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序幕 其の一
かごめ 籠女
籠の中の鳥は
いついつ出やる
夜明けの晩に
鶴と亀が
滑った
後の正面
・・・
四角い卵と遊女の誠
あれば晦日に月が出る
わっちはいろんな人に愛振りまいて
わっちはいろんな人に笑みばら撒いて
そこにたとえ、愛がなかろうと
それがたとえ、機嫌の悪かろうと
笑って、愛振りまいて
そうして今日まで食べてきやんした
それを嗤うか
それを嘲るか
だれが嘘吐き薄情者よ
わっちにだって誠はありんす
わっちにだって恩義はありんす
浮世よ 人々よ
一体どうすりゃ
遊女の誠を認めてくださりやんす?