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柿沼ピロシキ

 翌日、私は、仕事の相談をするふりをして、園長先生にそっとメモを手渡した。

「久しぶりに、もう一回、いかがですか」


 その晩、早速私の仕事用のスマホが鳴った。先生からだ。

「君からお誘いなんて、どういう風の吹き回しかな。こういうことは今回限りにしましょうって言ってたのに」

「実は、彼と別れちゃって、たまっているんです。先生、お相手してくれませんか」


 ピロシキは、私の明らかに不自然なお誘いに疑問を持つことがなかった。これだからモテ男はちょろい。電話からしばらくして、一週間後の土曜日の夕刻の時間と、池袋のシティホテルの名前が書かれたメールが届いた。


 当日、私はピロシキの待つホテルの部屋のチャイムを鳴らした。

 カチャリとドアが開くとピロシキが顔を出した。

「園長先生、こんにちは」

「今日は仕事じゃないんだから、広志って呼んでくれないかな」

「それじゃピロ、広志さん、お邪魔します」 

 

 部屋に招き入れられた私は、素早く部屋の中を観察し、人が隠れられそうな場所を探した。ちょっと狭いがクローゼットに入れそうだ。

「広志さん、失礼してお先にシャワー使わせてもらいますね」


 素肌にホテルのガウンを纏って部屋に戻ると、広志先生が私の胸をひと揉みして入れ替わりに風呂場に向かった。私はすぐさまロビーで待機させていた黒須パイセンを部屋に呼び込み、クローゼットに隠れさせた。


 私と同じガウンを纏った広志先生が、早速私をベッドに押し倒そうとした。

「ちょっと待って。広志さんにお願いがあるんです」

 私は彼の胸を押し返した。


「最初は私の趣味のごっこに付き合ってもらっていいですか」

「え、花梨ちぇんの趣味って? 言っとくけど痛いのはいやだよ」

「目隠しして手を軽く縛って、それで私が上になって広志さんを犯すんです。途中で目隠しを外したりしたらダメですよ」


 私は、ピロシキに用意してきた目隠しをし、手首を体の前で縛った。胸を突いて仰向けにベッドに転がすと、膝の裏に手を当てて足を大きく開き、身体の裏側の恥ずかしい部分に舌を使った。


「あっ、こら、普通そこまでやるか、やめろ」

「先生は私に凌辱される設定なんですよ。大人しくされるままになってくださいな。その代わり、今日は鉄板の安全日だから、特別に中に出してもいいですよ」


 私はじっくりと時間をかけ、存分にピロシキをなぶった。先生が「おおぅ」とうめいて身もだえする。

 先生の身体が準備できたところで、私はクロ―セットに向かって合図をした。

 

 手筈通り黒須パイセンは既に裸になっていた。イメージトレーニングの成果か、扉の隙間から私たちの様子を覗き見て、身体の方もウオーミングアップ済みだ。

 

「広志さん、私、もう我慢できない!」

 私の代わりに黒須パイセンを彼に跨らすと、私はアフレコで声を入れながら二人の結合の介助をした。


 ようやく彼のものがすっぽりと彼女の中に納まった。

 彼の上で身体を揺らす彼女を横目に、私は素早く服を着てそっと部屋を出た。

 

 相手が入れ替わったことに気が付いたとき、ピロシキはどういう反応をするだろうか。私の言葉を真に受けて中出ししてしまうだろうか。ちなみに、その日私が安全日だったことは事実だが、黒須パイセンがどうかまでは私の関知するところではない。


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