真相へ
「では準備が整ったようだし、早速始めるとしよう」
バアルの号令に全員が気を引き締める。
「ではルカ、頼むぞ」
「はい」
フィエルテは再びルカの身体に戻り、ルカが『ダグラス』を使って精霊獣を転移させるのを補助することになっている。
ルカは手に持つ札に集中する。
ダライアス家の始祖と呼んで差し支えない、マリル=ダライアスが地の王のために作り出したという人造精霊。
いったい、どのようなものなのか―――
「術式開放!」
ルカが札を投げ、弾け飛んだ後に現れたのは―――
「これがダグラス?」
バレルが素っ頓狂な声を挙げる。
だが、その気持ちはルカにもわかる。
そこに現れたのは「丸い」としか印象に残らない不思議な形状をした精霊。
丸い身体に耳と短い手足と、動物の姿なのは間違いないが、まるで幼子が描いた犬か猫のような歪さだ。
ふわふわと空中に漂うその二体は動きも遅く、とても実用に耐えるものではないように見える。
「そいつは地脈に乗って移動できる。つまり本来は私が目を借りる約束を交わしている精霊のもとに送り込んで使うものだ。今回は一時的に属性をつけて結界内に送り込み、そこからフィエルテの持つ権限で結界の中の精霊獣を転移させる。ルカには結界を張っているものと精霊を引き寄せているものを見極めてもらって、精霊を引き寄せているものから転移させて欲しい」
「わかりました」
ルカはいつものように人造精霊の五感と自身の五感を同調させていく。
見た目は変わっているが、やはり人造精霊としての基礎的な構造には変わりはないようで、すんなり同調出来た。それによると一方はオスで、一方はメス、ということになっているようで、転移の送る側がオスで、受ける側がメスということらしい。
ルカは二体に風の属性を選ばせると、オスを精霊獣の効果範囲へと進める。
ひゅっとまるで消えるように高速で引き寄せられていくオスは、あっという間に結界内に引き込まれていった。
その様子をオスの視覚を通じて見るルカ。
感じたことがないほどに濃密な精霊の気配―――
それだけではない、あまりにも高圧の環境になっているためか凄まじい熱が発生している。
ダグラスは全属性に自在に変化できるだけあって、そういった環境変化には強いようで操作に支障はない。
精霊獣たちは一体どこにいるのか―――
ルカはそのままこじんまりとした建物の中へとオスを進めていく。
あまりに濃密な精霊の気配に奇妙に歪んで見える世界―――こんな中で生物が無事だなど、ありうることなのだろうか。
道なりに進んでいき、もはやそこが地上なのか地下なのか、わからなくなってきた頃に強い魔力を感じた。
通路の先、ホールのように広がっている場所に数十体の精霊獣が倒れていた。
オグル―――狼によく似た姿と生態を持つ水属性の精霊獣だ。狼に比べて長い脚と倍近い体躯、そして長い鬣が特徴で、スキッパーのデザインの元となった精霊獣だった。
息があるのかないのか―――この状況ではまったく判断できない。
倒れているオグルを通り過ぎてしばらく進むと、この結界の核となっているのであろう魔力の源を見つけた。
そこには何とも形容できない、妙な“もの”がいた。
どんな生物にも似ていないとも、どんな生物にも似ているとも言えそうな、ありとあらゆる生物がごちゃ混ぜになったようなその姿―――
その周囲に10体ほどのオグルが散らばり、どういう手段でか精霊を引き寄せ続けていた。
水属性なのだから扱える精霊は水属性だけ。だが、目の前のオグルはそれぞれに違う属性の精霊を引き寄せている。
オグルたちはふわふわと目の前を漂っているダグラスには気付いていない、というより何も見えていないようでまったく反応を示さない。
その中心にいる“もの”も目があるのかないのかは判らないが、特に動きは見られなかった。
ルカはオスをそのまま一体のオグルに近づかせると取り込むように命じる。
すると丸い身体を大きく膨らませたオスはそのオグルを飲み込んだ。次の瞬間―――
ルカのそばにいるメスの身体も大きく膨らんだかと思うと、オグルを吐き出す。
「捕縛!!」
オリバーの号令で、一斉に鎖が放たれる。
「ウガアアアア!!!!」
身体に絡みついていく鎖に、激しく暴れるオグル。
「うおっ!!!しっかり押さえろ!!!」
男たちはその太い腕をさらに膨らませて、オグルを押さえ込もうと必死だ。
「揺れて揺れて母なる揺り籠、その慈愛を以って猛る魂を抱き給え―――スレグ・ラーフ!!!」
バレルが手を叩くとオグルの身体を幾何学模様が包み込んでいく。
「ウガァ・・・カ・・・」
やがてオグルの身体がすべて幾何学模様に包み込まれると、オグルは暴れるのを止め座り込んだ。
「スゲェ・・・」
隊員たちの呟きにバアルは拍手する。
「さすがはダライアス。法術が苦手とはいえ精霊との相性は抜群だな」
「いや、この程度はアカデミーで習うもんだし・・・」
ばつの悪そうなバレルがおかしかったが、ルカは再び集中すると次のオグルへと移る。
そして転移を繰り返すこと6回目―――
順調にオグルを捕獲し、精霊が収束される勢いは明らかに弱っていった。
同時にフィエルテは風の精霊をじわじわと解放していっている。
目に見えていた空間のゆがみも少しずつ戻ってきているようで、本来の施設の大きさがわかるようになってきていた。
そして8頭目―――
飲み込もうとした瞬間、それまで微動だにしなかった“もの”から突然触手が飛び出すとダグラスを打ち付けた。
「うああっ!!」
感覚を同調していたために一瞬の激痛の後、同調が途切れた。ダグラスが消滅したのだ。それと同時にメスのダグラスも消える。
「ルカ!!大丈夫か!!?」
慌てて駆け寄ってきたバレルがしりもちをついたルカを抱え上げる。
「だ、大丈夫だ・・・くそっ!結界を―――」
その瞬間、地響きが聴こえ、凄まじい圧力を感じた。結界が解かれたのだ。
フィエルテがルカの中から飛び出すと、バアルも構えてそれぞれの精霊を前方に密集させた。だが、これでは防ぎきれないのは明らかだ。王に制御できるのは己の属性のみ。解放された四元をすべて防ぐことは不可能だ。
大地を抉る衝撃波が迫ってくるのが見える―――
このままでは―――
そう思った瞬間、突然天から光柱が無数に降り注ぐと、衝撃波を打ち消した。
見上げると蒼天に赤銅の光―――その翼を大きく羽ばたかせた竜はルカたちの前に降り立つ。
「ソル様―――」
「何とか間に合ったようだな」
「どうして・・・」
「アームネスタに行ってみれば、お前たちは領主の企みの後始末のために出たと聞いてな、私でもなにがしかの力にはなれようと追いかけてきたのだ。たどり着いてみれば明らかに尋常ではない異変が起こっているし、何やらよくない気配まである。その上新たな王の気配まであるとなればどうしたものかと思うだろう?そうしたら突然眼下で大爆発だ。これはまずいと『天譴の護法壁』で囲ったんだが」
そう言うなり、人の姿へと戻ったソルを見て、オリバーは唖然としていた。
「アガレス卿・・・?」
「おお!イルダのオリバーじゃないか。久しぶりだな」
「アガレス卿・・・なんですよね?」
「そうだ。諸事情あってな、詳細はこれを片付けてから話そう」
そう言ってソルが振り向いた先―――
そこには土煙をあげながら凄まじい速さで移動してくる、施設で見た“もの”がいた。
「なんだあれ・・・」
バレルが呆然とした様子でつぶやく。
それも仕方のないことだろう。陽光の下で見るその“もの”は、十間は余裕で越える頭も胴体も見分けがつかない奇妙な棒状の肉体に数十本の足が生え、さらには無数の触手が蠢いている。
その“もの”から感じ取れる凄まじい魔力―――
「もしかして・・・」
「どうした?ルカ」
ルカの呟きにソルが振り返る。
「とりあえずはあれを始末するぞ」
スッと手を挙げたバアルをルカは止める。
「待ってください!!!」
「なんだ?」
「あれは・・・もしかして・・・」
ドラゴニア、ルーニエ、そしてラナサント。四大国と呼ばれたうちの三国にそれぞれに現れたという勇者という名の魔力を運ぶための器。
ならばシナルアにも勇者が誕生していてもおかしくはないはずだ。
アレンが勇者として啓示を受けたのは三年と少し前。
そしてオリバーが被験体として連れ去られたのも三年ほど前という。
「あれは・・・もしかしたらシナルアに誕生するはずだった勇者なのでは?」
「なっ!?」
ソルもオリバーも、バアルさえもが驚愕の表情のまま固まった。
「あの異常な魔力の強さ、兄の魔力とよく似ています。勇者の誕生が三年ほど前、そして領主が色々企み始めたのも三年ほど前。時期が重なります」
「ということは―――」
「あれを殺さずに捕獲して、元に戻さねばならないかと」
「あれを!?」
声を裏返して叫んだのはバレルだ。
「僕がスキッパーで足止めをする。ソル様、もう一度『天譴の護法壁』は使えますか?」
『天譴の護法壁』は結界術の中でも最高峰とされる高位結界。本来は複数の高位魔術師でしか起動出来ない極めて高等な術だ。
ドラゴニア法術師団師団長であるカトルが使う『光束結界』ほどの強度はないが、有効範囲が極めて広く、『光束結界』と並んで結界術の双峰と称されている。
「出来んことはないが・・・あれほどとなると『天譴の護法壁』では押さえ込めんぞ?」
「地の王、あなたには治癒をする能力がありますよね?それってアムリタと同様の効果を持っているのではありませんか?」
ラウムから聞いた、オリマーが拷問を受けた傷を瞬時に治して見せたという話―――治癒、ではなく、アムリタのように元に戻しているのではないかと感じていた。王には魔力はない。にもかかわらず治癒が出来るとなれば魔術ではない、別の方法を使っているはずなのだ。となると、必然的にアムリタを用いた方法くらいしか思いつかない。
「良く知ってるな。確かに私にはアムリタを自在に扱う権限がある。『フォルテ』と交わした約束でね、私と彼女はそれぞれの持つ権限の一部を交換してる。っと、ゆっくり話してる暇はないな!!」
突然伸びてきた触手にバアルが触れると、その触手はまるで風化するかのようにボロボロと崩れ落ちた。
「術式開放!!!」
ルカはスキッパーを呼び出す。その数五十。
スキッパーたちは疾風のごとく駆け抜けると巨体の周囲に散らばり、鞭のようにしなり伸ばされる触手を躱していく。
「この数をこうもあっさりと・・・いったいどんな処理の仕方をしてるのやら」
呆れたような口調で肩を竦めたソルは、目を閉じると手を一つ叩く。
「万象を統べる者。不なるモルフィンよ。請願に応え我らが愚衆を護りし盾を顕現したまえ。イ・ソル・ア・ソレル!!」
ソルが再び手を叩くと、天から光の柱が降ってくる。
「ハウリング!!!」
ルカはスキッパーにハウリングを放たせると、すぐさま距離を取らせた。
ほぼ同時に降り注ぐ光柱は、狙い違わずその細長い巨体を拘束していく。
やがてびっしりと立ち並ぶ光柱によって姿が見えなくなると、ソルは息を吐いた。
「ふう、なんとかなったか」
「さすがの腕前ですね、ソル様」
ルカの讃辞に渋い顔をするソル。
「お前に言われても嫌味にしか聞こえないんだが。それよりここからどうする?あの結界では保ったとしても一刻だろう」
「地の王。一つ知りたいことがあるのですが」
「なんだ?」
「精霊獣についてです。精霊獣は生まれた時からすでに精霊の加護を受けているのですか?」
バアルはルカの質問の意図に気付いたようでニヤッと笑った。
「なるほど。君の考えている通り、精霊獣は生まれた時はただの獣だ。精霊獣には種族の中心となる個体がいて、その個体がアムリタから魔力を以って精霊の加護を受けることが出来るようになる母乳のような液体を創り出すことが出来る。『月の王』が創り出す妖漿と同じようにな」
「領主が行っていた人体実験というのは、精霊獣を使って妖漿のようなものを創り出し、人に精霊の加護を強制的に付与させ、アガルタに近い存在とする実験だったのではないのですか?人を妖漿でアガルタ化させる―――アガルタが勇者たちに対して行ったことはシナルアから持ち帰った情報を元に行われたのでしょう?」
妖漿を創り出せるのはアガルタの魔力循環の要石たる『月の王』だけ。つまりそれだけ強大な魔力を要求されることになる。
精霊獣の関係は、精霊の加護を受ける、というだけのことでそのものの本質を変えてしまうほどのものではないので、それほど魔力を要求されないのだろう。
だが、本質を変えてしまうほどのものを創り出すためには莫大な魔力が必要となるはず。そこで目を付けられたのがシナルアに誕生した勇者だ。
アガルタのシナルア侵攻時には既に完成していた基礎理論を実現するために必要な駒が、勇者の存在で揃ったということだろう。
「あれはシナルアの勇者と精霊獣の中心となる個体が融合している“もの”なのではないでしょうか?アムリタで分離させることは出来ませんか?」
バアルはしばらく顎に手を当て考え込んでいたが、顔を上げると首を振った。
「分離させれば元に戻すことは出来るが、あの状態では無理だ。あれはすでに一個の個体として存在している。元に戻す、となるとあのままの姿になる」
「ですが・・・」
「あれはおそらく、私と同じで疑似的に肉体を構成しているのだと思う。変質させるものを創り出す側を変質させることは出来ないはずだろう?」
確かにそうだ。変質させてしまえば能力も変質する。つまり融合しているように見えるだけで、融合はしていない。
「ルカ、おぬしは『魔封じの晶石』の術式を見ておったな。あれを使えないか?」
ソルの言葉にルカは顔を上げる。
バアルと違い、地の精霊に対して絶対的な支配権限を持っているわけでもないものが、疑似的に肉体を構成するとなればその力の源は魔力だ。その魔力を断ってしまえば肉体の構成が解ける。
「しかし・・・あれには礎石となる石が必要です」
「なんだ?何か要るなら私が作ってやるが」
そう、物質を司るバアルならばどんな物質でも作り出せる。
「あの!高さ三尺、径は一尺ほどの水晶柱を8本とその倍の大きさの水晶柱を一本、用意できますか?」
「お安い御用だ」
バアルが指を鳴らした途端、地面からにゅっと水晶柱が9本、生えてきた。
向こう側が透き通って見える、極めて純度の高い水晶―――そうそうお目に掛かれない高級品だ。
「さすがは創造神。スゲェな」
バレルの言葉にバアルは振り向く。
「もしこの世界が無事に存続することになったら、蒼玉だろうが紅玉だろうが金剛石だろうが好きなだけ持たせてやるぞ?」
「あ、いや、俺、宝石に興味ないんで」
「宝石以前に色恋ごとにもう少し興味を持ちたまえよ。言い寄ってくる女はそれこそ星の数なのに、いつまでもルカだけ見ているようではな」
「僕ですか?」
首を傾げたルカにバアルは苦笑する。
「それはさておき急いだ方がよさそうだぞ?」
そう言って指さす先、立ち並ぶ光柱が数本砕け散った。
「えっと・・・」
ルカは記憶の中の魔導書をめくる。
それほど難しい術式ではなかったのではっきりと覚えている。
そっと水晶に手を触れたルカが目を開くと、その瞳に複雑な文様が浮かぶ。
すると水晶柱の中心に、同じ文様が浮かび上がった。
「ふう」
目を閉じ一息ついたルカが再び開いた瞳にはもう何も浮かび上がってはいない。
「バレル、これを奴の向こう側へ」
「わかった」
軽々と担ぎあげるバレルだが、人二人分の重量はあるはずだ。
ルカは同じ作業を繰り返し、9本すべてに文様を刻むとソルとオリバーの二人掛かりで最後の水晶柱を『天譴の護法壁』ぎりぎりまで運んでもらう。
「ルカは下がれ。起動は私がやる」
ソルはルカを押し戻すと水晶柱に手を触れる。
「でも!!」
結界のすぐそば。魔封じの晶石が起動すれば中にいる“もの”と対峙しなければならない、危険な場所だ。
さらに起動したら魔力を吸われ続ける。いくら竜人といえども危険すぎた。
「行け!!!」
「くっ!」
ルカはスキッパーを結界の外に展開させると、ハウリングの準備をさせる。
「フィエルテ!!頼む!!!」
魔力は使えなくても王の権限ならば関係はない。
ソルはルカが結界外に出たのを確認すると、晶石を起動する。
「ぐうっ!!」
一気に魔力を吸われ、顔を苦痛に歪めるソル。それと同時にすべての光柱が砕け散った。
フオオオオオオオッッ!!!!
叫びとも呻きともつかない声を挙げ、身体を大きく持ち上げる“もの”の触手がソルへと伸びる。
「ハウリング!!!」
一斉に放たれたハウリングは結界内に入っても失われることなく“もの”を直撃した。
フゴオオオオオオオオッッ!!!!
バランスを崩し、倒れていく“もの”の下にはソルの姿が―――
「ソル様!!!!」
ズーンッ!!と土煙が大きく舞い上がりしばし―――
土煙を突き抜けて何かが飛び出してきた。
「バレル!?」
その肩にはソルを担いでいる。
「ルカ!!!マズいっ!!!魔力を吸われ過ぎてる!!!」
バレルの声にルカはすぐに叫んだ。
「晶石を!!!!砕いてください!!!!」
紋章石は物理的に破壊されると術式が破壊され術が失効する。
オリバーの部下たちの手によって晶石が砕かれると、魔封じの結界は消滅した。
「ふんっ!!」
ルカが手を振ると舞っていた土煙が風で吹き飛ばされていく。
あの“もの”は一体どうなったのか―――
あっという間に土煙が消え失せたその場所には数体の獣が倒れ、その中心には全裸の人が一人、膝を突いて立ち上がろうとしていた。
「ロー・・・ヘンさ・・・まの・・・じゃま・・・だては・・・させ・・・ん・・・」
鋭い眼光でルカを睨み付ける白髪の男―――余分なものの一切が削ぎ落とされた鍛えられた肉体には、様々な術式が刺青として刻まれているのが見える。
「うおおおおおっっ!!!!」
獣の方向を挙げた男は凄まじい魔力を集中させていく。
一体何をしようというのか―――が、
ボンっという音と共に男が煙に包まれると、ドサッと倒れ動かなくなった。
「なにぼうっとしてんのよ」
頭上から声が聴こえ見上げる。
陽光を透かせ輝く銀色の髪―――
そして眩しいほどの美貌に輝く笑顔。
そこにいたのはスキッパーに乗ったアーシャだった。
「アーシャ・・・」
「お待たせ。男どもだけじゃ頼りないだろうから駆けつけてあげたわ」
そう言ってスキッパーを消したアーシャは地面に降り立つ。
「さて、ざっと事情は聞いたけれど詳しいことを教えてもらおうかしら?」




