「プロローグ」
独り暮らしの家、相も変わらないボロ家に私は前より仕事をこなすようになった。
戦争後、エインデのお兄さん以外立ち直りが遅く失った物の重圧に耐えきれずダウン気味になっている。
私は辛い事を流すように仕事を沢山受けて前より稼ぎが大幅に上昇した。
帰るといつも一人、寝るのもお風呂も一人、温もりすら忘れたこの家に最早未練だけが取り憑いている。
「しっかりしないと、私は皆のリーダーなんだから!」
気合を入れてまた明日、なんだか気まずくて腰が重くなってたけどそれを振り切って久し振りにエミちゃんの家に向かうと何故だかそこに見知った高貴なお顔が。
「今日からこっちでも活動するようになったからよろしくね?」
「・・・・・・・・・?」
「貴女が保有する土地の八割を私が買ったから傘下に入りたければいつでも来なさいね?」
「・・・えっ?えぇぇぇ〜!!???」
隣人に挨拶するかのような軽い気持ちで一月前に助けた水星の皇女さまであり皇帝のレヴィアサン・リヴァイアタンは澄んだ項まで伸びた青髪に細長い体型なのにグラマラス。
別の星だから余所行きの格好だと思われる宝石が散りばめられた装飾品をふんだんに使った超高級ドレスは何故か胸元は大きなハートマークで谷間がガッツリ見えてる。
セクシーなのに落ち着きのある顔立ち、常に冷静で掟に逆らう者は皆殺しにするちょっと怖い人。
私は何度も殺されかけて何故かある日認められて?信頼の証でもある【皇女の刃】を私に授けてくれた。その日から皇女様は私に対して少しだけ物腰柔らかくなった。
「あの・・・私聞いた話しか知らないのであの後どう収拾ついたのか聞いてもいい?」
挨拶だけして立ち去る皇女様に呼び止めた。
「貴女の為なら・・・いいわ」
微笑しながら皇女様は家の中に入り椅子に対面になるように座ってちょっとした文句も言われたけど顛末を聞いた。
嬉しいような悲しいようなどっちとも言えない感情で皇女様は話すだけ話して質問する暇もなく帰ってしまった。
複雑な気持ちとあの後の私についての問いに頭がこんがらがってきた翌日。
「ユカリ・チェリーブロッサム、お前を殺人の容疑として拘束する!」
けたたましい音を鳴らしながらドアを叩かれ朝からうるさいとぶっきらぼうに開けた途端、私は何故か捕まった。