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プロローグ

「グリーン伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!」


 貴族達が通う学園で大勢の人が集まるなか王太子から婚約破棄が言い渡される。王太子は兵士を引き連れている。


 婚約破棄を迫る男の側には1人の令嬢が勝ち誇った顔をしている。


「なんで私が婚約破棄されないといけないのよ!理由を言いなさいよ!それに婚約は王命よ!」


「父からはすでに許可をとってある、理由は城の宝物庫から盗みを働いたからだ。盗まれたものは価値が低いよくあるものばかりだった、高く珍しいものだと足がつくからと狙ったようだがそんなことでばれないとでも思ったのか?」


 グリーン令嬢は王太子を歯をむき出しで睨み付けるがばれてしまって悔しいからではない。


 高く売れそうだとだと盗んだものが価値がなくてガラクタだと思ってたものが価値があると言われたからだ。


 つまり自分の悪事がばれたことよりも『お前は物の価値を見る目がないな』と言われたような言葉に怒ったのだ。


 自分が誰よりも正しいと思っている彼女にはそっちのことの方が重要なのだ。


「君が厳重な宝物庫をどうやって開けたのか尋問されることになる、元婚約者としての忠告だ、協力者がいたのか鍵を複製したのか、全て正直に話せば罪は少しは軽くなるだろう」


(そんなこと話せるわけないじゃない、世界を何回もやり直した中で学んだ鍵開けの技術だなんて)


 グリーン令嬢は死に戻りの異能を異世界人の子孫としての血で目覚めたのだ。


 自分が楽をして得をすることしか考えてない彼女は、5回もループしても何も自ら学ぼうとしない学習能力のない人間だったために今回のことをやらかしたのである。


 王太子の側にいる令嬢が高笑いをした後、口を開いた。


「ざまぁないわね、グリーン。城の宝物庫に手を出すなんて頭沸いてるんじゃない?でもあんたがバカやってくれたおかげで私は王太子と結ばれることができたわ」


 そう言い令嬢は王太子の腕に自分の腕を絡めようとするが、



 王太子は腕を振りほどき絡めてきた令嬢に言った。


「君は追放だミドリ令嬢!」


「えっ!?なんでよ!?」


「君の下級貴族への嫌がらせと多くの令息達に言い寄ったのが原因だ!私にも含めてな!」


「それぐらいでなんで追放されないといけないのよ!それに多くの男に言い寄ったりなんてしてない!!」


 彼女にとってイケメンで金持ちで将来性がある優しそうな男と限定してしか狙ってないのでたくさんというのは自覚はなかった。


「君が言い寄った者と嫌がらせした相手には他国の婚約者同士も含まれている。階級は低くてもこの国の立場よりずっと上の国だ!」


 グリーンが笑顔を取り戻す。


「外交問題じゃない!階級の高さが絶対だと思ってるなんて、これだから異世界人は!」


「あんたよりはマシよ!死刑よ死刑よ!お前には公開処刑が相応しいわ!」


「ふざけんじゃないわよ!」


 グリーンの泥棒時代のループで覚えた足癖の悪い足技が炸裂する。


「痛いわね!ざけんじゃねえわよ!」


 ミドリの地球でのボクササイズダイエットで鍛えた技術が火を吹く。


 そこから拳と足のぶつかり合いだ、その醜態に王太子は止めに入った。


「いい加減にしろ二人とも!!」


 王太子の顔面に拳が刺さり、脇腹には後ろ回し蹴りが決まった。


 王太子は変な声を上げて気絶した。


 こうしてグリーンとミドリは追放された。


 そう、ナツメグ王国に追放されたのはグリーンだけじゃない。もう1匹いたのだ、修道院は保健所じゃないのを理解して欲しいものだ。

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