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プロローグ&ココイの正体、変身能力者ケイレス

 ピーコロ村に送られた筈の兵士、ココイが王都の貸倉庫で発見された。


 拘束から解放されたココイが言うには数人の男達に襲われ気を失い、気付いたら拘束され閉じ込められていたと言う。


 角の生えた男が「抵抗せず大人しくしていれば殺すつもりはない、暫くここにいろ」と言い、その仲間の男が日に1度猿ぐつわを外し食事を食べさせに来たとココイは証言した。


 男達のことの証言も含め王の耳へと届き、ピーコロ村の領主でもある三男に王都に居たクウガのクランのメンバーのガントレット型の機械で連絡が行われた。


 その連絡により偽のココイがスパイだと判明した。

 領主はココイの確保を指示した。



    *    *     *



 蘭花が狩りの獲物を師匠と解体している。師匠は人型の体に上半身が羽毛で覆われた鳥人である。師匠は自分の猟銃を肩に担いで蘭花の解体を見て、どうすれば効率的に綺麗に捌けるのかを教えていた。


 解体を終えた蘭花は村に戻り自警団での仕事を終えた美幸と礼人と出会った。


「おつ~、肉取ってきたけどいる?」


「また猪肉ですぞ?クセが強くて苦手ですぞ」


「俺は結構好きだな、体を作るのに肉は助かる」


「ちゃんと火は念入りに通してよ、豚肉と同じ感覚じゃヤバイんだから」


「分かってますぞ、野菜たんまりいれた鍋にでもしますぞ」


 3人が会話しながら村を歩いてると美幸は薬屋を離れたところから覗き込むココイを見つけた。


「ココイさんじゃないか、何やってるんだ?」


「知ってる人?」


「拙者も知りませんぞ?」


「自警団の仕事中に新しく来た兵士があいさつに来たんだが蘭花は狩りに行ってたし礼人は休憩に行ってたからな。ココイさーん、どうかしたんですかー」


 3人が近寄ったとたん世界が歪み始める。


 歪みが治まるとそこは見たことのない中世の薄暗い街並みだ。だが街にいる者は蘭花、美幸、礼人、そしてココイと見たことのない2人の男で1人は小男だ。


 蘭花達が困惑しているとココイは知ったる顔のように小男に話しかけた。


「クロス、突然どうしたんだ?」


「イーギスが兵士と自警団が隊長を探してるのに気付いたんだ。そいつら捕まえようと近付いた自警団に違いない、兵士の格好してないし」


「気付いたこいつらを始末したらひと気がなくなってからここを出ましょう、隊長」


 礼人は鑑定してココイを見た、そこに写ったのは。


 ケイレス(ココイ) 能力:他者に変身 登録5人まで 能力や技の使い方のコピーが記憶のコピーよりも本人の闘争意識により優先 変身した対象が生存中のみ変身可 状態:変身中 現在の目的:組織のためにダンジョンとその近隣の村の調査


 礼人は驚いた顔で2人に告げた。


「あれは変身能力者で偽物ですぞ!変身した相手と同じ能力が使えますが変身したココイ殿の能力は見えませんでしたぞ!そっちのは特定の場所に結界世界を作れる能力で特定条件での発動も可能!そっちは五感を強化する超感覚ですぞ!」


「気付いたのはそいつらだけかクロス?」


「俺の能力の範囲内で引きずり込まれたのはこいつらだけだからそうみたいだ」


「鑑定能力か、とはいえガキじゃあ大して楽しめないな。すぐに楽にしてやる」


「楽にする必要はない、この村は人身売買と薬物を扱ってる非道な奴らだ。徹底的にいたぶってやれ」


「な、何を言ってるのか分かりませんぞ!」


「禁断症状が出てる癖に知らないとはよくほざけたな」


 礼人は恐怖で体が震えて顔が酷く青ざめているのを薬物による禁断症状だと勘違いされた。


「やるしかないな」


 美幸が能力で鎧を身に纏った。


「拙者!武器は持ってきておりませんぞ!」


 美幸は武器や鎧を一定時間身につけて過ごせば何処でも身に付けるのも外すことも出きるため装備には問題がない、蘭花は狩りの帰りで装備を身に付けていたが礼人は武器も鎧も持っていない。


 蘭花は銃口をココイに向けた瞬間、ココイは建物の間に入っていった。


 大きな弾く音が何発も鳴り響く、しかしその音の元は蘭花ではなく超感覚の持ち主のイーギスの元から蘭花に放たれる。


 蘭花の頭を透明な何かが当たる直前、蘭花の鎧が発生するシールドにより阻まれた。


「なんですぞ!?能力には書かれてない攻撃ですぞ!?」


「あいつは私がやるからさっきの奴をお願い!」


 蘭花が同じ遠距離攻撃で自分にシールドがあることで有利にやれるのではと思いココイは美幸に任せ、まずクロスに銃を放った。この空間を抜け出すには能力元を倒した方がいいと思ったのだ。


「ひいいいいいっ」


 クロスはイーギスに捕まれ建物の窓に放り込まれ、窓ガラスを突き破った。


「お前は逃げていろ、隊長と俺が終わらせる」


 イーギスは高く飛び、蘭花に襲いかかろうとしてきたがそれは蘭花にとっては格好の的だ。


 蘭花が銃を向けた直後、蘭花の横の建物の壁が壊れ、その瓦礫とともにココイが襲いかかってきた。


 蘭花は突然の事に身構えるがココイの剣がシールドに直撃し、まるで強力な鈍器で殴られたようにシールドを身に纏ったまま隣の建物の壁を破壊し突き抜ける。


「蘭花!」


 美幸は壁を突き抜けた蘭花を追おうとするココイに攻撃しようとするが落ちてくる筈のイーギスが落ちてこないことに気付き上を見上げるとイーギスは空中に立ったまま透明な何かを放ってくる。


 透明な何かは頭を撃ち抜き鎧はその場で立ち尽くす。


「呆気ないな、そこの眼鏡のガキを始末したらもうおしまいだ」


「シールド魔法ですな!それを踏み台にし高く飛んだり空中に停止とシールドをシールドで弾いて遠距離攻撃してるのですな!」


 礼人は異能の能力を鑑定できるが今の鑑定の強さでは何の魔法が使えるのかは鑑定できない。使っている魔法そのものに鑑定をかけて判明させた。


「それを鑑定できたとしてどうなる?お前も仲間の元に送ってやる」


 イーギスが礼人に目を向けてる瞬間、鎧が動きだし剣をイーギスに投げつけた。


「うおっ!?」


 イーギスはシールドを張り、剣を防いだ。


 動き出した鎧はお馴染み、ダンジョンのボスの空洞鎧だ。


 頭を撃ち抜かれる前に美幸は能力で鎧を脱衣していた。

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