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まさかの結果は起こり得る

 地下40階


 一本の通路を進んだ先にあったのは大広間で、そこからいくつかの小部屋と、大扉がある。構造としては地下30階の時と似ている。もし製作者が居るのであれば、地下30階と同じ人……いや、地下40階の装飾は邪悪寄りなので、地下30階を参考にした人だろうか? まあ、居ればのは話である。まあ、同じダンジョンだし、同じ人だと思うけど。心境の変化があったに違いない。それはともかく、マウマウ先生の説明によると、地下40階の魔物はボスのみ。大扉の向こうがボス部屋だそうだ。小部屋の方は……特に何もない。本当に何もない。それなりに歴史あるダンジョンだし、ここまで到達していない人が居ない訳ではないのだから、地上に持ち運ばれたとか、そんなところだろう。なので、ここまで来ればボスを倒すことしかすることがない。お昼ご飯はついさっき食べたし、夜のご飯にはまだまだ早い。特に前もってする準備は……武器とか持っていれば手入れとかあるかもしれないが、この身一つなので特にない。


「マウマウ先生。ちなみにここのボスは何ですか?」


「通常であれば金色に光るたてがみを持つライオンのキメラです。六脚で、背には竜のような羽を生やし、尻尾は二頭の蛇となっています。レアボスの方は確認されていません。出現自体が稀ですし、ここまで来ると周回するのも大変ですからね」


 まあ、レアボス情報がないのは仕方ない。俺としてはミノタウロスでないのならどちらにしても用はない。転移魔法陣を使えるようにするためにボス部屋を通るだけだ。でも、そういう時に限って――とかありそう。でも、地下30階で一度自力でレアボス遭遇しているし、早々次はないだろう。大扉を開けてマウマウ先生と共に中に入る。


 邪悪そうな装飾が施された柱が何本も立てられている広大な室内。そこの奥に居たのは――金色に光るたてがみを持つライオンのキメラだった。マウマウ先生の説明通り。通常ボスである。


「アルンくんなら、と思いましたが残念です」


 マウマウ先生からレアボスを期待されていたようだ。期待に応えられず、申し訳ありません。とりあえず、ライオンキメラからは脅威を感じないのでさっさと倒してしまおう。そのライオンキメラは……。


「……Zzz」


 寝ていた。見た感じぐっすりと眠っている。多分、ここまで来る人が少ないから、暇で暇で仕方ないんだろう。一応、ボスだし、ここはボス部屋だし、出ようと思って出れるかはわからないが、寝ること以外にすることがないのかもしれない。なら、鍛錬すれば? と思うが、ボスがボス部屋で鍛錬しながら待っているのか……怖っ。そんなことになっていなくて良かった。マウマウ先生を見ると、どうぞ、やってください、とライオンキメラを指し示す。


「手伝いは?」


「必要ですか?」


 ライオンキメラを見て、必要ないかな? と肩をすくめる。寝ている間に倒してしまおう、と思ったが、そこでふと疑問が浮かぶ。地下40階のボスが、いくら寝ているとはいえ侵入者に気付かないものだろうか? と。実際はもう起きていて、こちらの油断を誘うために寝た振りをしているのではないだろうか? ……怪しい。怪しむべきだ。迂闊に近付けば、不意に起き上がってがぶっと噛み付いてくる、なんて目論んでいるかもしれない。なんと狡猾な。汚いぞ、ライオンキメラ。……まあ、本当に寝ている可能性もあるが。近付く前にどっちなのか試してみるか。近くにある柱の一部を力で掴み取って、手頃な塊を手にした。それを振り被って……思いっ切り投げる。なんか色々乗った気がする。「投擲」に、塊が少し尖っていたので「刺突」、それと「風刃(かまいたち)」も組み合わさって、空気を裂きながら真っ直ぐに飛んでいき――ライオンキメラがカッ! と目を開けて身を起こそうとしたところで飛んでいった塊がライオンキメラの眉間を貫き、そのまま体も貫通して、奥の壁に突き刺さって止まった。ライオンキメラがドスゥン……と倒れる。


「………………」


「………………」


「………………マウマウ先生」


「なんですか?」


「動かなくなりましたけど……もしかして、今ので倒してしまいましたか?」


「まあ、動かなくなりましたし、おそらくは……」


 マウマウ先生と一緒にライオンキメラに近付く。マウマウ先生が杖の先端でつんつんと突くが動きはない。どうやら倒してしまったようだ。


「アルンくんなら倒せると思っていましたが、まさかこんな簡単に倒すとは思っていませんでした」


 マウマウ先生が苦笑を浮かべる。俺も同意するように苦笑を浮かべた。とりあえず、ボスは倒したのだ。時間も限られているし、やるべきことをやろう。ライオンキメラは「アイテムボックス」に入れて、奥に進んで転移魔法陣を使えるにする。これで、地下40階でやるべきことは終わった。


「それでは、地下35階の拠点に戻りますか」


 マウマウ先生の言葉に頷きを返して、ミノタウロスが居ないかどうか探しながら地下35階の拠点へと戻るが、ミノタウロスは一体も見つけられなかった。

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