士全員を調べよう。
私は重い腰を上げて牢屋みたいなのを蹴りで破壊する。
「お、お姉さん・・・それ・・・押したら開くよ?」
凄く恥ずかしい光景を見せてしまった、兎に角外に行こうとリナちゃんを連れて行こうと施設から出た瞬間に外が一瞬だけ閃光が走り私達は吹き飛んだ。




