勇者(魔王)
あれだね..データ消えた時の絶望ね..w
勇者、という存在がいる。この言葉を聞いて思いうかb
「なあ、もうそれ無くてよくないか?」
...そうだな。確かに要らないな...
それでは、おおまかなあらすじを...
「...あらすじ?」
遥か昔、このアルドミルダ大陸に一人の魔王が現れた。その魔王は、何処で生まれたかも、どのような種族なのかも分からなかった。「えっと...え?」そしてその魔王は世界に覇を唱え、世界中を征服するとして、世界各国に宣戦布告を行った。「お、俺、宣戦布告なんかしてないよな..」
それに危機感を覚えた各国はそれぞれの国からの勇士達を募り、『世界勇者選別戦』を開催した。
そうして選ばれた勇者が...
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
パリィンッ!
窓ガラスを割り、とある人物が魔王の広間に着地した。腰には輝く聖剣をさげ、体には白銀に煌めく鎧を纏って..
「シュコー...俺というわけだ..シュコー..」
どこか見覚えのある形、どこか聞き覚えのある呼吸音、そして黒いマント...
「なんで元ジ〇ダイでラスボスなやつのフルフェイスマスクなんだよ!」
「シュコー...シュコー...?」
「首傾げんな!不思議そうな顔すんな!分かれよ!その装備の不自然な所に気づけよ!」
もっともである。
「シュコー...シュコー..!!」
手のひらをポンと叩いた勇者はマスクの頭に手を伸ばし..
「あぁ、やっと気づいたか..話を進めなきゃ行けないというのに..よかった..はぁ..」
フルフェイスマスクについていたガラスの破片を指でサッと払った。
「.....」
「シュコー...シュコー....」
「ちっがうわぁ!そこじゃねえよっ!!」
「シュコー...シュコー...フッ..」
「てめぇ舐めてんのか鼻で笑いやがってオラァ!後もうひとつツッコミ忘れたが普通の登場をしろよ!やっと大扉蹴飛ばして登場するのが終わったかと思ったら窓ガラス割って登場しやがってぇ..内心ビックリしたわ!」
「シュコー...魔王..シュコー..貴様を..シュコー...倒す..シュコー...」
「呼吸音がやかましいわ!...はあ、それで?次こそファンタジーをぶち壊しにする武器を出すのは止めてくれよ?ごほん、んんっ!...よく来たな勇者よ..(今更)どうだ?吾輩と手を組むというのならこの世界の半分をくれてやろう..」
「いらないっ!シュコー...シュコー..」
(おっしゃ!いいよ!てめぇの被ってるマスクのせいで台無しだけどそこに目を瞑ればすごい『っぽい』やり取りだ!そのまま!そのまま!)
「そうか...あくまで吾輩と争う道を選ぶか..愚かな...ならば吾輩の力をもって、貴様を殺してやろう」
「シュコー..魔王っ!シュコー..俺はお前を倒して..シュコー..この世界を救う!..シュコー..」
(呼吸音..ホントにうるせぇ..)
「そうか!ならば...後悔はあの世で済ませることだな!」
そう魔王が叫ぶなり、魔王の背後に数百もの魔法陣が展開される。
「これくらいで..死んでくれるなよ?」
「シュコー..シュコー..」
魔王の魔法が一斉に発動しかけたその時!
「シュコー...こいつがどうなってもいいのか?シュコー..」
勇者は幼い子供の首に剣を押し当て、魔王に聞いていた。
「ち、ちょっと待ておいゴラァ!」
すぐさま魔王は発動しかけていた魔法を全て力ずくで抑え込み、無理やり空気中に霧散させた。魔王にしか出来ない芸当である。
「お前勇者だろ?!勇者なんだよな!?人質とるのかよ!ってかその人質もお前が守るべき人族の子供じゃねぇか!なにやってんの?!勇者のイメージボロボロになるぞ?!おい!」
「シュコー...なんのための...シュコー..マスクだと?..シュコー..」
「顔バレしないためかよ!ほんとにクズ野郎じゃねぇか!」
「角が生えたおじちゃんたすけて!おねがい!」
「泣いてんじゃねぇか!と言うよりなんで俺が助ける側になるんだよ!魔王になって初めてだわ!...くっ..とりあえずその子を離せ勇者..お前だったら俺と対等に戦えるだろう..?」
登場人物がみんなとち狂ってるこの作品にマトモなど求めてはいけない。
「シュコー..シュコー..いくら払う?」
「え?」
え?...おっと、私自身驚いてしまったよ..人類を助けるための勇者が人質(身代金目的)を取るとは..これ真面目に人類の勇者選別間違えてんじゃねえかな。
「ど、どういうことだ..?曲りなりにもお前は勇者だろ..?なんで誘拐犯みたいな..」
「シュコー....金がねぇんだよっ!」
「知らねぇよっ!勇者としての矜恃は持ってねえのかてめぇはっ!」
「矜恃より金だろ!」
「勇者の発言じゃねぇ!」
子供からしたらいきなり謎の黒いフルフェイスマスクを被った見るからに怪しいヤツが自分を誘拐したという恐ろしい状況である。
「わ、わかった..わかったから..いくらだ?」
「シュコー...五万ゴルダ」
日本円で言うと五百万である。こいつやべぇ。
「ご、五万ゴルダ...分かった!払う!払うからその子離そ..?ね...?」
「シュコー..シュコー..」
「ッ!角おじちゃん!!」
クズ勇者は手を離し、その瞬間子供は魔王の方に駆け出した。
「おぉ..よかった..よかったな..」
「はやく..シュコー..わたせ..シュコー..」
魔王はいそいそと自室から五万ゴルダの袋を持ってきて、勇者に投げ渡しながら疑問を伝えた。今の勇者に近づくのが怖くなったので。
「な、なんでそんなに金がないんだ..?勇者なんだから国から援助は受けられるだろ..?」
「シュコー...キャリーちゃん..シュコー..」
「はい?」
「シュコー..お前の討伐に何回も失敗してるから援助も減らされたし!シュコー..キャリーちゃんはお金目当てで俺の相手をするようになったんだ!くそが!」
「自業自得だろうがっ!ってか援助減らされたと言っても普通に豪遊できるほどあるってのにそれが消えるっててめぇ娼婦に入れ込みすぎだろ!」
「シュコー..キャリーちゃんはやさしいやさしい俺の女王様なんだよ!」
「てめぇMかよっ!知りたくなかったわそんな事実!あとSな時点で優しい訳ではねえだろっ!」
確かにそうだ。あとこいつらはこの場に子供がいることを覚えていて話しているんだろうか。絶対に考えてない。教育的に悪い大人たちである。
「シュコー...よし、きちんと五万ゴルダあるな..シュコー..」
「もう俺はお前がこぇぇよ..勇者じゃねぇよ..どっちが魔王かわかりゃしねぇよ...」
第1章の裏タイトル回収である。やったね。
「シュコー...さて、殺り会おうか..シュコー..,」
「残念ながら今日もここらへんで終わりになるんだ..勇者」
「シュコー..なんだと!..シュコー..」
「なんでも、作者が眠いんだとよ」
「シュコー..そんな理由で俺の出番を終わらせるのか!!シュコー...」
前回も夢オチで無理やり終わらせたし、以前の話だって全て作者のテンションの低下と飽きという理由により戦闘シーンなんてミニガン掃射くらいしかない。あれすら戦闘シーンと呼んでいいかわからないが。
「しょうがないだろ。そろそろ終わらせるぞ。」
「シュコー..だが!この身体能力を爆発的に上げる【聖鎧アルド】、全てを断ち切る【聖剣アストラ】!シュコー..このふたつがあれば強制帰還などの罠など!..シュコー..怖くないっ!」
「会話の合間合間に呼吸音が入ると文章としては読みにくいんだよ!アホかてめぇ!」
「しょうがないだろ!シュコー..作者にいえや!シュコー..」
「まあいいや急がねえと作者に消されるのは俺なんだ!くたばれ!」
「シュコー...フッ!この俺が..シュコー..そんな簡単にくたばると思うなよっ!!」
ポチッ
ガシャン
落とし穴が勇者の足元で暗い穴を広げたが、
「ハッ!覚えているんだよっ!」
ポチッ
ギィィィィィィイイ
ゴォンッ
バックステップで落とし穴を回避した勇者にさらに大扉が迫るっ!
「これも分かっているっ!」
勇者は右斜め前に体を投げ出し、回避した。
「うぉぉぉあっ...」
そしてそこに魔王が予測して張っていたワープゲートに自ら突っ込み、消えていった。
「......」
「角のおじちゃん。僕の家わかる?」
「...どこだ?」
「アイズ村」
「...このゲートの中に入れ。」
「角のおじちゃんありがとう!!」
そう言って子供は躊躇なく歪みの発生するゲートの中に入っていった。普通の子供ならば躊躇どころか泣き出してしまいそうだが躊躇すらしないあたり大物になりそうだ。
「今日も今日でカオスすぎるだろ...あとあの子の名前は...」
名前を聞かないまま去っていったがアイズ村は魔王城とかけ離れた土地にある村なので、あの子がなぜ連れ去られてしまったのか不思議な魔王であった。