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6. ジュリアのこと

 わたしにはジュリアという海外の女友達がいる。ジュリアはわたしより1歳年下の韓国系オーストラリア人で、ソウルでタトゥーアーティストとして活躍中だ。そんなジュリアは25歳だった2024年の9月に、膝裏に癌ができていたことがわかった。

 2020年に違和感があって病院に行った際は「ベーカー嚢腫(のうしゅ)なので問題はない」と医師から言われたそうだけれど、2024年になって再度病院へ行くと医師に

「なんでもっと早く来なかったんですか」

 と言われたとのことだ。結局は癌で、それも珍しいタイプの癌だったという。結局ジュリアは抗がん剤治療を受け、手術することになった。

 わたしはその間、ジュリアが亡くなってしまうのではないかと最悪の結果ばかり考えてしまい気が気ではなかったのだ。ジュリアのお姉さんーージャスティーナさんというーーは2022年10月に韓国の梨泰院で起こった事故で命を落としてしまったけれど、どうかお姉ちゃんのところには連れて行かないでと願わずにはいられなかった。25歳という若さもあり、癌がどんどん進行してしまうことや手術後に再発してしまうことが心配だった。ジュリアはInstagramやTikTokに治療の様子などを載せていたけれど、抗がん剤の影響で髪が抜けてしまっていて何と言葉をかけたら良いのかわからなくなったのだ。


 ジュリアは10月に手術を受け、手術は成功したとSNSに載せていた。わたしはそれを見て自分のことのように嬉しかったし、涙が出そうになったのを思い出す。ジュリアはリハビリを受けてから退院し、今はソウルでタトゥーアーティストとして社会復帰している。抗がん剤で抜けていた髪の毛も、ベリーショートまで伸びた。京都とソウル、日本と韓国と離れているのでなかなか会えないけれど、元気に社会復帰して旅行も楽しんでいる様子を見るとわたしも安心する。

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