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思わずだからこそ、これまでのことが出る

 ミノタウロスの出現を封じていた祭壇を壊すことになった。そのためには、まず結界の役割を持つ円形の魔法陣をどうにかしないといけない。まず、結界を壊せるかどうかだが……。


「まあ、私がこの杖をフルスイングすれば結界は壊れそうですね」


 マウマウ先生が身の丈以上の杖を何度も振る。とても力強く、風を切る音が聞こえてきた。見ているだけで痛そうで、俺のVITでもそれを超えた痛みを与えてきそうな気がする。リーダーのマックスさんと武闘家のモルフさんがキュッと尻に力を入れて押さえた。……打たれたことがあるのだろうか。


 ともかく、結界は問題ない。壊せるようだ。となると、仕掛けられた罠が何なのかだが――。


「それにも当たりは付けています。贄として使った四方にある武装したゾンビかミイラの四人が動き出して襲いかかってくると思われます」


 ということらしいので、俺、マウマウ先生、「星の輝き(スターライト)」と分かれて円形の魔法陣を囲う。すると、「星の輝き(スターライト)」が俺を見て困惑の表情を浮かべ、リーダーのマックスさんが手を上げて尋ねる。


「あの、マウマウ先生。マウマウ先生が一人で対応するというのはわかりますが、アルンくんも一人で対応するように見えるのですが?」


「マックスくん。アルンくんの身を案じているのはわかります。ですが、問題ありません。今この場で一番強いのはアルンくんです。実際に戦った訳ではありませんが、私よりも強いです。私が保証します」


 いやあ~、と頭をかく。マウマウ先生がハッキリと断言したからか、「星の輝き(スターライト)」はチラチラと俺を見つつも、わかりましたと頷く。多分、半信半疑……とまでいくかはわからないが、マウマウ先生の言葉を信じたようだ。それがわかったのか、マウマウ先生が「では、いきますよ」と身の丈以上の杖を構える。「星の輝き(スターライト)」は気持ちを切り替えて身構えた。俺も身構える。


「――ふっ」


 マウマウ先生が短く息を吐きながら身の丈以上の杖をフルスイング。パリィンッ! と何かが割れたような甲高い音が聞こえると、円形の魔法陣が消えた。


「動きますよ! 要警戒です!」


 マウマウ先生が声を上げるのと、武装したゾンビかミイラが動き出す。俺には盾を持つミイラが、マウマウ先生には杖を持つゾンビ、「星の輝き(スターライト)」には剣を持つミイラと双剣を持つゾンビが襲いかかってきた。


 盾を持つミイラが盾を前に出して体当たりしてくるので避ける。すると、盾を持つミイラが持っていた盾を投げてきたので腕を払って弾き飛ばした。これで盾を持つミイラがただのミイラになったかと思ったが、弾かれてどこに飛ばされるのかわかっていたかのようにただのミイラは動いていて、盾をキャッチ。また盾を持つミイラに戻った。そのまま襲いかかってくる。今度は盾だけではなく格闘術も繰り出してきた。動きは熟練というか、何かしらの正統な格闘術を身に付けているような、一流ってこんな感じかな? と思うような動きだ。でも、今の俺のAGIとDEXであれば、すべて避けられるし防ぐことができる。たとえ、まともに受けたとしても今のVITを突破するような攻撃力はなさそうなので問題ない。まあ、ミイラなのによく動くな、とは思う。いや、イメージ的にはゾンビよりは速く動けるか? まあ、動けるミイラのようだ。


 余裕があるので、他の方も確認する。マウマウ先生は杖を持つゾンビと魔法合戦を繰り広げていた。いや、押しているのはマウマウ先生かな? 魔法はよくわからない。まあ、マウマウ先生が負ける姿は想像できないし、多分大丈夫だろう。「星の輝き(スターライト)」は剣を持つミイラと双剣を持つゾンビと……まだ戦っていた。あれ? 数的有利を活かしてとっくにどうにかしていると思ったが、そうではないようだ。……何かを気にして様子見をしているように見えた。何を気にしているのかと思えば、リーダーのマックスさんがハッ! と目を見開いて、こちらにも聞かせるように声を張り上げる。


「思い出した! ミイラの方はわかりづらいが、ゾンビの方は面影がある! 間違いない! こいつら、俺たちが怪しいと思った奴らだ!」


星の輝き(スターライト)」の他のメンバーも間違いないと頷く。


「マックスくん。それは、例の最近見かけなくなったパーティということですね?」


「はい! その通りです! マウマウ先生!」


「ということは……少し調べたいことがあります! できるだけ形を残すように倒してください! 特にアルンくん。いいですね?」


 え? 名指しで俺? とマウマウ先生を見たところに、盾を持つミイラが襲いかかってきたので、思わず対ゾンビとミイラ用の「風刃(かまいたち)」をスパッと放って、盾を持つミイラを縦に二分割してしまう。盾持ちだけに、縦に。それで盾を持つミイラは動かなくなった。倒したようなので、これでいいですか? とマウマウ先生を見ると、それでいい、と笑みと頷きが返された。

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