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始まりの世界のアルラウネ

 そこは神が作った世界、つまりアルルというバグの影響を受けていないはずの世界。

 その世界の人間と敵対するために作られた存在の魔物はよく似た形の人間の少年を初めて見た同族だと受け入れた。


 同族だと違うと分かると世界のルールの衝動、殺意が植物の魔物に湧いた。

 だがそれを抑え込んでしまった。



 そしてその植物の魔物は足の花を切り落とした。


 少年は驚いた、植物の魔物も驚いた。

 自分で切っておきながら何故かそうしなきゃいけない衝動に駆られた。


 そうしないと何か大切なものを失う感覚に襲われて。


 少年の足を見る、それと同じ形にしなければならないような気がした。

 少年と同じ足で動くのは最初大変だった、でもいつもより早く移動できた。


 近くに高い木があってなんとなくツタを伸ばした、ツタで体を持ち上げる。

 体は宙ぶらりんになった、その状態で他の木に伸ばして移動できる気がした。


 慣れてくるとより早く移動できるようになった。

 なんか頭がよく回るようになった気がした。


 少年が棒を振るっている、振るう少年にツタを伸ばして遊ぶようになった、最初は簡単に捕まえられたのに段々捕まえるのが難しくなっていった。


 少年が森に入っていった、遅いので迎えに行った、早く行かなきゃいけない気がしたのでツタで木に飛び移りながら移動した。


 他の魔物が少年を見つけ襲いかかろうとしていた、他の魔物はツタで持ち上げ地面に叩きつけて倒せた。


 そこにそいつの仲間が現れた、こんな数はいつもなら相手にできないのに何故かどう動いてどうツタを使えばいいかが分かる。


 少年も棒きれで持ちこたえてる、棒で叩くよりも突くほうに重点していて隙は少ない。


 どうにか倒すことができた、少年が傷だらけで服も泥まみれだ。

 それがいけない気がして脱がした、寒そうにしていたので変わりの物を作った。


 何故か作るのが楽しくて凝ったのが出来上がった、少年も嬉しそうだ。


 魔物のお肉は食べるために運んだ、少年が食べづらそうにしていた。

 少年は火がないか聞いてきたが植物の魔物は火を知らなかった。少年は体の動きで火を表現して伝えるが伝わらなかった。


 火は知らないはずなのに何故かこうすれば火が出る気がして板の上に細かい木屑を置いて木の棒をツタで回した。

 火が作れた。

 

 最初の世界の変化は大きくなっている、特に植物の魔物が。

 本来その世界で魔物がやらないような行動や感情を持ち始めている。


 群れのボスが仲間の匂いを辿って植物の魔物と少年を襲った。


 戦いは激烈したものだった植物の魔物が木に飛び移りながら石等を持った木で殴りつけて少しづつ削らせた。その削りに怒りを覚えた獣を網のようにしたツタの罠に嵌めた。


 最後は少年が棒を突き刺して戦いは終わった。


 そこからは平穏な生活が始まった、

 変わった世界はその島で閉じて終わるだろう。

 最初の世界の変化はこれだけだ。

 変わったのはこの島での些細な出来事、世界には何の影響もないことだった。

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