第九話 流石にドン引くステータス
そういえばずっと陽太君一人で喋らせてるんですよね‥‥。早く女の子を書きたいです。もうじき出ますので、しばしお待ちを。
目が覚めると、俺はグラウンドにいた。起床時刻は一時十七分。
おっとびっくり、俺は一分たりとも倒れていなかったようだ。
「いやまあ、そんなわけないんだけどな」
夢オチなんて、そんな甘い考えは目覚めた直後にぶっ飛ばされた。
なんせ周りを見渡せばボロボロになったグラウンドと、奥には大きくひび割れた校舎。
その光景はさながら世紀末だ。
どうやら俺は本当にあれを倒したらしい。
体には戦いの勲章である傷があちらこちらに刻まれているが、血は引いているようだ。
さっきステータスを確認したんだがかなりレベルが上がっていたし、なんかよくわからんが俺の『神魔眼』が覚醒していた。
こういうのはまだ先までとっておくべきだと思うんだが、最初からあそこまでピンチになっちゃえばそれも仕方がないだろう。それよりも、
「これでやっと新しいスキルをゲットできるぞ!」
新しいスキルの追加だ。
俺の固有スキル『創造』の能力は、レベル20の倍数になる度にスキルが得られるってやつだったはずだ。
それで今の俺のレベルが26、つまりレベル20を超えた俺はまた一つスキルを得られるということになる。
前回は得られるスキルの選択を誤ったが、今回はそうはいかない。
前回の失敗を教訓にして本気で選ばせてもらうとしよう。
ここだけの話、もうほぼ決まっているのだが。
俺が思ったことは正直たった一つ。
ステータスが大事だということ。
正直強いスキルがなくとも、物理でゴリ押しすれば勝ててしまうと思う。
それにもし仮に俺が強力な魔法を使えるようになったとして、今の俺のMPじゃ十分に扱えないだろう。
そこで、今回はステータスが上昇するスキルを付加しようと思う。
「スキルボードっと……」
俺は『創造』を発動した。
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~スキル一覧~
『身体能力強化』(絶)
・自分のステータスが絶大に強化される。(レベルにして100ほど上昇)
『身体能力強化』(大)
・自分のステータスが大幅に強化される。(レベルにして50ほど上昇)
・
・
・
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身体能力強化系は他に(中)と(小)があったが、見るまでもなかった。
てか(絶)の存在を知った上で選ぶ奴なんかいないだろ。
そして俺はそのあと最後の確認をした後『身体能力強化』(絶)を選択した。
失敗は許されないからな。
かなり慎重に選んだつもりだ。
(スキル『身体能力強化』(絶)をハタセ ヒナタに付与しました。なお、この決定を取り消すことはできません)
前回同様、やや機械じみた女性のアナウンスのような声が俺の脳内に響いた。
よし、それじゃあ早速ステータスを確認だな。
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名前 秦瀬 陽太 (ハタセ ヒナタ)
Lv26
・HP 2480
・MP 1270
・AP 1900
・DP 1870
・SP 2530
種族 人間
性別 男
年齢 17
スキル 『創造』
・使用者のレベルが20の倍数になるごとに、スキルをスキルボードから一つ選び、自分に付加できる。
『神魔眼』(覚醒)
・任意の相手のステータスとスキル、及びアイテムの情報を視ることができる。『神眼』、『魔眼』の上位種。(覚醒時効果=脳を活性化させ、知覚速度を高速化する)
『身体能力強化』(絶)
・自分の全ステータスが絶大に強化される。(レベルにして100ほど上昇)
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「うおおおっ!!」
流石にこれは興奮せざるを得ない! なんだこの驚異のステータスは! 攻撃力なんてさっきのやつの十倍近くあるぞ……。
強すぎじゃねえか? とんでもないインフレだ。
それからスキルの説明からして、今の俺は実質Lv126と思って良いわけだ。
でも内心あまりステータスが上がったという実感が無かったりする。
何とか確認できないかな……。
「あそこまで走ってみるか!SPの確認だ」
俺はだいたい200か300メートルは離れた校門を目指して走ることにした。
どうせあそこから出て行くわけだし、物のついでってやつだな。
オリンピック等でも有名な某陸上選手が100メートルを9秒程で走るというのを考えれば、校門までの距離を300メートルとしたとして、俺のステータスなら10秒ほどで走れれば上出来かな……なんかわくわくしてきたぜ。
「じゃあ行くか。位置について‥‥‥」
なんだか無性に寂しいが、自分で合図をすることとする。
「よーーーい‥‥‥」
これであまり速くないとかだったらけっこうキツイな。
全力で走ろう。
「ドンッ!」
さあ、スタートの合図を……そう思ったときにはもう俺は校門に着いていた。
「へ……?」
思わずその場で呆然と立ち竦む俺。
振り向けば大量の砂埃が俺のスタートの位置からここまで一直線に伸びている。
もう一度確認するが、俺はスタートの合図を切った後すぐに、校門の前にいるのだ。
流石に一秒はかかったかな? それくらいの速さをたたきだした俺自身、正直ドン引きしていた。
これはないだろ……これじゃあまるでそう……人外じゃないか。
という感じにまあ、どうやら俺はあまりにもアレなスキルを手に入れてしまったようだ。
やっと無双の兆しが見えてきましたね!
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