川口君と川口ちゃん 【4/6】
今回は川口ちゃんが登場します。
前回に引き続き帰宅後のお話です。
綾瀬さんは今回空気で、川口ちゃんと川口君中心となります。
ではではお楽しみください!
うきうきしながら家に着く。
しかしそれも家の電気が点いていることで一気に冷めかける。
最悪だ…いるのかよあいつ…
ドアを開けようとした瞬間バタバタと音がする。
「ただい…」
「遅いよおにーちゃん!始業式だけでしょ!?何やってたの!」
相変わらずキンキンうるさい声だ。
こいつは川口英里華。実の妹ではなく、いとこの子だ。うちは母さんと父さんが海外で働いているため、家では俺1人なのだがそれでは可哀想だといとこの英里華がたまに泊まっていく訳だ。英里華の家はここから徒歩10分程度のところにあるので高校も俺と同じだ。
「だからなんでお前は俺の家に勝手に入れるんだよ!?ゆっくり休めないから出て行ってくれ!」
「せっかく来たのに酷くないお兄ちゃん!?可愛い可愛い妹が来たんだよ!?これはフラグだよ!ねぇ!」
なんなんだこいつ…疲れる
とりあえず無視して部屋に荷物を置いて風呂を済ませる。
その間英里華は手馴れた様子で料理を作る。英里華は今高1に上がったばかりで中学では家庭科部の部長をしていただけあって家事の手際が恐ろしくいい。黒髪のショートヘアで中途半端に可愛いせいで中学の時は相当モテモテだった。俺に対してお兄様!とか言って来る奴もいるレベルだ。
という訳でこいつが居ると最高に疲れる。だが風呂の湯加減が良かったり、飯が美味かったりと良いこともあるので文句は言えない。
風呂から上がり、リビングへ向かうと良い匂いがする。これは…和風ハンバーグかな?
「あ、おにーちゃん!今日は和風ハンバーグだよ!おにーちゃんの好きなものを妹はちゃーんと把握してるのですっ!」
和風ハンバーグは大好物だ。母さんが帰ってくるときはいつも作ってもらっている。
「はいはい!早く食べよっ!」
2人でテーブルについていただきますと言ってから食事を始める。
美味しい。自分で作るのとはレベルが全然違う。そういえば昼何も食べてなかったからご飯が進む。
「はいっおにーちゃん!あーんして!」
そう言って自分の箸でハンバーグをつまんで差し出してくる。この前断ったら泣かれたので仕方なく受け取る。
「ん。うまいよ。」
「ほんと!?やった!なんかお嫁さんみたい!」
「やめろよ…」
食事を終えたあとスマホを開くと綾瀬からLINKが来ていたことに気付く。
「今日はありがとう!まだ学校について分からないことばかりなので明日の放課後に校内案内をしてくれると嬉しいのですが…お願いしますっ」
「もちろんだよ。じゃあ明日の放課後の予定空けとくね!お休みなさい」
思いがけず綾瀬とデートする機会を手に入れた。
その後は適当にテレビを見て英里華がセットしておいてくれたベットで寝る。
「英里華ー寝るぞ。お休み」
「あ、うん!お休み」
ん?やけに静かだな。まぁいいとっとと寝よう。
寝室へ行き、電気を消してベットに潜る。ふかふかしていてすぐに寝れそうだ。
ガチャ
ん?何の音だ?
すっすっ
誰かの足音が聞こえた気がする…気のせいか
ぽすん。
……今誰かベットに腰掛けたよな?
「ねぇ、お兄ちゃん。起きてる?」
英里華!?なぜ入ってきてる!?薄目を開いて見てみると…っ!!なんでそんな露出度の高い服なんだ…っ!しかも英里華のバニラみたいな香りが…やばいぞ
「あ、あのさっ高校生になったしさ…、そのー今まで我慢してたけど…少しだけそういうことしてもいいかなって…思って…あはは」
まずい。こうなったら狸寝入りをしてやり過ごすしかない。
「お兄ちゃん…お兄ちゃん?寝てるのかな?あ、あれっ。は、恥ずかしいなっ、お、お休み!」
あ、危ない…最後はよく分からないがテンパって勝手に出て行ってくれたからラッキーだった。
英里華…要注意だな。
いかがでしたか?
個人的には英里華はかなり気に入ってるキャラなので今後も出していこうと思っています。
いやぁ妹キャラいいですね!
みなさんは妹キャラといえばどの作品のどのキャラを思い浮かべますか?
さてさて次回は校内案内です。
これが終われば少し時間が飛んで誕生日編、夏祭りアンド花火編などと続きます。
それではまた今度お会いしましょう!