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第5話

 魔術師ギルドでゴブリン討伐のクエストを受け、街を北門から出発して休憩を挟みながら走る事約30分、ゴブリンの出現場所である草原【小鬼の遊技場】に到着した。

 ゴブリン討伐クエストの報酬は、30匹倒して300Gと青ポ2個。

 狩り場との往復時間を考慮しているのか、1度に5回分まで受けることが出来るようになっていた。

 回数制限がある分、お金を貯めるのにはあまり向いてないかもしれない。

 まあ、よく考えたら収集系のクエストは、あらかじめ受けてなくてもいいので、討伐系のクエストより報酬は少ないが街に戻らなくてもいい為、より多くの回数を1度の狩りで処理する事が出来る。

 ただ現状では、森の方は思いっきり混んでいるので、まだ人の少ない草原の方が効率はいいだろうけど。


「おー、いたいた」


 まだ距離があるからはっきりとは見えないが、小柄な人型Mobが何匹も歩き回っている。

 念の為に情報収集してから、狩りをするか。

 ゲームが始まったばかりで、Mobに関する情報は全く無いから、本格的に狩りを始める前に情報を集めておいた方が安全だろう。

 魔術師が火力職でゴブリンが初級のMobだからって、火球一発で倒せる保証はない。

 最低でもそれだけは確認しとかないと。

 もう口癖のようになってしまった呪文を詠唱し、運悪くこちらに近付いてきているゴブリンに魔力線をあて、火球を撃ち出すと、直撃したゴブリンはあっさりその姿を光の粒子に変えた。


「……まあ、予想通りか」


 次は範囲攻撃で倒せるかか……、ついでに移動速度も調べられるな。

 ゴブリンは狼と違いアクティブなMobなので、近付くだけでいいから楽だ。

 適当にそこら辺を走るだけで、十分集められる。

 攻撃を受けないように距離を取りながら、目に付くゴブリンに向かって次々走り集めていく。

 ん? あんまり足は速くないんだな。

 全力で走っても振り切れなかった狼と比べるとかなり遅いようで、走る速度を上げると距離が離れていく。

 火球の範囲に上手く入るように、逃げる方向を変えたり走る速度を調節して、出来るだけ密集させるようにする。

 えっと、5……、6匹ね。実験だし、このくらいでいいか。

 距離が十分に取れたのを確認したところで足を止め、呪文を詠唱する。

 これで倒せれば楽なんだけど。


「『ファイアーボール』」


 杖から撃ち出された火球は、先頭を走っていたゴブリンに着弾し、周囲に炎を撒き散らした。

 炎を浴びて火達磨になったゴブリンは、狼の時と同様に速度を落としながらも近付いてきたが、途中で力尽きて次々光の粒子を弾けさせた。

 範囲の方でも倒せるなら楽勝だな。移動速度が遅いから、狼より狩りやすいかも。


「それにしても、近くで見ると、やっぱ気持ち悪いな」


 離れた所で魔法を撃ってる分には気にならないが、集める最中に近くを通ると嫌でもその姿が目に入った。

 ゴブリンは、子供のような体格に緑色の肌、腰にはぼろぼろの布を巻いていて、手には古びた武器を持っていた。

 武器の種類は短剣や斧、剣に槍など様々で全く統一性がない。

 初級Mobらしく遠距離攻撃がないのか、弓を持っているゴブリンがいなさそうなので、紙装甲の魔術師としては大助かりである。

 武器の種類が統一されてないのは、倒した冒険者から奪ったという設定だからかな?

 それとも、対人戦の練習相手にする為なのだろうか……。



―――――



 回復魔法の出番が無いまま、狩りを始めて約1時間が経った。

 狩り場までの移動には役に立ったけど、買うのは攻撃魔法にした方がよかったかもしれない。

 やっぱり、1種類しか攻撃魔法が無いのは、変化がなくてつまらない。

 街に戻ったら買ってみるか。


「ぬぅ?」


 魔法の事を考えるのは後にして、次の獲物を探す為に辺りを見渡していると、面白くない光景が目に飛び込んできた。

 ゴブリンの数がやけに少ないと思ったら、釣ってる奴がいたのか……。

 砂糖に群がる蟻の如く大量の小柄な体躯の人影が、数人のプレイヤーを囲むように集まっている。

 でも、あんな数PT組んでても処理出来るのかね?

 ざっと見たところ、ゴブリンの数は少なく見積もっても30匹以上いるので、集め過ぎのようにも思える。

 まあ、釣りの失敗だったとしても関係ないし、空いてる場所探すか。

 場所が被ると効率が悪いので、狩る場所を変えようとゴブリンの集団から離れる方向に歩き出すが、


「い、痛いっ! ちょ、たすけ……」


「こっち来るなよ! くそっ、釣り過ぎなんだよっ!!」


 離れようとした集団の方から、複数の悲鳴が聞こえてきた。

 おいおい、無理ならそんなに集めるなよ。

 一瞬、無視しようかとも思ったが、PTが全滅した後に残るゴブリンの集団にまとまって行動されると面倒そうだし、同じ国のプレイヤーは戦争で仲間になるので、助けた方が自国戦力の為――デスペナを1度回避したくらいじゃ、微々たるものだろうけど――になっていいだろう。

 これ以上の戦闘は無理だと逃げる事に決めたようで、攻撃方向を集中しゴブリンの輪を突破しようとしているが、すでに死んだのか元々いないのかわからないが、魔術師がいないようで道を切り開くのに全然火力が足りていない。

 あまりの計画性の無さと判断の遅さに呆れながらも、詠唱を終えた火球をPTの逃走を邪魔しているゴブリンの作る壁に向かって撃ち込む。

 その攻撃に反応したのか、こっちに向かって来るゴブリンがいたが、少数だしまだ距離がある。


「あとで横殴りしたって騒いでくれるなよ」


 間を空けず再度詠唱を開始し、余裕のある間に出来る限り数を減らす為、今度は密集している所に火球を撃ち込む。

 やっぱ、この魔法って初級なのに性能良過ぎだよな。

 詠唱が短いので続けて攻撃できるし、威力も高く、更に範囲攻撃になってからの使い勝手が異常に良い。

 後々、他職の苦情メールで修正が入りそうだ。

 にしても、どんだけ集めてるんだよ。30匹どころじゃなかったな、こりゃ。

 距離があったので集団の全体が見えていなかったのか、予想していたよりもゴブリンの数が多い。


「わ、悪い。助かった」


「ありがと」


 上手くゴブリンの包囲網から抜け出したようで、2人――男女1人ずつ――のプレイヤーがお礼の声を掛けてきた。

 装備している武器から見て、男は戦士で女の人は探索者のようだ。

 他のプレイヤーは死んでしまったらしく、PTがいた場所に留まっていたゴブリンも一気にこちらに向かって動き出した。

 お礼の言葉に応える前に、詠唱を終えていた火球を向かって来るゴブリンの集団に撃ち出す。

 無理っぽいけど、壁役頼んでみるか。


「いえ、ちょっと間に合わなかったみたいですし。あっ、まだ赤ポに余裕があるなら、壁してくれると助かります。あれを残して置いたら他の人の迷惑になりそうなんで」


「えっ」


「なっ!?」


 意外なお願いだったのか、最初は驚いた反応を見せただけだったが、切れ長の瞳を見開いただけの女の人と違って、男の方は太い眉を顰め明らかに嫌そうな表情に変わった。

 アップルパイで増えたMPにはまだ余裕があるし、いざとなれば青ポを飲めばいいので断られても構わないけど、1,2匹で向かってきたゴブリンに火球を撃ち込むのは勿体無いし、壁役がいるといないとで難易度が大きく変わるのだ。

 返事を待つ間にも、ゴブリンはどんどんこちらに近付いてくる。

 3度の魔法攻撃で10匹強は倒せたらしく、目に見えて数が減ったけど、まだ40匹近く残っている。


「あー、俺、もう赤ポ残ってないから……、悪いな」


 男は、視線を逸らしながら答えた。

 どう考えても嘘っぽい。いや、まあ、いいんだけどね。あんまり期待してなかったし。

 逃げ撃ちするか。最悪危なくなったら逃げればいいんだし、なんとかなるべ。

 予想通りだなと諦め、緊急時用に青ポを実体化させようとした時、意外な言葉が耳に入ってきた。


「私は、まだ余裕があるしやらせて。あの数相手だと、どこまで足止めできるかわからないけど」


 表情1つで全然印象が変わるな……。

 さっきまで、特徴的な瞳と薄い唇から冷たい印象を受けていたが、了承の返事と共にこちらへ向けられた柔らかな笑顔を見て、そのイメージは一変した。

 どうやら女の人の返事が遅れたのは、アイテム画面を確認していたようで、今は実体化した赤ポをベルトの専用ホルダーに挿し込んでいる。


「えっ、おい」


 壁役が1人だとちょい不安だが、まあなんとかなるだろう。  

 男が女の人を止めようとしているが、無視無視。 


「助かります。えっと、俺はトウヤっていいます。よろしく」


「トウヤ君ね。私はハルカ。こちらこそよろしく」


 女の人、ハルカさんも無視する事に決めたのか、言葉を返してすぐ鞘に戻していた銅製の短剣を抜き放ち、ゴブリンの方に向き直った。

 この様子じゃ、リアルの知り合いとかじゃなく即席PTだったみたいだ。

 男の方は戸惑った様で、逃げるでもなくうろたえている。

 って、呑気に話してる場合じゃないな。


「危なくなったら逃げてくださいね。『生命の根源たる炎よ、勇ましき火精の助力を受け、全てを撃ち砕く火球となれ』」



―――――



 嬉しい事に予想していたよりも、ハルカさんの戦闘能力プレイヤースキルはかなり高かった。

 頼んでみたものの、本当に壁として機能するか少々不安だったが、短い黒髪を激しく振り乱しながら的確に動き、後ろに通さないよう足止めを重視しつつも、1匹ずつ着実に倒していってくれる。

 ただ、槍を持ったゴブリンはリーチの差もあり苦手なようで、手傷を負う事が多少あったが、左手に持った木製の小さな盾を使って強引に距離を詰め、息の根を止めていた。

 盾の使い方もだけど、位置取りの仕方が凄いな。

 2匹同時に相手取る時に、戦っているゴブリンの身体をさり気なく障害物として使っている光景は、見ていて感心させられてしまった。

 火球を撃ち出し、ハルカさんの方に目を向ける。

 でも、流石に3匹相手は辛そうだな。

 現在、3方向からの攻撃に防御に専念させられ、中々攻撃に移れないようだ。

 一瞬、援護に向かうべきかとも思ったが、ハルカさんの背中越しに見えた新たなゴブリンの小集団に、呪文の詠唱を止める事が出来ない。

 位置的に射線を遮られているので、横に移動し火球を放つ。


「このぉ! 鬱陶しいのよっ!!」

 

 突然の雄雄しい叫び声に目を向けると、変化のない情況に焦れたのか、ハルカさんは無理に攻撃を敢行したようだ。

 強引な突撃で1匹を倒す事は出来たようだが、その代償にバランスを崩し、残った2匹に対して無防備な姿を晒してしまっていた。


「…………くっ!?」


 ゴブリン達がその隙を逃す筈もなく、咄嗟に下がろうとしたハルカさんの身体に手に持った凶器を突き立てていく。


「勇ましき火精のっ!? 『慈悲深き水の乙女は、倒れし戦士を胸に抱き、悲しみに心を痛める。その青き瞳からこぼれし清らかな涙は、深く傷つきし戦士の肉体に癒しを与える』」


 苦痛の声を上げるハルカさんを見て、火球の呪文詠唱を止め、慌てて回復魔法の詠唱に切り替える。

 あー、もー、長ったらしい。

 ハルカさんはよほど痛みが激しかったのか、なんとか盾は構えているけれど地面に膝を着いてしまっている。

 間に合えっ!

 急いで魔力線で対象者を選び、魔法名を唱える。


「『アクアヒール』」


 ハルカさんの頭上に現れた青く輝く球体から、光る水滴が雨の様に降り注ぎ、HPを一気に回復させる。

 HPが回復して痛みが治まったのか、膝を着いた体制からゴブリンを盾で跳ね除け、もう1匹の攻撃を避けるように後ろに飛び退いた。

 よしっ! 間に合った。


「サンキュ」


「いえ」


 今は戦闘中の為、短い言葉を交わすだけにして、再び攻撃するべく魔法の詠唱を始める。

 見える範囲で残っているゴブリンは、10m程先にいる4匹にその少し後の1匹――リポップした奴なので、まだこちらを感知していない――、そして、ハルカさんの相手にしている2匹だけになっていた。

 固まっている4匹に火球を撃ち出して倒し、ハルカさんの援護に向かう。

 魔法だと巻き込むし、杖で殴るしかないか。

 剣を持つように石突き近くを持ち、ハルカさんの右側にいるゴブリンに向かって杖を振り下ろす。

 後ろに下がって避けられてしまったが、元々倒すためではなく一対一の状況を作るための攻撃なので、問題はない。

 まあ、どうせ当たってもダメージは期待できないし。

 ハルカさんは、それに上手く反応してくれ、もう1匹の攻撃を盾で受け流しその喉元を短剣で掻き切った。

 残り一匹! ……うん、無理せずハルカさんに任せよう。


「すいません、こいつもお願いします」


「任せて」


 ハルカさんと入れ替わるように後ろに下がり、戦闘状態に入ったのを確認してから、他にリポップしたゴブリンがいないか辺りを見渡す。

 最初の方に倒した奴が、ここら辺のならそろそろだと思うんだけど……。

 後ろを振り向くと、所在なげに佇んでいる人影が目に入った。

 ん? まだいるのかあの男。

 壁役を断った男が、逃げるでも戦闘を手伝うでもなく、少し離れた場所に留まっているのは気付いていた。

 ここら一帯のゴブリンは前方に集まっていたので、後ろをあまり気にせずに戦えたが、後方に新しく沸く可能性もあったので、偶に確認していたのだ。

 ハルカさん待ちかな?


「トウヤ君、片付いたわよ」


「あっ、はい。お疲れ様です。壁役ありがとうございました」


 まあ、どうでもいいか。俺には関係無いし。


「ううん、元々助けてもらったのは私の方だし、途中フォローまでされちゃったしね」


「一緒に戦ってたんだから、フォローするのは当然ですよ。……でも、強いんですね。ちょっと意外でした」


「お、おい。ちょっと」


 なんだ? いい感じで話してるのに邪魔するなよ……。てか、赤ポ無いんだったら、さっさと街に帰れ。

 空気を読まず、名無し男が会話に割り込んできた。

 男の外見は、いかにも小者といった印象に反し、全体的に造りの大きい厳つい顔つきで、俺より頭1つ分背が高くがっしりとした体格をしている。

 そのせいか、腰の長剣と手に持つ金属盾、着込んでいるブレストプレートが似合っていて、いかにも冒険者といった風情である。


「なんですか?」


「いや、お前じゃなくて、ハルカの方だよ」


 助けてやったのに、お前呼ばわりかよ。ハルカさんのことも呼び捨てにしてるし。

 気になってハルカさんを見てみると、戦闘後の笑顔から一転、非常に不機嫌そうな顔になっていた。

 目じりが切れ上がっているので、その迫力は中々のものだ。


「何?」


「何じゃねえよ。PT組んでるのに勝手なことするなよな」


 いやいや、元はお前達のPTの後始末だろ。

 男は完全に頭に血が上っているようで、ハルカさんの冷ややかな視線に気付いてもいないようだ。

 てか、少しはハルカさんの雰囲気の変化に気付けよ。


「みんな街で待ってるから、さっさと戻るぞ」


 男は、踵を返し歩き出したが、


「私、PT抜けるから。他の人にもそう言っておいてね」


 というハルカさんの言葉に、慌てて振り返った。


「いきなり何言ってんだよ! そんな事許されると思ってるのかっ!」


「あのねぇ。こっちの意見も聞かないで、あんな無茶な狩り方させられるんじゃ、これ以上付き合ってられないわよ。あれじゃあ、すぐに死んで狩り場と街を往復するだけじゃない。いつまでも経っても強くなれっこないもの」


 確かに、赤ポ代も馬鹿にならないだろうし。

 狩り場までの移動時間を考えると、ほとんど走ってばっかりになりそうだ。

 まあ、AGIとVITだけは成長するかもしれないけど……。

 あ、デスペナがあるから、それすらないのか。


「それに、レベルゲーと同じ感覚でPT組んじゃったけど。今になって考えたら、経験値の無いこのゲームの成長システムだと、ソロの方が効率よさそうなのよね。まあ、ダンジョン攻略とか、狩り場の沸きが良過ぎるとかなら話は別だけど」


「そうですね。PTにいるだけで、ステータスが上がるわけじゃないですし。ここぐらいの沸きと敵の強さなら、ソロの方が効率いいと思います。近接職だと特に」


「でしょでしょ」


 自分の考えに同意されたのが嬉しかったのか、ハルカさんはこちらに視線を移し、柔らかくその表情を綻ばせた。

 本当に表情1つで、がらっと印象が変わる人だな。


「クソッ! もういい、勝手にしろ!!」


 男は、やっとお邪魔虫なのを理解してくれたようで、地震を起こすかのような足取りで去って行った。

 そういえば、名前聞いてないな……、今更だし、どうでもいいけど。


「えっと、よかったんですか?」


「ええ。さっきの男の名前、カズっていうんだけど。カズも死んで街に戻った3人も、これの前にやっていたゲームで、かなりの廃プレイヤーだったみたいなの。その時のレベルと装備での強さを、自分のプレイヤースキルが高いんだって勘違いしてたみたいで」


 あー、よくある話だ。こういうゲームは、基本廃人仕様だからその手の連中が少なくない。

 そういう奴にかぎって、効率的な狩りの方法が確立されている狩り場で、効率の悪い独自の方法を無理やり押し付けてくる。

 それで、散々自分勝手な動きをしておいて、効率が悪いの捨て台詞と共に勝手にPTを抜けていくのだ。


「あのゴブリンも雑魚だから、どんなに数が多くてもすぐ倒せるって、人の話を聞かずに釣りまくっちゃってね。みんな自信満々だったから、強いのかと思ったらあっさりやられちゃうし。無謀な狩りに巻き込まれたこっちとしては、2度とPTを組みたくない連中よ。フレンドも今解除したわ」


 なにか操作してると思ったら、フレンド登録の解除だったのか。

 あれだけいい動きをしていたハルカさんと、口だけの連中では絶対相性悪いだろうな。

 このゲームでは、廃人度よりもプレイヤースキルの方が強さの比重が大きいし。


「そうですか。災難でしたね。……あ、これからどうするんです? 今のでクエスト達成したんで、一旦街に戻るつもりなんですけど」


「私はもうしばらく狩る事にするわ。無理しなければ十分狩れる事もわかったし、まだクエスト分倒してないしね」


 まとめて倒せる魔術師と違って、近接だと時間掛かるだろうな。


「あっ、そうそう。フレンド登録お願いできる? まだ先になるだろうけど、トウヤ君とはダンジョン攻略とかアイテム狩りでPT組みたいから」


「ええ、いいですよ。こっちからお願いしようと思ってた所ですし」


 ハルカさんの出した登録の要請を、承諾しフレンド登録を済ませる。


「それじゃあ、また。狩り頑張って下さいね」


「またね」


 ハルカさんに手を振ってお別れをし、街の方向へ足を踏み出した。

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