1. 「そんなに考えてたら疲れません?」
わたしは昔から「考えすぎ」「気にしすぎ」とよく言われてきた。大学卒業後に就職した職場では、女性特有の人間関係ーー若い女性が多く、サークルや女子校の延長のような雰囲気だったーーに疲れかけていたのだ。
社会人2年目の頃、同僚のUさんに何気なく「この職場の人間関係って疲れますよね……」と言ってみた。私はそうは思わないと言った上で、Uさんから
「そんなに考えてたら疲れません?」
と返ってくる。わたしが深く考えすぎなだけだろうかと思ってしまった。もはやわたしっておかしいのかなと思っていた。あの時ああしておけば良かったと1人反省会をすることもあり、このままではいけないと考えてしまう。
その一方で、そんなこと言われてもという気持ちもあった。考えすぎる性格を今すぐ直せと言われても無理な話だ。考えすぎたら確かに疲れてしまうけれど、それもわたしの性格を表す一部だったからだ。考えすぎな自分も完全に嫌いなわけではなかった。
そんな時、本を通して反芻癖という言葉を知る。読み方がわからず調べてしまったけれど、わたし以外にもそういった性格の人っているんだなと救われた気持ちになった。