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君、もう堕ちる寸前の顔してるよ笑
ち、ちがう、俺は…俺は、
じゃあ、今日わからせてあげようか?自分が何者かってことを笑
な、何する気だよ!
そんなムキにならんでよ、ここ、ここを使うんだよ、簡単だし、僕の言うこと聞いてれば痛いようにはしないよ、ね?
そういって俺のお尻を軽くタッチしてき
た。
っって気色わりぃな!
おぃ、ふざけんじゃねーよ!俺は超真性の超ノンケなんだぞ!
超真性の超ノンケ?笑
まぁいいや、どちらにせよ襲っちゃうよ笑
ついでに、禁断の扉開いちゃおっかな笑
な、何言ってんだよ!
てかそもそもお前、俺の事嫌いだったんじゃないのか!
何で、今さらこんなことすんだよ!
まだわからないの?
あ、でも、そうか。
心が純粋な君には僕の心を理解するなんて無理なことだったね。
じゃあちょっと告白させて。
僕はさ、実は初めて会った日から君が好きだったんだ。
一目惚れってやつ?エヘヘ笑
エヘヘじゃねーよ、それが何でこんなことになるんだよ!
あーそうか、やっぱり凡人君にはわからないことか。
僕の愛情表現ってね。凡人たちとはかけ離れたモノなんだ。
へ、へぇ、これが、、もし、愛情表現だと言うのならお前は超変態な超奇人ってわけか…
でもその姿を知るのは俺だけ…か。
超変態の超奇人?そんな物騒な名前付けないでくれる?
まあ何でもいいけど、恋人の君には本当の僕の姿を見せないとおかしいじゃん?
は、は?恋人?俺らがいつ恋人同士になったよ! まさかさっきの気色わりぃ告白が叶ったとでも?!
こいつ、精神科行った方がいい…
そもそも俺はこいつのことが大嫌いなの
に、何を勘違いしてるのか、堕ちそうと
かわけのわからないことを言ってくる…。
君は僕にとって大切な人。だからこそこれからは君だけに本当の僕の姿を見せていこうと思うんだ。
おぃ無視すんな!こんにゃろ!
ただ、本当の僕の姿を他のひとに知られるとだいぶショックを受けるようなんだ。
そうなると面倒だから、僕は物心付いた時には優等生でかっこよくて何でも出来て頼りがいのある偽りの自分を表として生きてきたんだ。そして、いつか好きなひとが出来たときに今の僕…つまり裏の自分をその人だけに見せようと思ったんだ。
自分語りが多くて、本当にナルシストぶ
りがよくわかる。こいつのこと今すぐク
ラスの 女子たち見せたい。君たちは騙さ
れてるんだよと言いたい。
…俺、お前のこと見くびってたわ。
実はとんだキチガイ野郎だったとはな。
最初に出会った頃は、俺の靴とか傘を盗ん
だりと、嫌がらせばっかして
くる典型的ないじめっこ野郎だったが、
いつしかそれは執着されている
のではないかと思っていった。
例えば僕の昼休みに食べてる貴重なパ
ン。
それを僕が口を付けてからこいつは「食
べさせて」とせがんでくる。
周りの女子の反応は、食べさせてあげ
なよ!とでもいいたげな、顔…という
かすでに聞こえてる…。
こいうことがあって仕方なく一口あげ
ていた。
そして、ある日二人きりになったと
きに、思いきって言ってやった。
おぃ、いつも俺の昼飯食べようとするの止めろよ!何で毎回食べるんだよ!
前は靴なり、傘なり盗んできて、その証
拠現場をしっかり見たが、 皆に主張し
ても信じてくれるのは誰もいない…。動
画も撮ったが、こいつがすぐ傘を所定の
位置に戻すため、俺のでっち上げみたい
な扱いになるのだ。
おかげで俺は友達も居ないボッチになっ
ていた。
こいつは心底意地汚いやつなんだ。
え?いつも笑顔でいいよーって言ってくれるじゃん。ダメだったの?
…こいつ真に受けるタイプだったか。
…もう正直迷惑なんだよ。
毎回「食べさせて」とか言うなよ。
お前は他の女子から弁当毎回つくってもらってるから腹一杯食えてるだろ?
俺は金銭的に余裕が無いから毎回あのパンなんだ。
だからちょっとは俺の気持ちわかれよ…。
少し悩む素振りを見せたが、その表情は
反省しているようには見えない。まるで
他人事。
今回は許してやるから、次からはまじで、あんなことやめてくれよな!
本当は強く言いたいが、こいつが根っか
らのいじめっこだとしたら、これ以上強
いことは言えない。リスクがありすぎ
る。こいつが今、俺にいじめられてるな
んて嘘っぱちなことをクラスメイトに
言えば、どっかの怖い勢力から集団リン
チに会うだろう。
わかった。君の言う通りにするよ。
案外すんなり言うことを聞いてくれた。
本当に良かれと思ってやっていたのかわ
からないが、こんなに素直だとそう思わ
ざるおえない。言ってみるだけ価値があ
った。
~翌日~
これ、食べてみて。美味しいから!
な、なんだよ…
弁当あげるよ!欲しいんでしょ?笑
周りの女子からの目が怖い…
こいつが今俺に渡してこようとする弁当
は学校一
美人のクラスメイトが作った手作り弁
当。
それを俺なんかに渡してきやがった。
ついでに俺は欲しいなんて一言も言って
ねぇ!
いや、いいから…てか君のために作ってくれたんだろ?
僕はパンがあるし、まじで本当に…ヨケイダヨ
最後はボソッと呟いた。
このウインナー本当に美味しいよ!
これだけでも食べてみてよ!
フォークで刺されたウインナーを俺に寄
越してくる。
でもよく見ると食べ掛けだ。
他の具材も食べかけた状態だった。その
状態で俺に弁当をあげると言ってきたの
だ。
わ、わかったからさ、とりあえずちょっと来て…。
なに?笑君から誘われるのとなかなかないよね!
誘うとかそう言うんじゃなくて!
んもうっ!ハラタツ!