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老馬の智の章「人肉者」その3

 ☆★☆★ ゼーナ


「久し振りだな、ゼツム」


 主様の優しさに改めて実感して本音を言いたかったのに聞き覚えのある声に私は全て壊されました。


「ヌシ様・・・・」


 ぶっきらぼうな態度に大柄で片目の傷ついた厳つい筋肉質の男性、盥回しにされてきた人生で壊れかけてた心を木っ端微塵にした最低な男。


 私を慰め者にして数多の暴行を受け何度も何度も無害な人を殺させて自分だけ高みの見物としていた男、私は殺したい相手なのに身体が震えて力が出ない。


「どちら様?」


 大抵の人は彼が凶悪な傭兵だと知って口答えしない、でも主様は違いました。


「ソイツは俺の奴隷でな、家出したもんで連れ戻しにきたんだわ」 

 

 いや、戻りたくない!!私は歯ぎしりしながら地獄の日々を思い出してしまう。


「あん?」


 主様は武器を引き抜いた。


「申し訳ありません、この可愛い仲間は私達と共に生きると決めたのでその言い分は聞けません」


 私はスカートを引っ張り首を振った。


「駄目です・・・主様、この人は傭兵で・・・逆らう人は皆・・・」

 

 半泣きの消え入りそうな言葉で主様を説得するも主様は私の事を抱きしめて笑った。


「君は誰にも渡さないから、ゼーナちゃんは逃げて助けを呼んで」


 主様は戦闘態勢になり傭兵隊長グライドさんは面白そうに仲間を呼んだ。


「女手一人に十人は卑怯とは思いません?」


「はは!中々度胸あるからサービスだよ」


「ゼーナちゃんを傷つけて最低ですよ」


「“人肉者”なのが悪いな!人食いの化け物には奴隷がお似合いだろ?いや・・・俺達のエロ奴隷か?」


 主様はプチンと切れて襲い掛かるも多勢に無勢であっという間にボロボロにされてしまった。


「ゼツム、また一緒に夜を楽しもう、毎日寝ないで働き、夜は慰め者に、食事は五日に一回、奴隷として悪くないだろ?」


 最低なクズですがやはり強い、主様の能力では勝てないのは当然。


 それでも主様は立ち上がった。


「絶対に渡さない、アナタ見たいな酷い人に私は負けない!!」


 獣のような殺気にグライドさんは主様を何度も攻撃しました。


 私は泣き叫びながら許しを請おうとしたら主様に大声で「言わないで!」と黙らせられて最初は酷いくらいに押されてましたが主様の目が燃えるように血涙を流す度に仲間達は倒されて・・・


「ぐおっ!?」


 情勢から劣勢に変わり顔色が焦りになったグライドさんは主様を掴もうとした次の瞬間に両腕を血で染まった剣で斬り落とした。


「ま、待てよ!!こいつ雑魚だったはずだろ!?」


 あんなに意気揚々だったのに腕が無くなってからは惨めでした。


「何処の誰か知りませんが生まれ変わったら女の子を大切にして真っ当に生きて優しい人間になれるように地獄に帰ってください」


 主様はにじり寄りグライドさんの懐からナイフを取って脚をギコギコとゆっくり切断し、煩い声の喉元にナイフを突き立てる。


「ゼツム!!助けろ!」


 最後の叫びに私はお腹の底から声に出して否定しました。


「死ね!!最低なクズ!!アンタなんか二度と生き返るな!!ずっとずっと苦痛を味わって生き地獄をたっぷり味わって死ね!!」


 私は立ち上がり何度も顔を蹴り、死ぬまで何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!原型が無くなるまで蹴り飛ばした。


 主様は流石にやり過ぎと注意されて最悪な一日は終えました。 


 

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