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誰にだって得手不得手はある

 転移魔法陣で地下10階へ……そのまま先に進もうとしたところで思い出した。そうだ。地下10階のボスがレアかどうか確認しておかないといけない。なので、確認………………はい。普通。レアではない。まあ、早々遭遇することはないか。気持ちを切り替えて先へと進む。


 こういう時、「自動地図化(オートマッピング)」は便利だ。階段から階段へ、真っすぐに進んでいける。地下11階から地下12階へ下りると………………いつもと雰囲気が違う気がする。なんというか、静かだ。魔物の数が大きく減ったからだろう。まあ、その内戻るとは思うが。ここも一気に駆け抜けていき、地下13……14……15階まで一気に下りた。AGIが相当上がったのを実感する。本気で駆けた訳ではないのに、かなり時間を短縮した。


 地下15階は拠点だが、そこで一休みすることなく先へと進む。今日中に地下20階の転移魔法陣まで行きたいからだ。「自動地図化(オートマッピング)」頼りで、地下16、17、18階を一気に駆け抜けて、時に「アイテムボックス」と蔓を使った移動方法もしつつ、地下19階へと下りる。


     ―――


 地下19階


 地下20階への階段は見つけていない。でも、「自動地図化(オートマッピング)」で行っていない場所はわかるので、そこを重点的に探せば見つけられるはずだ。


「……良し!」


 今日で見つけてやると意気込んでから捜索を始める。

 ………………。

 ………………。

 前回、多少なりとも探索を進めていたのだが、それでも中々見つからない。思っていた以上に広いようだ。気分転換にただ進んでいくだけではなく、「アイテムボックス」と蔓を使った移動方法で進んでいると、少し離れた位置で蔓から蔓へと振り子のように移動している、四本腕の大猿が居た。


 不意に、その四本腕の大猿がこちらを見て、「プッ」と馬鹿にするように笑う。そんな速度でしか移動できないとか。だっさ――と言わんばかりに四本腕の大猿は速度を上げた。はい。敵認定。


「待てや、こらあ!」


 キレた。馬鹿にしてくるとはいい度胸だ。俺も速度を上げる。だが、思っていた以上に四本腕の大猿は速い。それに、途中で蔓がなくても木の枝を使ったり、木々の隙間を縫うように回転しながら抜けてからその先にある蔓を掴んだりと、思っている以上に器用で地理にも詳しいようだ。身体能力は勝っていると思うが、DEX(器用さ)の部分で負けていて、それが追い付けないことに影響している気がする。だからといって負ける訳にはいかない。意地があるのだ。何の意地かはわからないが、ともかく意地があるのだ。腕を突き出す速度や「アイテムボックス」から出る蔓の速度を上げる。


 ――それがいけなかった。負けられないと焦りもあったと思う。「アイテムボックス」から出した蔓の先が木の枝に巻き付かずに空振った。幸い、俺は怪我なく着地したが、四本腕の大猿はそんな俺の周囲を、蔓を使った移動方法で回りつつ「プププ」と笑いながら呷ってくる。


「………………コロス」


 ブチ切れた。四本腕の大猿を倒すことを最優先にして、自分の足で追いかける。四本腕の大猿は逃げ出すが――逃がさない。正直、蔓を使った移動方法より足の方が速いのだ。一気に追い付き、飛び上がって追い越し……「いや、追い越したら駄目だろ」と直ぐに引き返して、四本腕の大猿を殴り落とす。とどめを刺そうと後を追ったが……それで倒せていた。


「ふんっ!」


 蔓を使った移動方法で負けたのは悔しいが、スッキリした。それに、悪いことばかりではない。四本腕の大猿を殴り落とした場所の近くに洞窟があって、そこに地下20階への階段があった。迷わずその階段を下りる。


 地下20階


 森。ここも変わらず森だった。ただ、地下18階、19階は緑がより濃く、毒々しい見た目の花が多くて、多分暑いといった感じだったのだが、ここはそういうのではなく、普通の森といった感じだった。出てくる魔物も今のステータスであれば敵ではない。ずんずん進んでいく。

 ………………。

 ………………。

 迷うことはなかった。いや、迷う訳がなかったというか、少し進んでどちらに行こうかな? と周囲を見ると木々の隙間から建造物が見えたため、そこに向かってみたのである。そこにあったのは、神殿。木の枝がいくつか乗っかかっていたり、蔓も絡まって、ところどころ苔も付いていると、趣が感じられる。いや、何かある――ボス部屋があるのここだろ、と直感的に思う。違っていないことを切に願う。


 神殿の中を確認。直ぐ終わった。そう広くない。いくつか部屋はあったが特にこれといったものはなくて通路はほぼ一方通行なので迷うこともなく、進んでいった先には地下10階でも見た大扉があった。

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