表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

壊れる関係

「お前はどうしたい」

俺はまた姫に相談してる。

まるで女子高生の様な姿だ。

「それがわかれば姫に相談してない、でも、これ以上、雪弥のそばで今まで通りに振る舞う自信無い」

俺は本当に恋する乙女だ。

こんな事を考えたり、相談したりするなんて思いもしなかった。

「情けないな、お前」

キツイな、でも、実際俺は情けない。

自信が無いなんって、自分が決めた事を俺は投げだそうとして居るのだから。

「本当、情けないよな・・・・毎回、姫に相談して、また俺、逃げようとしてる・・・・何も変わってない」

姫は俺の前にコーヒーを差し出した。

「変わっただろ、今のお前は考えてる、昔のお前は考える前に行動してたからな」

「姫」



変わることの無いモノなんて無いのかも知れない。

俺もそして、雪弥も。

「新人ですか?」

「Leiの担当だ」

今まで三年間、俺は雪弥のそばに居た。

(良い機会なのかもな)

変わるきっかけ、これは逃げる理由。

「はい」

Lei、歌唱力のある女性シンガー。

「担当が変わる・・・・何で?」

雪弥は不満そうな顔をした。

「社長から言われた事だ」

「断わらなかったのか」

「社長に逆らう事は出来ない」

雪弥は下を向き何も言わずに黙って居た。

「雪弥担当は福原さんが引き継いでくれる」

「どうでもいい」

雪弥は後は何も言わずに部屋を出て行った。

俺は引き止める事も、名前を呼ぶ事も出来なかった。


「初めましてLeiです」

Leiは写真で見るよりもキレイな女性だ。

「千堂アキラです、よろしく」

Leiはニッコリと笑顔を見せた。

「アキラさんはずっと高谷さんのマネージャーしてたんですよね」

「三年してた」

あの日から三日、俺は雪弥と会う事も連絡をする事も無かった。

「アキラさん?」

「悪い、次行こうか」

今の俺はそれで良かった。

雪弥に会う事が怖かった、どんな顔をして会えば良いのか俺にはわからなかった。

もう、後戻りは出来ない。

どんなに足掻いても俺が決めた。

二度と戻る事はない、関係を壊したのは俺なのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ