「セクハラ犯罪者は捕まらないのは何故でしょうか?」その1
情報集めがしやすそうな近未来区に足を運び調査するも私を見るなり少し不快な眼差しを送られる。
事件の容疑者だったとはいえ無実な人を犯罪者扱いするのは理不尽な気がする。世知がない世の中にうんざりしてると背後から視線を感じる。
振り返ろうとしたその時にはもう既に遅く凄まじい手付きと手捌きに胸を掴まれてお尻を触られる。
このバカみたいに手慣れた動きは星界中に一人しかいない。
「こ、こらぁ!セクハラだよアヤちゃん!」
名前を呼ぶと悪意のアの字もない純粋無垢な笑顔で登場するアヤちゃん。
五日間でセクハラ百を超える化け物犯罪者なのは間違いない、本来なら処刑されても不思議じゃないのにこの人は一度も罰を受けたことがない。
アヤちゃんは桁外れの医療技術力を持ち光星に一人しか存在しない【超再生回復魔法】を扱えるたった一人の医者だ。
【再生治療室】も彼女が作った技術であり噂では不治の病すら治すとされている。
上の人達は当然切り捨てる事が出来ずそれと同等、それ以上を探すも目覚ましい能力を持つ者は一人もおらずアヤちゃんはやりたい放題だ。
勿論仕事は合格してお手伝いさんという最低賃金で働いているのにアヤちゃんは贅沢な暮らしをしている。
「アヤちゃん、身体の方はどう?」
久し振りに会ったのでセクハラは許すとして一番不安になる身体について問う。
「あはは、また痩せちゃったみたい」
罰を下せない一番の理由はアヤちゃん本人が一番良く判っている。
子供の頃から闇星で生きて正気と落ちぶれた人間からの過度な暴力により食べる事が極端に嫌い、光星に密告して医者に助けられた頃にはもう既に遅く、極度の【拒食症】を患い寿命が短くなると言われている。
酷い事を言っちゃうといつ死んでもおかしくない。そんな人生を歩んで医者として天賦の才能を見出して私もそれに助けられて友達になった。
もう四年間の付き合いだからセクハラはちょっとした悪戯としか思えず健康調査の方が優先してる時もある。
「折角三十超えたのにね」
「一月の間に食事は七日しか食べれなかったからかしら?」
「難しいよね、でも大丈夫だよ!私が一緒にいれば絶対治るよ!」
「ふふ、ありがとう♪ところで近未来区に何しに来たの?」
少し昔話に耽って本題に戻ると三つの素材についてアヤちゃんに話した。
「それでここに?」
「うん、良かったら一緒に探してくれない?どうせ暇でしょ?」
「医者なんだけどねー確かに暇だしエッチな妄想しながらセクハラがてら付き合うわ♪」
「私の目が黒い内は止めるからね?」
「さぁ〜しゅっぱーつ♪」
「聞いてる!?」
こうしてスケベな友達と一緒調査することになった――― が、調査どころじゃなくなった。




