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厄介な元令嬢が2匹になりました

 クウガの左手のガントレットがパカッと開くとボタンと液晶画面のようなものが現れる。


 それが右手で操作される、しばらくするとそこから声が聞こえてきた。


 クウガのクランメンバーである。


 会話の内容はこの国に到着し、この村に向かうということだ。


 村を発展させるための人材不足からクウガが領主にクランの人間を呼ぶことを提案し、それが了承された。


 クウガのガントレットはクランの仲間が偶然見つけた昔の異世界人の地下の秘密基地で手に入れたものである。


 そこは色々な武器や道具や機械が置かれていた。


 機械に強いものが動かした結果、その基地は大陸の至るところにあることがわかりクランの秘密基地となっている。


「私が森にいってる間だから合えそうにないか」


「物資を何度も運んでくれるからそのうちは会えるだろう、そういえばグリーンがツタで簀巻きで吊るされてたが何があったんだ?」


 それはアルルがピザ切れで苦しみながら働いていた時である。


 修道院の仕事をサボったグリーンが村が忙しいなかのんびりと優雅なだらけた様を見せつけてき。


 アルルが労働中「平民は忙しくて大変ね~、優雅な私とは大違い」と言い、目の前で見せびらかすようにピザを食べ始めた。アルルはツタで掴んで地面にビタンビタンしたいと思った。


 もちろん優しいアルルはそんなことせず、ツタで簀巻きにして木に吊るしご自由に叩いてくださいと書かれた紙と棒を置くだけに留めた。


 もちろんピザは奪った。


「そういうことか、どうにか大人しくならないものか」


「向こうの修道院が老朽化で立て直してる間の辛抱だよ」


 エルフたちが住む森より奥深くに元々修道院はあったが老朽化で立て直すまで一時的にこの村に修道女達は来ているのだ。本来俗世から離れなければならないのだがナツメグ国の修道院は割とゆるいのである。


 アルルが冗談でずっと体を埋めて頭だけだし、時々口に食事を突っ込む案を出した時は、クウガは本気でその案がいいなと思った。



    *    *     *



 木材を運ぶために多くの馬車と馬がエルフのいる森へ向かう、その中に自動車はない。


 馬車と車の足並みが揃わないのとガゾリンの消費の問題がある。


 クウガはダンジョンの発見があるとは思わずガソリンをあんまり持ってきてないのだ。


 森についた後、森の外側で待っていたエルフ達との話し合いでどこからどこまでの木なら伐採していいか話し合いが終わる。


 領主の趣味の木材加工で作り出した木材製の木を引っこ抜く装置を組み立て木を引き抜き、運びやすいように加工していくことになる。


 木を引き抜くのは木の重機だけではなく巨大なゴーレムもいる。一見、人間に見える者が自分の身体から核を取り出し巨大なゴーレムの中に入れる。するとその人間は動かなくなり巨大なゴーレムが動き出す、ゴーレムが人型から巨大なのに体を移し替えたのだ。


 皆がその作業をしている間、アルルはエルフの村での手伝いと届け物をすることになっている。


 アルルが森の中をピーコロ村にいる里帰りも兼ねて来たエルフに案内されながら数人で進む。


 森の中は害獣も出るため複数人で移動する必要があるのと、エルフ達に管理してる木材の報酬を運ぶため人数が必要なのだ。


 エルフの村があと少しまでというところで女性の助けを呼ぶ声が聞こえてくる。


「誰か!助けて~!!」


 助けを呼ぶ方へ向かいながらこっちも声をかける。


「こっちだ!!なにがあった!!」


 その声に気づいた女性はこちらに近づいてくる、2人の女性のようだ。1人は顔を隠している。


「助けて!化け物に追われてるの!!」


「捕まったら奴隷にされちゃう!!」


 修道女の格好をした2人が危機迫った表情で助けを求める。


「化け物?奴隷?村のエルフ達はどうなったんだ」


 彼女達が来た方向はエルフの村がある方角だ。


「そいつらも化け物の仲間よ!!その女もね!!」


 そう言い一緒に逃げてきた女を指差す。


「騙されないで!!あいつらの仲間はこの女よ!!早くこいつを殺して!!!」


 そう言って睨みあう2人、一同は困惑する。そして顔を隠してる女は聞き覚えのある声だ。


 そこに追って来た者が姿を表す、緑色の肌の巨体で下牙を生やした生き物、オークである。体が引き締まっていて割とイケメンである。


「この化け物が奴らのボスよ!私達を無理矢理働かせるの!!」


「この手を見てよ!酷い目にあわされたのよ!!」


 今まで何の労働もしたことないような綺麗な手で真新しいが小さい傷が付いてるだけだ。


 オークに対してアルルは口を開く。


「神父様、何があったんですか?」


 神父服のオークは答えた。


「そのバカ2人が労働が嫌だからと逃げ出したのだ」


「あんた達こいつの仲間だったの!!」


「捕まってたまるか!!尊い犠牲になれ!!」


 そう言い女が一緒にいた女をアルル達に突き飛ばし逃げ出した。


「グリーン!あんた!」


「あんたのことは心の重みにならないためにすぐ忘れるわ!ミドリ!」


 アルル達は驚いた、何故グリーンがここに!と。

 そう言いグリーンは逃げ出すがすぐ悲鳴が上がりこっちに逃げ戻ってくる。


 後ろに熊を引き連れて。


 この森には害獣いるためオーク神父は2人を連れ戻しに来たのだ。


「天罰が下ったのよ!ざまぁ!!」


「助けて!また死にたくない!!」


 全員武器を取り戦闘態勢に入る。


 神父は巨体でありながら素早い動きで熊に近づき大きな鉈を振り下ろす。


 鉈は熊の左肩に深く刺さる、その状態から熊は右手を振り下ろしてきたが神父は左手で受け止める。


「そのまま抑えつけといて!」


 神父に声が掛かる。


 束ねたツタで掴んだ斧が熊の頭に叩き込まれる。


「相変わらず凄い力ですね神父様」


「君は腕を上げたねアルル」


 その2人の横を誰かが走り去る、ミドリだ。


 驚異が去った今なら逃げ出せるとふんだようだ。


「おい!待て!」


 逃げ出したミドリがすぐにこっちに逃げ戻ってくる、後ろには巨大猪を引き連れている。


 アルル達がここに来るまで1匹も害獣と出くわさなかったのにたて続けに戦うことになってしまった。


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