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雨中の惨劇

 ファラードの率いる遊撃隊の全滅の報せを受け、真っ先に黒衣の集団による襲撃だと理解した。

『空蝉』を使い、アサシンからの追撃を逃れたファラードが『伝心』を使い、私にアサシンからの襲撃により遊撃隊の全滅を伝えてきたのであった。

 想定はしていたことであったが、襲撃が報せを実際に受けると震えが止まらなかった。

 王都を発ってから幾日が経過していたが、一度たりとも黒衣の集団による襲撃の可能性を忘れることはなかった。常に襲撃の可能性を考慮し最善を尽くしてきたつもりでいた。

 しかし、現実には一瞬にして遊撃隊を全滅させられたのである。

 ファラードに事前に『空蝉』を手渡すことで、ファラードの命を救う事は出来たが、他の哨戒隊や遊撃隊には黒衣の集団による襲撃の可能性を伝えてはいなかった。黒衣の集団による襲撃が同時多発的に行われる恐れがあるので『伝心』を使い、各哨戒隊に襲撃の事実を伝える。各哨戒隊の反応は様々ではあったものの、王国の精鋭を集めただけあり、動揺は皆無であり、各哨戒隊からは次の行動の指示を仰ぐ内容や有効な対応策を提示してきたりと、士気の高さが窺えるものばかりであった。

 しかし、良い事ばかりではなかった。

『伝心』での意見交換の最中、北面の哨戒隊からの『伝心』が途切れ、時を同じくして東面の哨戒隊からの『伝心』も途切れた。

 考えられる要因は唯一つ。

 ファラードの遊撃隊が襲撃された位置から考えると、黒衣の集団は北東方面から襲撃を開始しているようであった。しかも、哨戒隊からの『伝心』が一方的に途絶していることから、不意に襲撃を受け、有効な反撃は一切出来ていないようであった。

「各哨戒隊及び遊撃隊に告げます。北と東面の哨戒隊からの『伝心』が先程途絶えました。黒衣の集団による襲撃だと考えられます。各隊に於いては、襲撃に備え、非番の者も含め戦闘態勢を取って下さい。繰り返します。各隊に於いては、黒衣の集団による襲撃に備え、非番の者も含め戦闘態勢を取って下さい」

 そしてファラードが戦線離脱した現在では副隊長が空位となっているので、私を補佐する騎士を指名しなければならなかった。

 ファラードは戦闘経験も豊富で、騎士としての技量も慥かであり、従騎士への仕官も時間の問題だと思われていた人物であったが、その後任となると、人選が難しい。しかしことは急を要していた。しかも対峙しなければならない相手はゴブリンでは無く、黒衣の集団である。暗殺術を極めた彼等と互角に渡り合うには相当な実戦経験を積んだ騎士ではならない。そこで、年齢こそ四十代と少し騎士としての峠に差し掛かってきた感はあったが、実戦での経験を考慮して、第六騎士団のスモルツを副隊長に指名することにした。

『伝心』でスモルツを呼び出す。

 彼は年齢も考慮して哨戒隊への配属を避け、野営地での非番に廻していた筈であった。 スモルツからの返信は直ぐにあった。

「旦那。大変なことになっているようだな。旦那の云う通りこれは間違い無く、黒衣の集団による襲撃と考えて良いだろう。急いで対応策を練る必要があるが、恐らく、この人数を相手にしようって奴らだ。これは痺れる戦いになりそうだ」

 歴戦の勇士だけあり、この戦況に於いても余裕が窺えた。

「ファラードさんが既に襲撃を受け、戦線を離脱しています。事前に『空蝉』を渡していたので、追撃は逃れたようですが、戦線に復帰するのは難しい状況です。スモルツさんは以前に黒衣の集団と対峙した経験があると訊いていますが、対応策はどの様に考えますかか?」

「そうだな…… 黒衣の集団は所謂、アサシンの集まりだ。アサシンっていうのは暗殺術に特化した連中で、通常の剣よりも短いダガーを好んで使うし、哨戒隊のやられ方からすると、矢張り得物はダガーで間違いないだろう。となると、レザーアーマーで着込んでいる哨戒隊の連中では、荷が重いかもしれないな」

「というのは?」

「レザーアーマーはゴブリンとの戦闘を想定して、兎に角、動き易さに重点に置いた装備で、刃物に対する耐性は高くない。まあ、要するに刃物を持った相手との戦闘は想定していなかった訳だ。そこにダガーを持ったアサシンが現れて対応させるっていうのは酷なもんだな。先ずは現存している哨戒隊を野営地まで下げて体勢整えることが先決だな。その次は装備の交換か。慥か聖騎士団から拝領しているマジックメイルが荷車にあった筈だが、それをありったけ装備させる。そしてヒーターシールドを持っている騎士を前面に並べる。兎に角、防御主体の陣形で対応をするしかないでしょうな」

「了解です。早速、その様に手配しましょう」

「次善の策としてはこの程度しか手の打ちようが無い、というのが現状でしょうな。そして、アズダルクの領主、ランベルト様にも援軍を要請された方が良いでしょう。元々はアズダルクの騎士団を労う為に今夜の哨戒を申し出たものの、結局、彼等の手を煩わせてしまう事には抵抗を感じますが、緊急の事態故、仕方ないでしょう。しかし、旦那。黒衣の集団の目的に何か心当たりはお有りですか? 彼等が何の目的も無く、イズガルドの騎士団を襲撃するとは考え辛いのですが」

「その点に関して私も、自分自身を納得させる回答がありません。実はセンチュリオンを経つ前から黒衣の集団に関する情報はあったのですが、どれも決め手に欠いたものばかりで。一番、有力な情報として挙げられていたのは、開戦派が先遣隊の和平交渉の妨害の為に、黒衣の集団の手を借りるのでは、というのが挙げられていましたが、黒衣の集団というのはノルガルドの諜報機関です。幾ら何でも、そこまで他国の内政に干渉するような行動をとるか。これは銀十字聖騎士団のなかでも賛否が分かれるところでした」

『伝心』での会話であったが、スモルツが腕組みをして眉間に皺を寄せている姿が想像できる。

「うーん。それは如何ともし難いですな。相手の目的が明確であれば、その目的に対して防御するようなことを考えれば良いのですが、相手の目的が判らないとなると、防御のしようがないですな」

「それでも先遣隊を襲ってきたことには変わりは無いですからね。目的は和平交渉の妨害とみても、強ち間違っていないと思います。となると、黒衣の集団の一番の狙いは、グレン宰相ということになりますね」

「ちっ。グレンの野郎はいけ好かない野郎だったけど、命を狙われるっていう話しなら、仕方ない。我ら第六騎士団の誇りに賭けて御守りせねばなるまい」

「ええ。勿論です。この様な非道な遣り方に対しては、正義の力を存分に見せる必要があるでしょう。私も銀十字聖騎士団の従騎士として彼等に正義の鉄槌をお見舞いせねば」

 私は誇り高き銀十字聖騎士団の従騎士。

 相手が如何に強大であろうとも屈する訳にはいかないのであった。

「おお、その意気ですぞ、旦那。黒衣の集団が『追跡』に掛からないのは、恐らく『ヒドゥン』によって『追跡』に対して反応しないようにしているからです。しかも『ヒドゥン』は『空蝉』と同様に目視し辛くなるという特性も併せ持っています。雨天の深夜では目視で姿を見つけるのは、不可能といっても良い状況でしょう」

「その点については、実は手を打ってあります」

「流石は従騎士殿。抜かりは無いようですな。拙者は身支度が整いましたので、荷車のマジックメイルを非番の騎士に配って廻るとします。『ヒドゥン』で移動している時は歩く程度の速度でしか移動出来ないので、ここを襲撃するには時間が掛かる筈です。それまでに出来るだけマジックメイルを装備させて相手の気勢を削がねば。では、これにて失礼」

 スモルツはそう云い残すと『伝心』の会話を終わらせた。

 スモルツの云う通り、黒衣の集団が野営地まで到達するのに、あと数十分は掛かる見通しではあるが、それでも時間があるとは言い難い。

 野営地で食い止めなければ、領主館に滞在しているグレン宰相の命が危ない。私もアイヴィス様から拝領したショートソード、ライトブリンガーを手に取る。

 ライトブリンガーは聖なる鉱石から鍛えられた逸品で、奇跡の力も封じ込められており、刃毀れの類は一切無く、その切れ味は永遠に続くのではないかと思われるほどであった。そして鎧は、銀十字聖騎士団の証である銀の十字が象られたレリーフが右胸についたプレートメイルを纏っていた。このプレートメイルも聖なる鉱石から作られており、強度は通常の金属とは比較にならないほど硬く、靱性にも優れているばかりではなく、重量もレザーアーマー並と驚くほど軽量に作られていた。

 準備は万端。既に戦いの火蓋は切られている。如何に黒衣の集団が相手であろうが、野営地を落とさせるわけにはいかない。決死の覚悟を決めた私は再度『伝心』を使って全てに騎士に向かって告げる。

「正にいま、戦いの火蓋は切って落とされた。我らは全てのイズガルド騎士団の誇りに賭けて、この局面を打破しなければならない。愛する者がいるものは別れを告げよ。故郷に護るべき者がいるものは、後のことは騎士団に任せよ。今、我らは眼前に迫る黒衣の集団と対峙することに全力を注がねばならない。皆、心を一つにして立ち向かうのだ。騎士団の誇り。王国の盾として全ての誇りを賭けて、黒衣の集団を駆逐するのだ!」

 おおおお、と地響きにも似た鬨の声が野営地の各所からあがる。

 士気は高い。

 怯む事を知らない騎士団の反撃が始まろうとしていた。


「なんでしょうね。今更、士気を高めたところで、既に勝敗は決したようなものなのですがね」

「まあ、そう仰らないで下さい。オクスレイ殿。イズガルドの連中は強がっていますが、直に現実を直視しなければならない事に未だ気がついていないのです」

「ふふ。それは無様だな。それでは、私は街にいる聖騎士が出てきたら相手をすることにしよう。こんな田舎の騎士共では相手をするのも億劫だしな」

「御意に。私は鼠どもの駆除を行います故、気兼ねなく聖騎士とお戯れなさって下さい」

「久々に聖騎士と相見えることが出来るので血が騒ぐ。しかし、聖騎士といっても五十がらみの中年聖騎士ではな…… 張り合いが無いわ」

「では、早々に始末されて、ここの援護をお願い致します。流石に鼠と云えども百匹を相手にするのは骨が折れる作業になりますので」

「お主にしては、弱気な発言ではないか。まあ、案ずるな。聖騎士など相手にならぬわ。直ぐに片付けて、そなたの援護に向かってやる。一人でも多くの血をみたい気分だしな」

 男は残虐な笑みを浮かべ、闇夜に姿を消した。


「やられた……」

 鬨の声をあげ反撃の体勢を整えた直後の出来事であった。

 西面の哨戒隊と遊撃隊が黒衣の集団による襲撃を受け『伝心』が途絶えた。

「襲撃された位置から考えると、東面を襲った黒衣の集団とは別の部隊でしょうな」

 すかさずスモルツから『伝心』が入る。

「複数の部隊が展開しているとなると、かなり厄介な事になりますね。相手の位置が『追跡』で掴めない以上、襲撃の時機は相手次第になりますから。多方面から一度に襲撃されると野営地は恐慌状態に陥ることになりかねません」

「まあ、もう焦っても仕方あるまい。マジックメイルは配り終わったところだ。今はそれぞれで装備しているから、あと数分。あと数分の時間が稼げれば迎撃の態勢が整うぞ」

「数分であれば、時間は稼げると思います」

「宜しく頼むぞ、旦那。あとは旦那の作戦に掛かっているんだ。しっかりと頼むぞ」

 スモルツの言葉に責任を強く感じた。もう既に自分の判断が隊全体の命運を握っているという責任に押し潰されそうであった。

 襲撃の間隔と位置からすると襲撃者は四隊に別れている筈であった。

 四隊が同時に野営地を襲撃すれば、一網打尽できる筈であったが、襲撃の時機をずらして一隊だけ侵入されたりすると対応は困難を極める事が予想された。

 そして、イズダルクへ送った伝令からランベルトからの返答が返ってきていないことも気がかりであった。

 相手は、黒衣の集団であり、騎士団では手に余る存在である事は明白であった。

 現状では護衛隊の指揮の延長として私が指揮を執っているが、本来であれば聖騎士であるランベルトに指揮を執るべき事案である。

 そこへ南面に展開していた哨戒隊が野営地に戻ってきた。

 南面に展開していた哨戒隊は、野営地から一番近い位置にいた哨戒隊であったが、黒衣の集団の襲撃を恐れ慎重に帰投したのであろう。

 哨戒隊の隊員の顔からは尋常では無い疲労の色が窺える。

「第一哨戒隊、只今、帰投しました。報告します。野営地を西面に展開していたと思われる第四哨戒隊の遺体を西面にて発見しましたが、傷口からすると、致命傷は何れもダガーによるバックスタブと推測されます」

 帰投してきた哨戒隊の隊長、ハモンズが戦況を報告する。

 驚いたことに第一哨戒隊は、黒衣の集団からの襲撃を警戒して帰投が遅れたわけでは無く、西面に展開していた第四哨戒隊の襲撃された地点まで進み偵察をしてきたのである。

「でかしたぞ、ハモンズ。相手はやはりバックスタブを頼りに一撃で仕留める作戦のようだ。であれな、マジックメイルを装備した騎士が圧倒的に有利。相手のダガーの攻撃さえ防げれば、我が軍勢が圧倒的に有利ですぞ」

 既に戦闘に勝利したかのようにスモルツが云う。

「よし。では、マジックメイルを装備した騎士は全員で円陣を組んで下さい。死角が生じないようになるべく密集し、そして円陣の内側にはレザーアーマーの騎士を配置して下さい。そして、内側の騎士は『神罰』を何時でも放てるように準備をお願いします。黒衣の集団は『ヒドゥン』からバックスタブを放つ際に必ず姿が見える瞬間があります。その瞬間を狙って『神罰』を放つのです。至近距離からの『神罰』は躱すことが困難です。焦らず一人一人削っていけば、必ず勝機が訪れるでしょう」

 私は味方を鼓舞した。

「その意気ですぞ。アルバート殿」

 不意に背後から声を掛けられる。温厚そうな面持ちながら、歴戦の勇士のみがみせる頼もしい存在感のある風貌の男であった。

「アルバート殿とは初めてお目に掛かるかな?」

 男は目を細めながら続けた。

「では改めて挨拶させて頂こう。私がアズダルクの領主、第十一聖騎士ランベルトである。貴殿の助太刀に参った。さあ、共に黒衣の集団を蹴散らそうではないか」

 威風堂々とした佇まいは、正しく聖騎士としての風格を感じさせた。

「助かります。ランベルト様。私は第三聖騎士の従騎士、アルバートです。黒衣の集団は直ぐそこまで迫ってきていると思われます。現在、円陣を敷いて黒衣の集団のバックスタブを無効化したところで『神罰』で迎え討つ作戦の準備をしているところです」

「ふむ。なるほどな。慥かにダガーによるバックスタブはそれで回避できると思うが」

 腕組みをし首を捻るランベルト。

「黒衣の集団がバックスラブだけを頼りに襲撃してくるとは考え辛い。まだ、何か策を持っていると考えた方が良さそうだな」

「慥かにご指摘の通りなのですが、バックスタブを先ず封じないことには、次の手が打てませんし」

 と言い掛けたところで、野営地の外で強く線状の発光が幾つもあがった。

「掛かりました! 奇跡の品『結界』に黒衣の集団が引っ掛かりました。これで一時的に彼等は『ヒドゥン』が使えなくなります。そして」

 タタターンと短い間隔で火薬の炸裂する様な音が谺する。

 私は自分が仕掛けた罠に黒衣の集団が掛かった事に満足し、

「これは奇跡の品『火線』による攻撃です。『結界』に反応した相手に対して『火線』を浴びせるように仕掛けておきました。黒衣の集団と云えども『ヒドゥン』を封じてしまえば、軽装の兵に変わりはないですから『火線』による集中砲火に耐えられるとは思えません。この作戦はアイヴィス様が授けて下さったものですが、上手くいったようです」

「なるほど、流石は第三聖騎士、アイヴィス殿だ。これなら如何に相手が黒衣の集団であろうと只では済まないであろう。しかも我々は全く危険に晒される恐れが無く、一方的に攻撃を加えるとは。誠に恐れ入ったわ」

 ランベルトもアイヴィスの作戦に感嘆しているようであった。

「しかし、今の攻撃で黒衣の集団が全滅したとは考え辛い。まだ、残存戦力が在ると見込んだ方が良いだろう。そして今の混乱に乗じて一気に勝負に出ようではないか。円陣はこのまま解かずに『結界』の反応があったほうに早急に向かおう」

「そうですね。このまま前進して勝負を一気につけてしまいましょう」

 私もランベルトの提案に賛成だった。如何に黒衣の集団であろうとも混乱している筈である。そこに完全装備の騎士が襲撃を掛ければ、ダガーなどの装備しかない黒衣の集団では壊走するしかないと思われる。体勢を整えられる前に一気に勝負に出るべきであった。

「全護衛隊に告げます。これより黒衣の集団を掃討するべく『結界』の反応があった地点に前進します。『結界』により『ヒドゥン』は封じていますが、黒衣の集団がこのまま反撃も無く壊走するとも思えません。よって、僅かな異常でも発見したものは直ぐさま報告をあげて下さい」

 全隊に前進の命令を下す。私とランベルトは円陣の中央に位置し、スモルツは円陣の後方に陣取り、全体に異変が無いか目を光らせていた。

『結界』の反応があった地点はそれほど離れていないところであった。もともと野営地自体がそれほど大きくは無いので、昼間で在れば目視で様子を窺える程度の距離である。『火線』から放たれた火球が地面に幾つも小さな孔を開けているのが確認できた。

「地面に『火線』の跡があるということは」

 この光景に違和感を感じる。

『火線』による火球が地面に孔を穿ち、煙を上げている。

 しかし、そこには在るべきものが無かったのである。

「おかしい。地面には『火線』による痕跡が幾つも認められるのに、その『火線』により傷を負った黒衣の集団が一人も見当たらない。真逆、全て躱しきったとでもいうのか」

「嗤わせるな小僧。この程度で黒衣の集団を出し抜けるとでも思ったか」

 背後から突如として聞き慣れない声がした。

「ここで死に逝くおまえらに冥途の土産として私の名前を教えてあげよう。私の名前はオクスレイ。黒衣の集団の副団長をしている者だ。グレン先遣隊の皆様はここで全員始末させていただく」

 オクスレイの言葉と共に躰の自由が奪われる。

 周囲を見渡すと円陣を組んでいる騎士達が全員、躰の自由を奪われているようだ。

「くくく。イズガルドに連中は愚かと聞いていたが、ここまでとはな。バックスタブを警戒して円陣を組んだが『パラライズ』に対して無策とは。冗談にも程がある」

 不覚だった。

 黒衣の集団が用いる暗殺術に『パラライズ』と云う強力な暗殺術があるのは知っていた。『パラライズ』とは短い針状のばらまき、その針に掠っただけで全身が麻痺し、一定時間行動が不能になる恐ろしい暗殺術である。その短い針は視認が困難で躱すことが難しいだけで無く、一定範囲内に一度にばらまけるので、密集陣形を取っている相手を一度に行動不能にすることが可能であり、一対多が不得意であるアサシンにとっては、この状況を一気に有利にできる切り札的な存在であった。

「おや? 流石は聖騎士ランベルト殿。あなただけが『パラライズ』の対策をしていたようですね。感心ですねぇ」

 挑発するようにオクスレイが云う。慥かに隣にいるランベルトだけは躰の自由がきくようである。

「ふっ。この程度の『パラライズ』など、特に対策などせずとも無効化できるわ。若造、余りいい気になるなよ。この第十一聖騎士ランベルト。聖騎士の名に掛けて、そなたを成敗して進ぜよう」

 勇ましく吼えたランベルトが、獣の様な俊敏な動きで円陣を乗り越え、オクスレイに襲いかかる。その動きの速さは、通常の騎士では有り得ない速度であった。恐らく何らかの奇跡の力を行使しているのであろう。

 しかし、その常軌を逸した速さを前にしてもオクスレイは臆することも無く、

「そうでなくては楽しくありませんね。さあ、ランベルト殿はここにおいで下さい。私と共に踊ろうではありませんか」

 ランベルトを初撃をフワリと躱したオクスレイはまるで踊っているかの様に両手に手にしているダガーでランベルトに襲いかかる。

 キンキンキンと金属が激しくぶつかり合う音が響き渡る。

 ランベルトも流石は聖騎士である。凄まじい速度で襲いかかるダガーをショートソードで全て弾き返すだけでなく、時折、フェイントを交えていた。オクスレイの躰をショートソードが掠める。

 二人の剣戟は激しさを極めていたが、気がつくと、円陣を構成していた騎士の大半が切り刻まれていた。

「黒衣の集団が私、一人の訳が無いであろう。『パラライズ』で自由を奪われた騎士など、幾らマジックメイルで躰を覆われようと、急所を一突きで始末できるわ」

 ランベルトとの戦闘を最中であるオクスレイが声をあげる。

 恐らく黒衣の集団は既に『結界』の影響から解放され、再び『ヒドゥン』が使える様になっていたのであろう。眼前には姿が見えないものの、一人二人と次々に騎士達が倒れていく。

「アルバート殿、オクスレイは私に任せて、一旦、ここは退却するのだ。アズダルクの城門には幾重にも『結界』が張り巡らされているので、こやつらは侵入することは出来んが、城門は開ける訳にはいかん。アレウス山脈の方の峠道に逃げるのだ」

 ランベルトから『伝心』が入る。流石の聖騎士も、オクスレイの相手で精一杯で他の黒衣の集団を相手にするのは困難な状況であった。

 よって、退却は妥当な判断だと思われる。

「了解です。ランベルト様。『パラライズ』の影響はじきに解けそうなので、解け次第、退却します」

 退却するにも『パラライズ』の影響で躰の動かせなかった。それにはランベルトが、

「そうかそうか。忘れておったわ」

 と言うと、シールドを装備している左手を高く挙げ、奇跡の力を行使する。

「聖なる光の加護よ。彼等を解き放ち給え」

 黄金に光輝いた左腕を振り下ろすと、光の柱が円陣の中央に聳え立つ。

 その黄金の柱から漏れる光により次第に躰の自由がきくようになり、躰の底から力が無限に湧いてくる。奇跡の力『聖なる光の柱』であった。治癒系の奇跡の力では奥義とも云える存在であり、効果は直ぐに現れた。

「ありがとうございます。躰は動くようになりました。相手の数は十二人のようです。先程から『追跡』に反応が出るようになりました。もう既に我々など眼中に無いという事なのでしょう。油断している相手に対して退却することは容易です。ランベルト様もどうかご無事に。御武運をお祈りしております」

 私はランベルトに『伝心』で伝えると、神経を次の一撃に集中し、ショートーソードを地面に突き立てた。

「神よ。我に御加護を!」

 光の渦が発生し、周囲を黄金の光が満たしてゆく。

 奇跡の力『光渦』

 第三聖騎士アイヴィスより伝授された奇跡の力ではあったが、黒衣の集団に通用するような奇跡の力ではなく、一瞬の油断を生じさせる程度の効果しかなかった。

 水平方向に拡がる『神罰』の粒を躱すには上方か下方に躱す必要があり、『ヒドゥン』の状態では躱しきれない。

 光の渦に曝され、次第に姿を見せる黒衣の集団のアサシン。

 その姿は全身を黒く染め上げられたレザーアーマーを身に纏い、手にしているダガーの複雑に湾曲した形状が残忍な性格を現している。

「よし! 残っているものはアレウス山脈に向かって全速で退却せよ! ここはランベルト様に任せるのだ」

 退却の命令に反応し、全力で走る騎士達。

 退却に応じた騎士の数を数えると僅かに十三人。

 しかし、僅かに残った騎士の中には、スモルツやハモンズの顔を見える。彼等が無事で在ったことに安堵したが、百名を超えた護衛隊が十三名に減っていることに自身の力量の無さを強く感じた。

「すまない。私の作戦のせいで多くの犠牲が生じてしまった。この責任はいずれとりたいと思う。しかし、ここは残った全員で、必ず退却してみせる!」

 十三名まで減ってしまった騎士ではあるが、黒衣の集団に対して有効な反撃手段があれば、まだ望みはある。

 黒衣の集団に対する反撃手段を求め、アレウス山脈の峠道を駆け上がっていった。


「イズガルドの聖騎士とは一度相見えてみたいと常々思っていたが。この程度とは、残念で仕方がない」

 余裕の表情で、ダガーを繰り出すオクスレイ。

 その両腕から繰り出させるダガーの速度は衰えるどころか、次第に速度が増し、時折、ダガーがランベルトのマジックメイルを掠めるようになっていた。

「云うではないか、若造。お主のダガーが幾ら速度を上げようとも、私のマジックメイルを貫くことは出来ん。我がマジックメイル、白炎は至高の品。如何に奇跡の力を封じ込めたダガーであっても、傷一つ付けることなど出来んわ」

 ランベルトの装備している白炎は至高の品と謂われ、王国内でも名の知れた逸品であった。元々、防衛を主とする戦いを得意とするランベルトであったが、白炎を装備するようになってからは、更にその戦いに凄みが増し、歴戦に聖騎士として名の知れる存在となっていた。

「ハッ。 慥かにお主の戦い方は、まさに亀のようだ。全く以て美しくない。この世で美しくない戦いなど許しては於けぬ」

「若造、口だけはその辺にしたほうが良いぞ。我が戦いは防御だけで聖騎士となった訳ではないぞ。本当の聖騎士の力を思い知るがよい」

 ランベルトが言い終わると、ショートソードを装備している右腕を振り上げる。

 光の輪が幾重にも右腕に宿る。黄金の環が右腕から次第にショートソードへ移っていく。ショートソードが黄金の光に包まれる。

「これが貴様に躱せるかな? 神よ! 我に正義の力を与え給え!」

 掛け声と共に振り下ろされるショートソードの切っ先から刀身の形をした光の塊が放たれる。

 奇跡の力『正義の鉄槌』

『神罰』とは比較にならないほどの光の粒子を圧縮した聖なる光の刀身を放ち、相手を襲う奇跡の力。光の力を圧縮することで威力は桁違いに増幅し、威力の点では『神意』を大きく上回るものがあった。

『正義の鉄槌』の光の前にしてオクスレイは両手のダガーを投げ捨てる。

 次の瞬間、光の刀身がオクスレイを飲み込み、その全身を焼き払う。

「ふっ。黒衣の集団といえども我が奥義『審判』の前に屈するしかあるまい」

 勝利を確信したランベルト。

 白炎による鉄壁の防御と『正義の鉄槌』による圧倒的な火力が彼の最大の武器であり、治癒系の奇跡の力にも長けた彼は、アズダルクという前戦において遺憾なくその力を発揮させていた。

「厄介なオクスレイを始末したので、そちらに合流するぞ。アルバート殿、暫く持ちこたえるのじゃ。残った騎士の力を合わせれば、たとえ黒衣の集団が相手であろうとも、持ちこたえられる筈じゃ」

 アルバートに『伝心』で伝えるランベルトであったが、次の瞬間、彼の背中から黒い焔を纏った拳が胸に向かって貫かれた。

 胸から大量の血を吹き上げるランベルト。絶対の防御を誇る白炎が黒い焔を纏った拳により貫かれた事実を受け入れられない様子であった。

「戦いの最中に余所見は厳禁ですよ、ランベルト殿。しかし、流石は聖騎士といったことろです。私にこの『黒焔』を使われたのはあの方以来の快挙ですよ」

 ランベルトの胸を貫いた右腕の焔が更に燃え上がる。

 余りの苦痛に顔を歪めていたランベルトであったが、燃え上がる『黒焔』の苦痛に飲み込まれるように絶命した。

「さてと。そろそろ、あの方が合流する頃合いですね。私の方が少し手間取ってしまいましたが、あの方なら、赤子の手を捻るよりも容易いでしょう。私は鼠の後始末をした後にゆっくりと合流させていただきましょうかね」

 そう云い残し姿を消すオクスレイ。

 その後、野営地に残っていた騎士は残らず『黒焔』により惨殺されていた。


 ランベルトの反応が消えた。

 その事実が何を物語っているか理解するのに時間は掛からなかった。

 あのオクスレイが追ってくる。ランベルトを倒すほどの手練れのアサシンである。残念ながら自分との力量の差は歴然である。

 しかも、黒衣の集団に対する有効な対応策は未だに見いだせないままでいた。

 ここで終わるのか。

 漠然とした思いが頭を過ぎる。しかし、ここで終わる訳にはいかない。

 王都には遺してきた弟、ギルバートもいる。

 ギルバートは今頃、何をしているだろうか。

 エリシアやケインが一緒なら心配ないだろうが、ギルバートはどこか気が抜けているところが在るというか、絶えず気に掛かる存在であった。

「ギルバート、待っていろよ。きっとこの窮地から無事に生還し、またおまえに会える日が来ることを信じているからな」

 苦しい状況ではあったが、弟との楽しい日々を思い活力に変える。

「アルバート殿、峠道に入りましたが如何致しましょうか」

 第一哨戒隊の隊長を務めていたハモンズが声を掛けてくる。

 彼は哨戒隊を率いて黒衣の集団の近くまで偵察を行ったほどの騎士である。偵察能力は、騎士の中でも群を抜いていると思われるので、先行して峠道の安全を確認して貰うことにした。

 当然、疲労困憊の状況ではあったが、ハモンズは厭な顔一つせずに偵察を快諾した。

「了解しました。それでは先に行って峠道を偵察してきます。恐らく黒衣の集団もここまでは来ていない筈です。ゴブリンも麓までは降りてきていないと思いますが、少しでも体勢が整えられる地点を探ってきます」

 ハモンズは小走りに離れていく。ハモンズはレザーアーマーを装備していたので、装備も軽く偵察には適していると云えた。

「あとは黒衣の集団がここまで追っ手を出すかどうかだな。彼奴らの目的がグレン先遣隊であればグレン宰相が野営地にいないことに、もう気がついている頃だ。そうなれば、グレン宰相を探しアズダルクの中に、と考えそうだが、城壁は難攻不落。黒衣の集団のような軽装の部隊では、突破は出来ないであろう。そうなると流石に奴らも諦めるしかないのではないかな」

 楽観的な推測を口にするスモルツであったが、明らかにその目からは失意の色が窺えた。スモルツほどの経験を持っている騎士であれば、この状況が明らかに窮地であることに疑いは無く、黒衣の集団がここまで追ってくるのは明白であった。

 十三名の生存者のうち、マジックメイルを装備しているのは、私も含め四名。黒衣の集団は優先的にマジックメイルを装備している騎士を襲っていた。ということは、矢張り彼等にとってマジックメイルを装備している騎士は脅威である、ということである。

「我々に遺された一番の戦力はマジックメイルによる防御であろう。しかし、密集隊形を取ると『パラライズ』で一網打尽にされる恐れが生じる」

 ここで私は一つの案を思いついた。

 しかし、この作戦には大きな犠牲が生じることになる。

 逡巡したが他の選択肢は遺されていないと思われた。

 一撃必殺のこの作戦に全てを賭けるしかない。


 偵察に出たハモンズは未だ戻っていなかった。

 かなり離れたところまで偵察しているのであろう。

 既に『追跡』に反応する範囲からハモンズは離れていた。

 アレウス山脈の峠道は細く曲がりくねっていた。そして、降りしきる雨により泥濘み、まともに歩くことも困難であった。

「この辺りにしますか。この辺りであれば作戦通り一矢報いることができますぜ」

 スモルツは最後を悟ったのだろう。私の伝えた作戦の真意を理解したらしく、逆に清々とした感じすらした。

「では、ここに陣を張ることにしましょう。では作戦通りにマジックメイル隊は、峠道の中央で盾を構えて待機して下さい。きっと黒衣の集団が襲ってくる筈です。もう彼らは『ヒドゥン』すら使わずに一気に勝負、いや殲滅にくる筈です。そこに勝機を求めます」

 一旦話しを区切り、左右を見渡す。生き残った騎士達の最後の姿を瞳に焼き付けておきたかった。王都を出発してから幾度となく苦難を乗り越えてきた彼等に最後の試練が訪れようとしている。しかも、その試練により命を落とす者も少なくない筈である。私は護衛隊の隊長として最後の号令を掛ける。

「後方に控える騎士は、全力で『神意』を放ちます。少しでも時機を逃すとマジックメイル隊ごと吹き飛ばす恐れもありますが、好機は一度きりです。マジックメイル隊には『伝心』で『神意』を放ったことを伝えますので、その号令を聞いたら、その場で伏せて下さい。私たちの遺された唯一の作戦です。黒衣の集団を恐れることなく最後まで王国騎士団の名に恥じない戦いをみせてあげましょう」

 私の最後の号令は終わった。騎士の中には涙を浮かべている者もいた。号令では伝えていないが『神意』が外れれば、一気に黒衣の集団の接近を許し反撃の遑も無く全滅するのである。まさに一撃必殺。『神意』に全てを託すしかないのであった。

 どれくらい待ったであろうか。

 時間にして数分だと思われたが、数時間も待っているように感じられる。マジックメイル隊は、所謂、囮であった。その背後の茂みに『神意』を放つ騎士達が隠れていた。

 私はマジックメイル隊の後方にいる。私もマジックメイルを着ている、というのも理由ではあるが、護衛隊を指揮している隊長である。最も戦況が把握出来る位置で、号令を掛ける必要があるので、必然的にこの位置となったのである。

 まだ、偵察にでたハモンズが戻ってきていない。

 ハモンズは責任感が強い騎士だと信じていた。真逆、このまま逃亡したとは考え辛いし、考えたくはなかった。

「ハモンズの帰投が遅いのが気になる。よもやゴブリンに襲われて、などとということも無いだろうが」

「心配はないですぜ、旦那。彼奴はそんなに柔な奴じゃないさ。じきに戻ってきますよ」

 スモルツはプレートメイル隊の中央にいた。彼が明るく振る舞うことでプレートメイル隊も勇気を持ってこの状況に臨めているようであった。

 コトリと何かが落ちる音がする。

 マジックメイル隊の前方に、後方から何かが投げ込まれたようであった。

「ハモンズ!」

 マジックメイル隊から声があがる。

 よく見るとハモンズの頭部が目の前に転がっていた。

 その表情は驚きの表情を浮かべており、不意に襲撃を受けた衝撃を物語っていた。

「皆さん、ご苦労様です。良くここまで耐えて下さいました。でも、もう安心です。直ぐに楽にして差し上げますよ」

 聞き覚えのある声が後から聞こえてきた。振り返ると、後方に配置していた騎士は既に始末されていた。

 しかも、残虐なやり方で始末されており、四肢がまともについている騎士は皆無で、至る所に四肢が散乱していた。

「真逆、おまえが黒幕だったのか! 許さない! 許さないぞ!」

 我を忘れショートソードを振り上げた、と思った右腕は地面に落ちていた。

 激痛が襲う。全く見えない何かが右腕を切断したようであった。

 後方のマジックメイル隊は、首が既に切り落とされていた。

 スモルツも言葉を発する間もなく絶命していた。

「おやおや。アルバート君。久しぶりに再会したのに、その仕打ちはないな。それとも君はもっと苦痛をご所望なのかな」

 彼の言葉と共にプレートメイルが異様なな力が加わり変形し、躰に食い込み始める。

 ギシギシと金蔵が変形する音が不協和音を奏でる。

 躰に食い込んだプレートメイルが躰の自由を奪う。

「私の好みは『パラライズ』よりこちらなんです。どうですか、己の肉体を守るべき鎧に食い千切られる悦びは。無上の悦びを感じるでしょう」

 笑みを浮かべ次第に距離を詰めてくる。眼前に迫る彼が最後通告を口にした。

「ああ。でも残念だ。私の目的、君だったのだよ、アルバート君。先遣隊など、どうでも良かった。今日は実に愉快な日であった。この雨が私を祝福しているようだ」

 彼が冷たく言い放つ。

「お別れだ。我が親友のアルバート君」

 次の瞬間、首が胴体から離れる

 傷口は氷のように冷たい感覚であった。

「ギルバート、最後にもう一度、会いたかった……」

 私は最後の力を振り絞り峠道の小石を握りしめ、息絶えた。

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