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とりあえず異世界生活したいです  作者: ムゲゼロ
第一章 異世界転生編
1/5

プロローグ

よろしくお願いします。

 ―春―


 それは新しい生活の始まり。


 他県の大学に今日から通う学生黒澤玲太(くろさわれんた)は新しい環境に心が踊っていた。


「今日から大学生。あー、今思い返すと大変だった受験勉強」


 毎日塾に行き勉強、休みなんてほぼなかった。

 大好きなアニメも全く見れず、新作アニメのPVをたまたま見てしまった時はあまりの辛さに唇を噛んだほど。


「うん・・・よく頑張ったな俺!!」


 いかん思い出すと涙が出てしまう!!


「ママ〜、あの人なんで泣いてるの?」


「しっ!!見ちゃダメよ!!」


 小さい可愛らしい少女の一言を聞き、母親は違う方向を向かせる。


 ふっ、少女よ、君も将来分かる時がくるさ。


 心の中でそう呟きながら行き先を目指す。

 大学はこの信号と次の信号を渡って右に曲がればある。


 赤信号で止まりながら道を思い出す。今日は早めに家を出たため、仮に道を間違えたとしても間に合う。


 信号が青になったのを確認し歩く。すると、後ろから親子の声がした。先程の少女とその母親だ。


「こら!待ちなさい!」


「ママ遅ーい!置いてっちゃうよー!」


 少女よ、何をそんなに急いでいるのかね?

 はは〜ん、さてはマンガの最新巻でも買いに行くのかね?


 さすがにそれはないと思いながらも内心呟く。


 今日は絶好調なのだ!


 しかし、そんな絶好調も数秒後、突然響いた大きな音によりなくなった。


 バンッ!!ドンッ!!


 その大きな音の方向を向く。


 なんとトラックが車にぶつかりながら猛スピードで突っ込んでくる。


 反射的にトラックが向かう先を見る。そこにいるのは先程の少女。


「まゆみ!!!!」


 母親は真っ青になりながら走る。まゆみと呼ばれた少女は突っ込んでくるトラックに怯えその場から動かない。少女と母親の距離は離れており、間に合わない。


 そんな中、気づけば走り出していた。


 少女との距離は母親ほど離れてはいなかった。 駆けつければトラックが来るギリギリで間に合うだろう。


 急いで駆け寄り少女の元にまでたどり着く。しかし、トラックはもう目の前。


 そして。


「大丈夫だよ」


 一言呟き少女を突き飛ばした。その行動により、まゆみはトラックの進路から外れる。


 あぁ、死ぬ瞬間ってこんな感じなんだな。


 周囲の時間が止まったかのように感じる。


 せっかく頑張ったのにここで死ぬのか。もっと楽しいことやっておけばよかったなー。


 受験勉強。

 それにより掴んだ大学合格。


 ひたすら頑張ってきた自分の努力がこうして失ってしまうことに残念な気持ちを抱く。


 でも・・・なんでだろう。


 口元に少しだけ笑みを浮かべる。

 視線の先には自分が助けた少女がいる。

 自分よりも若く、これから先がある子を助けられるんだ。


 よかった。


 ドンッ


 その音と共に空中を舞う。


 ー よう・・・こ・・・そ・・・ ー


 意識が薄れていく中で声が聞こえる。


 ー われ・・わ・・れ・の・・・ ー


 その声はテレビのノイズのようだ。


 なんだよこの声。


 視界が真っ暗になり、意識を手放しかけたその瞬間、先程までのノイズがなくなり声がハッキリと聞こえた。


 ー ようこそ我々の世界へ ー



 ◆◆◆◆◆



 ・・・うっ・・・。


 真っ暗な視界の中、意識が戻り始める。


 なんだったんだ・・・あの声。あれ?ていうか何て言ってたっけ?


 そう考えているうちに真っ暗な視界に光が入る。


 あっ!やっと光が!!・・・ん?それ以前に俺、さっきトラックに引かれたよな。それなのにもう意識が戻るんだなー。もしかして助かったのか?てことはこの光は病室の光?


 目を少しずつ開ける。しかし、目を開けることに違和感を感じる。


 ん?なんかいつもと違い変な感じだな。もしかして事故で目に傷でも負ったのかな?っていうかなんかさっきから体が凄く軽い。


 違和感を覚えつつも目を開ける。


 ・・・ん?


 見知らぬ場所にいた。


 辺り一面、RPGゲームで見かけるような洞窟にいた。何やら光っている鉱石がありそれにより洞窟全体が明るい。


 ここ病院か?・・・それにしては随分と個性的で変わった病院だな・・・。


 もう一回目を閉じる。


 ・・・うん。たぶん夢だ。頭でも強く打って幻覚でも見えているんだろう。


 再度目を開ける。先程と変わらない場所。


 え?・・・マジで?


 辺りを見渡しても変わらない。夢ではないと自覚する。そしてここで俺はあることに気づく。


 あれ?俺、もしかして浮いてる?


 下を見ると足がない、というか下半身ない・・・てか腕もない!!


 え?えっ!ちょちょちょちょっと待てよ!!


 その場で慌てる。周囲を見渡すと水溜まりがある所を見つけた。


 確認せねば!!


 なんで下半身がないのに移動出来るんだろうと不思議に思いながらも水溜まりに映る自分を見る。


  そこに映っていたのは・・・、


 ギャァァァァァァァ!!!!!!


 水溜まりに映るのは青白い光を放つ人魂。


 幽霊ェェェェ!!!いや、人魂かァァァァァ!!!!!!!!!!


 すぐさまその場を離れ逃げる。


 ギャァァァァァァァァァァァ!!!・・・・・ん?


  逃げるのを止め少し落ち着いて考えてみる。


 よくよく考えると・・・下半身なかったら動けないわ。


 勇気を振り絞りもう一度水溜まりを見てみる。


 まさかな。


 恐る恐る水溜まりを見ると、そこには先程と同じ青白い人魂。


 うん・・・俺だわ。


 まさかの交通事故で死んだと思ったら人魂になっていた。


 そんなことある?


 そう思いたいがこれが現実。何がどうなってこうなったかは分からない。けどこの状況を一言で言える。



 -異世界転生したみたいです-















































これからよろしくお願いします。

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