第七話 レベルアップ
さて、まず作戦を考えようと思うのだが……全く思いつかない。
そもそもあのでかい方のステータス自体まだ確認を取ったわけではないので、なんなら「なんだ強くないじゃんか」なんてことも有り得る。
有り得るのだが、
「まああの感じからしてそれはないだろうな」
そう感じさせるほどの何かがあれにはあった。
きっと先程倒した小さい方のようにはいかないだろう。
なんとか良い策を捻り出したいところなのだが、何かないだろうか。
「取り敢えずステータスがわかんないとどうしようもないな」
策を練るにもまず敵を知ってからだ。
そこで俺は奴のステータスを見に行くために、二つある校門の裏口へと向かうことにした。
その途中に、ふと俺は自分のステータスが気になった。
Lv11の小さい方を倒したことできっと変動が起きているはずだ。
あれを倒したことでどれだけステータスが上がるのか、俺はわくわくしながら頭でステータス、と念じた。
=========================================
名前 秦瀬 陽太 (ハタセ ヒナタ)
Lv7
・HP 100
・MP 80
・AP 110
・DP 115
・SP 170
種族 人間
性別 男
年齢 17
スキル 『創造』
・使用者のレベルが20の倍数になるごとに、スキルをスキルボードから一つ選び、自分に付与できる。
『神魔眼』
・任意の相手のステータスとスキル、及びアイテムの情報を視ることができる。『神眼』、『魔眼』の上位種。
=========================================
「おお……」
思わず俺の口からは感嘆の声が漏れていた。MPこそまだ二桁だけど、それ以外はある程度高くなってるじゃないか! Lv7でこれってことはさっきのやつはレベルの割に大したことないやつだったのかな。
でも確かにさっきよりもよく体が動くような気がするし、これならまだ勝機はあるかもしれない
。悠斗と瑞希を守り、ついでにその他の奴らも助ける、そうなると俺に負けなど許されない。
はあ……プレッシャーに押しつぶされそうだ。
「そもそもスキル選択を大きくミスっちゃったからな。あれがかなり響いてるな」
そう、俺のスキルは本来かなりチートなスキルであるはずなのだ。
確かに俺の選んだ神魔眼も結構有用ではあるはずなのだが、普通に戦闘用ではない。
やはり最初のスキルは戦闘に関わるものにするべきだったと、今更ながら酷く後悔している。
しかし後悔していてももう遅いし、そろそろ向かおうか、そう思ったその時だった。
あちらから何か大きなものが近付いてきている。
何かとは言ってもこの状況で動き回れてあのサイズってだけで即効であれがなんなのかは想像がつく。
「謎の生物二号か。まさかそっちから来るとは」
さしずめさっき倒した奴の叫び声を聞きつけてきたのだろう。
こいつらはちゃっかりコミュニケーションを取れるから厄介だ。
まあしかしお前が助けようとしてるそいつは俺が霧散させたんだけどな。
にしても勝てそうにない。
威圧感が違う、とでも言おうか。
大きくなる上で結構人を飲み込んだのだろうか。
もしそうなのだとすれば俄然こいつは葬らなければならない。
あちらも自分の進行方向にいる俺に気付いたようだ。
そして小さいほうがいないのを探しているのか、一度立ち止まり、その後またこちらへと移動してきた。こっち見てるよな? どこ見てるかがわからないから心配になる。
「じゃあステータスでも見ようか」
相手がどれだけ強かろうと、俺は戦うと決めた。だからほんとに参考程度だ。
これを見てどう戦うかを決めよう。
俺は神魔眼を発動した。
=========================================
名前 不明
Lv34
・HP 360
・MP 50
・AP 200
・DP 200
・SP 160
種族 不明
性別 不明
年齢 不明
スキル 無し
=========================================
やっぱり強い。Lvも俺とは桁外れだ。
しかし、俺はそのステータスに勝利への活路を見出していた。
そう、さっきの奴と同じ戦闘法。
「スピードで俺のほうが速いから、避けて避けて避けて避けてタイミング見つけて斬り続けるしかねえか……」
……あーあ、持久戦が始まりそうな予感だ。
陽太君が無双してくれるのは、まだ先になりそうですね‥。
感想、ブクマ等頂けると泣いて喜びます。ご指摘などもございましたら気兼ねなくおっしゃって下さい。