プロローグ
十八世紀中盤、イギリスは七年戦争やフレンチ・インディアン戦争など、度重なる戦争により財政危機に陥っていた。
そこで、『この戦争で主に得をしたのはアメリカ植民地なんだから、植民地に穴を埋めてもらおう』ということで、植民地に様々な税金を課した。その代表的なものが、砂糖法、印紙法、タウンゼント諸法などである。
当然、植民地側は反発。その結果、タウンゼント諸法の茶に関する法を除き、全て撤回になった。
しかし、本国と植民地の対立は、これで終わったわけではなかった。
一七七三年五月十日、当時経営破たん寸前だった東インド会社を救おうと、植民地における紅茶の専売特許を東インド会社に与える『茶法』が成立。
ところが当時、紅茶の密売で生計を立てていた植民地人も多かったため、植民地の激しい反発を招いてしまった。
そして、事件が起きた。
一七七三年十二月十六日夜、マサチューセッツ邦・ボストンに停泊していた東インド会社の商船を、先住民族に変装した男達が襲撃。積荷を次々に海に投げ捨ててしまった。
いわゆる『ボストン茶会事件』である。
この事件に怒ったイギリスは、植民地への圧力をかけ始める。代表的なものとして、
・ボストン港の閉鎖
・臨時タウンミーティング(直接民主制の市議会の様なもの)の禁止
・軍人は、個人宅に宿泊できる(強制)
等々が制定された。
これらの法に不満を持った植民地は、イギリスの圧政から独立しようという機運が高まった。
そして今、独立へ向けた、長い戦いの火蓋が、切って落とされようとしていた――。
こんにちは。四葦二鳥です。今回は歴史小説を書いてみました。
この小説を書いたきっかけは、「歴史ブームとは言うけれど、三国志と戦国時代と幕末に偏りすぎじゃね?」と思ったことがきっかけでした。
この小説を書いている最中、偶然にも同じアメリカ独立戦争を描いた「アサシンクリードⅢ」が発表されたことが今でも心に残っています。
ちなみに、筆者はPS3も360もWiiUも持っていないので、アサクリⅢをプレイしていません(笑)。
では、最後まで本作品をお楽しみください。