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第三十話 僕のステータスとアイドル

 すみません!変な切り方しました。


 『あー、あー、聞こえているだろうか、皆の衆!』



 ……あれ、なんだろ今の声。僕は辺りを見渡すが、当然周りには期待の出来ない先生方のみで、声の主と思われる人物は見当たらない。となると可能性は……僕はテレビの方を見る。



 『聞こえてない人がいるとしても、どのみちこっちは何もわからないので、このまま続けさせてもらいまーす!』



 ……テレビの画面には可愛い系の女性が映っていた。見覚えがあるなぁ。確か……よくテレビで見るアイドルグループの……名前は確か寺嶋茉依てらしままいだったかな。かなり人気のアイドルだった気がする。クラスでも、特に男子の中でかなり話題に出る人物で、テレビでもよく目にする。



 でも、明らかに様子がおかしい。なんせ画面に映るのは彼女一人だけで、他に出演者がいるようにも見えないし、その上彼女は視聴者側に呼びかけているときた。控え目に言ってかなり異質だ。



 『今、私たちのいるこの世界の時間が止まってしまっているようなんです!』



 ああ、なるほど。現状を説明してくれているみたいだ。それにその説明をする係にアイドルを起用したという点もかなり良い判断だなあ。この国のお偉いさんの堅っ苦しい顔を見せられながらこんなわけのわからない説明をされても軽くパニックが起きるだけだろうし、それならテレビとかでもよく目にする人気のアイドルを使って説明したほうが耳にし易いだろうね。でも正直そのへんはわかりきっていることだから、もっと他の情報が欲しいかな。僕はテレビに映るアイドル――寺嶋茉依の次の言葉を待った。



 『詳しく話すと、今のところ私の周りに動ける人が誰もいないんです。収録中にみんな急に固まってしまって……出演者さんもスタッフさんも、みんな動かなくなってしまって……』



 ――今彼女は何と言ったのだろう。周りに動ける人が誰もいない?出演者さんもスタッフさんも?じゃあ彼女は誰の指示で動いているの?僕の頭の中がごちゃごちゃし始めた。



 『それで怖くなって、スタジオ中探して、でも私みたいに動ける人は一人もいなくて……。だから私と同じ目に遭っている人がいたら会って話がしたいなって思って、それで今色々と頑張って放送をしています。ひょっとしたらそもそも放送自体出来ていないかもしれません。放送なんてしたこともありませんし。ですがそれでも出来ることはしておきたかったんです』



 ……どうやら彼女も僕と同じで一人でいるらしい。つまり、お偉いさんからの迅速な指示による放送ではなくて、彼女による単独放送、ということになるのかな。単独で全国放送なんてなかなか大胆なことをするアイドルだなぁと、僕が思わず感心してしまっていると、



 『それで、他にもわかったことがあって』



 他にもわかったこと?時間が止まってしまったこと以外にわかったことか。うんうん!そういうのが聞きたかったんだ僕は。でも他にわかったことも何ももうこれ以上にどんな変化があるって言うんだろう。僕は続けてテレビの方へ耳を傾ける。



 『私が誰も動かないスタジオの中を寂しいなって思いながら歩いてたら突然、ピコって何かが見えたんです。それで、なんだろうって見てみたら「ステータス」って書いてあったんです!』



 ん?ステータス?何の話をしてるんだろうこの子。ドラ〇エの話かな?



 『そこにはHPとかMPとか……色々書いてあって。それで何なのこれ!って思ってたら、そこには私の名前が書いてあったの!』



 うん、さっきからずっと思ってたんだけど、彼女凄くアイドルなんだね。なんだか話を聞いていたくなくなるくらいキャピキャピしてるから、内容が入って来ないや。



 『他にもスキルとか書いてて、ゲームみたいだったの!その後消えてもらおうと思ったら消えて、また出てきてって思ったら出てきてくれて』



 ステータス?ステータスかあ。なんだか陽太の言う異世界みたいで、信用できないんだよなあ。でも試してみる価値は大いにあるかな。でもどうやるんだろ。出てきてって思う?ステータスに?ステータスって人なのかな、そもそも。……ステータス出てきて。



 僕はその小っ恥ずかしいことをしなきゃいけないことでかなり気は乗らなかったけど、取り敢えず頭の中で思ってみたんだよ、ステータス出てきてって。そしたら、


=========================================


 名前   佐野 悠斗 (サノ ユウト)


 Lv1

 ・HP   460

 ・MP   250

 ・AP   350

 ・DP   360

 ・SP   600


 種族   人間


 性別   男


 年齢   16


 スキル   『飛空』

 ・空を自在に飛べる。


    『短距離移動ショートワープ

 ・自分の周囲十メートル以内に移動ワープできる。


    『身体能力強化(中)』

 ・自分のステータスが強化される。


    『弓術スキル(大)』

 ・自分の弓術が大幅に強化される。


    『魔眼』

 ・任意の相手のスキルまたはアイテムの詳細を視ることができる。


=========================================


 「うわー、スキルがいっぱいだ……」


 見れちゃった上に、なんだか凄くごちゃごちゃしているね。でもみたところ、僕って飛べちゃうみたいだ。後で試してみよう。とにかく、彼女の言うことは信用しても良かったようだ。それじゃあ視聴を続けようかな。


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